大日本印刷（DNP）は2日、オリジナル書体「秀英体」シリーズの「秀英横太明朝」の文字数を追加するとともに、異なるフォーマットでも互換性を持つOpenTypeフォントとして電子書籍向けにライセンス提供を開始した。 「秀英体」は100年以上にわたり書籍などで利用されているDNPのオリジナル書体。今回、ライセンス提供した「秀英横太明朝」は、秀英体の特長を活かしつつ、デジタル機器のディスプレーでの視認性を高めたものとなっており、従来より、動画の字幕やウェブサイト、携帯電話などのフォントとして利用されている。この「秀英横太明朝」に縦書きやルビ、圏点（本文の文字に付ける強調のための点）など、複雑な組版に使用する文字や、JIS第3・第4水準の漢字を含む10,963文字を追加した、20,317文字を収録したフォントを開発しOpenTypeフォントとしたものとなっている。 第一弾としては、ドワンゴの電子書籍配信サービス「ニコニコ静画（電子書籍）」のiPhone/iPadアプリに搭載されたとのこと。「ニコニコ静画（電子書籍）」は、コミックや小説など電子書籍を閲覧するだけでなく、読者が電子書籍にコメントを投稿することが可能。他の読者が投稿したコメントも見ることができ、読者同士で作品に対する感想や感情を共有できるサービスとなっている。 DNPでは、2012年春頃を目処に、JIS補助漢字を含む23,058文字にまで拡張する予定。また、EPUBなど、今後普及が期待される電子書籍フォーマットに対しても、「秀英体」の提供を進めていく。
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