企業のスマホ利用をターゲットに……CTCの「SmartBiz+」 | RBB TODAY

企業のスマホ利用をターゲットに……CTCの「SmartBiz+」

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
「SmartBiz+」の全体構成イメージ
  • 「SmartBiz+」の全体構成イメージ
  • 管理ツール「ReMS」は、Webアプリケーションとして提供される。ユーザーアカウントの登録・更新・削除、共有フォルダの作成・削除、アクセス権設定などが行える
  • 「BizCube for Android」による接続画面。ユーザー認証を経てクラウド上のサービスに接続される
  • 「BizCube for Android」の基本画面。ここからクラウド上の共有フォルダにアクセスする
  • 「SmartBiz+」の実際のビジネスシーンでの利用(同社資料より)
■既存のファイル共有サービスの企業利用における課題

 現在、インターネット上では、SkyDrive、DropBox、Google Driveなどに代表されるフリーのクラウド型ファイル共有サービスが多数提供されている。これらのサービスは、一定のストレージ容量までは無償で利用できるため、すでに利用している人も多いだろう。家族や友人たちとの写真共有や、デスクトップPCとノートPC、あるいはPCとスマートフォンやタブレット端末との間でのフォルダ同期など、プライベート利用では活躍のシーンも多い。

 一方、ビジネスシーンでは、こうしたフリーのサービスを企業内で利用することに抵抗を感じている情報システム担当者も多いはずだ。

 その理由として「一元化されたユーザー管理機能がない」「細かなアクセス権設定ができない」「ノートPCやスマートフォンの紛失による情報漏えいの危険性がある」「対応端末が限られている」「無償サービスでは責任の所在が明確でない」「日本語対応のサポート窓口がない」などの課題が挙げられる。

 伊藤忠テクノソリューションズでは、企業ニーズを意識し、「スマートフォン」・「タブレット端末」をビジネスでも簡単・安全に使うことを目的としたクラウド型ファイル共有サービス「cloudage SmartBiz+(クラウデージ・スマートビズプラス)」を2011年11月にスタートした。

■管理者を置き、ユーザーアカウントやアクセス権を一元管理

 同社クラウドプラットフォーム事業グループの湯座 聡氏によると「SmartBiz+」の大きな特徴の一つが、サービス管理ツール「ReMS」の提供だ。「ReMS」からは、ユーザーアカウントの登録・抹消のほか、アクセスログの閲覧、共有フォルダの作成およびアクセス権の設定などが行える。アクセス権は、共有フォルダに対して、ユーザーごとに「管理者」「編集」「参照」という3つの権限を設定できるようになっている。「管理者」は共有フォルダの作成や削除も行え、「編集」はファイルの追加・更新・削除が、「参照」は文字通り参照のみが可能となる。

 「SmartBiz+」の運用においては、管理者が作成する共有フォルダだけでなく、ユーザーはそれぞれの「マイフォルダ」を利用することもできる。ユーザーは、マイフォルダの下に自由にサブフォルダを作成できるので、会社のデスクトップとスマートフォンの間で、自分専用のファイルを共有するのにも使える。

■あらゆる面から情報漏えいの危険性を排除

 「SmartBiz+」のもう一つの大きな特徴はセキュリティの高さで、あらゆる角度から情報漏えいリスクを排除している。

 クラウドと端末間のすべての通信は暗号化され、通信経路での盗聴などの心配はない。また、クラウド上のデータは、伊藤忠テクノソリューションズが自社で運営する国内データセンターに置かれるというのも安心材料の一つだ。アクセスログはすべて記録されており、前述の「ReMS」から、どのユーザーが、いつどのファイルを参照したかといったことも確認可能で、万一の情報漏えいの際にはルートの特定も行える。

 また「SmartBiz+」には、専用のクライアントアプリである「BizCube」も提供されている。「BizCube」は、Windows、Android、iPhone/iPadと幅広く対応するが、湯座氏によれば、この「BizCube」にも情報漏えい対策の仕掛けがあるとのこと。

 ファイル共有の活用で、情報漏えいリスクが高いものとして、モバイル端末の紛失や置き忘れがある。もし、端末内に共有ファイルがダウンロードされていれば、やすやすと閲覧されてしまうだろう。しかし「BizCube」を使う限りは、ファイルは端末に残ることはない。もちろん、閲覧するために一度はファイルをダウンロードするが、閲覧終了後(実際にはBizCube終了時)にダウンロードファイルは削除される。

 なお、現在「BizCube」で閲覧可能なファイルは、Microsoft Office文書、PDF、TEXT、画像(JPEG、GIF、PNG、TIFF、BMP)、音声(MPEG-3、WMA、WAVE、MP4、3GPP、CoreAudioFormat)、動画(MPEG-4、MPEG-1/2、FlashVideo、QuickTime、AVI、WMV、RealMedia、3GPP)となっている。同社ではユーザーニーズの反映にも積極的で、今後は、PDFの編集(赤字校正)などの機能追加を検討している。なお、意外なことに、Microsoft Officeの文書の編集については要望が少ないそうだ。

■広がる活用範囲

 営業スタッフならば、「SmartBiz+」を活用することでカタログやプレゼン資料のペーパーレス化により重い荷物から解放され、iPadひとつで営業することができる。さらに、会社にカタログや資料を取りに行く必要がないため、直行・直帰も可能になり、通勤時間を営業のための時間に割けるという。事実、「SmartBiz+」を導入し直行・直帰を実践した企業で、営業スタッフ一人ひとりの売上を大幅に向上させた事例もあるとのことだ。

 また、「SmartBiz+」の活用でユニークなものとしては、コピー機のフィールドエンジニアの活用事例がある。コピー機から異音が発生している場合、ベテランエンジニアはその異音を聞いて不具合の原因を特定する。そのため、従来は客先を回る若手エンジニアが、その場で電話を使ってベテランエンジニアに現場のコピー機の異音を聞かせて、判断を仰いでいた。「SmartBiz+」導入後は、スマートフォンのボイスレコーダ機能で異音を録音して音声ファイルをクラウドにアップロードし、ベテランエンジニアがそれを再生して診断を下すようになったという。

■今後の可能性にも期待

 「SmartBiz+」は1ユーザーID単位から申し込め、100名までなら1ユーザー当たり月額700円、ストレージ容量は、契約ユーザー数に係らず最初に1GBが与えられ、1GB当たり月額30円で追加利用できる。たとえば10人のユーザーで、トータル20GBのストレージを共有するとなると、月額料金は10人×700円+19GB×30円=7570円だ。

 前述のようなセキュリティを考慮すれば、中小企業や事業部単位での導入でも、リーズナブルなコストと言えるだろう。また、100名を超える規模での導入については、1ユーザー当たりの月額料金が下がるコースメニューが設定されている。

 最後に、「SmartBiz+」の今後の可能性についても紹介しておこう。「SmartBiz+」は、REST-APIで接続可能なストレージサービスであり、クライアントアプリケーション開発のための各種OS用SDKが用意されている。そのため「SmartBiz+」に対応した新たなアプリが、サードパーティから登場する可能性がある。実際に、コクヨから発売されているスマホと連携するノート「CamiApp」のCamiAppアプリが、データの保存先として「SmartBiz+」に対応している。

 情報漏えいは、起きてからでは取り返しがつかない、深刻な問題である。情報システムに精通している担当者なら、「SmartBiz+」がコストパフォーマンスに優れたサービスであることが、すぐに理解できるはずだ。
《竹内充彦》

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