KDDIは25日、平成25年(2013年)3月期第1四半期決算を発表した。営業利益は942億1100万円で前年同期比32.8%の減益となったが、田中孝司代表取締役社長は会見で、業績は順調で、通期営業利益5000億円の予算達成には「自信の揺らぎは無い」と語った。 経常利益は901億8600万円で31.9%減、四半期純利益は512億9100万円で28.7%減、営業収益は8616億1500万円で0.4%の微減となった。 営業利益の増減要因のうち、減益となった大きな要因として、「3M戦略」の先行投資コストが160億円ほどあったとする。マルチデバイスでマルチネットワークを介してマルチユースをシームレスに実現するという戦略だ。 第2四半期以降はこの先行投資が収益をあげるようになること、さらに500億円規模の「周波数再編の端末移行コスト」が解消するとしている。通信料収入減が縮小、固定系収入の拡大、端末評価減の解消などが予想され、田中社長は「通期営業利益5000億円に向けて計画通りの進捗」と述べた。 田中社長はプレゼンテーションで、2012年の「ゲームチェンジ」宣言以降のビジネスモデルの変革がうまくいっていることを強調した。従来の、モバイル中心の回線獲得モデルから、ID(契約)登録数の拡大と、IDあたりの売上(ARPU)の拡大との、2つの軸の成長を新たな売り上げモデルとするもの。 固定ブロードバンドとauスマートフォンとのパッケージ、「auスマートバリュー」がID登録数の拡大に、マルチデバイスと多彩な決済手段を可能にした「auスマートパス」がARPUの拡大に対応し、いずれも好調であるとした。