ソニーと合弁解消のシャープ子会社、凸版及び大日本印刷の液晶カラーフィルター事業を統合 | RBB TODAY
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ソニーと合弁解消のシャープ子会社、凸版及び大日本印刷の液晶カラーフィルター事業を統合

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会社分割後のSDPの持株比率
  • 会社分割後のSDPの持株比率
  • 凸版、大日本の分割部門の営業成績
 シャープと凸版印刷、大日本印刷の3社は24日、シャープ子会社であるシャープディスプレイプロダクト(SDP)に対し、凸版印刷、大日本印刷及び大日本印刷の100%子会社であるDNPカラーテクノ堺の堺工場における液晶カラーフィルター事業を吸収分割の方式により承継させることを決議した。

 3社はこれまで、SDPに対して凸版印刷グループ及び大日本印刷グループの堺工場における液晶カラーフィルター事業を統合させることについて4月10日付で基本合意書を締結しており、その後具体的な検討を進めていた。

 SDPは2009年10月から稼働を開始した世界唯一の第10世代液晶工場。液晶パネルの部材メーカーに加え、電気、ガスや水といったインフラ・エネルギーメーカーが堺工場に進出、部材から液晶パネルまでの一貫生産を実現し、液晶パネル生産の垂直統合化を進めていた。しかし、円高基調の恒常化やデジタル商品の競争激化に伴う市場価格の下落など経営環境が厳しさをます中、先般シャープは、堺工場の操業安定化とコスト競争力を実現するために電子機器の受託製造大手、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業グループと資本業務提携契約を締結。SDPで生産する液晶パネル・モジュールを、鴻海精密工業とシャープが50%ずつ引き取ることにより、SDPの高稼働率維持を図り、コスト競争力強化と収益性改善を図ると発表していた。

 今回、凸版印刷グループ及び大日本印刷グループの堺工場における液晶カラーフィルター事業をSDPに統合し、液晶パネルの主要部材であるカラーフィルターも含めた大型液晶事業の一層の効率化を図り、同事業の競争力強化を目指すとのこと。

 また、シャープ保有のSDP株式のうち、鴻海CEOの郭台銘氏が1,320,000株を取得する予定で、さらに既報のとおり、ソニー所有のSDP株式200,000株すべてについてSDPが6月末までに自己株式として取得する。加えて、今回の吸収分割に伴って、分割対価としてSDP株式の発行が予定されており、郭台銘氏への株式譲渡、ソニーからの株式取得及び、吸収分割が実行された場合、シャープのSDPに対する議決権比率が40%未満となり、子会社の異動が見込まれる。なお、自己株式取得規制の関係等により、SDPが株式を取得できない場合は、シャープがソニー保有のSDP株式を取得し、この場合、子会社の異動とはならないとしている。
《白石 雄太》
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