IPA、オープンソースの無償フォント「IPAex」を公開 〜 固定幅と変動幅を統合 | RBB TODAY
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IPA、オープンソースの無償フォント「IPAex」を公開 〜 固定幅と変動幅を統合

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IPAexフォント(Ver.001.01)のサンプル表示
  • IPAexフォント(Ver.001.01)のサンプル表示
  • IPAexフォント(Ver.001.01)のサンプル表示
  • 従来のIPAフォントとIPAexフォントの関係
  • U+0361(COMBINING DOUBLE INVERTED BREVE)とU+203F(UNDERTIE)が修正
 情報処理推進機構(IPA)は26日、「IPAフォント(アイピーエー フォント)」の新シリーズ、「IPAexフォント(アイピーエーイーエックス フォント)」を公開した。

 「IPAフォント」は、誰でも無償で利用できる、高品位を目指した日本語フォント。基本ソフトウェアなど、プラットフォームの種類を問わず、多様な情報機器で共通に利用できる。従来の「IPAフォント」は、過去のシステムとの互換性の観点から、文字送りについて、「固定幅」のフォントと「プロポーショナル(変動幅)」のフォントとが別のフォントとして分離されていたが、一般的な日本語の慣例に従った文書を作成する場合、例えば欧文文字の部分には「IPA P明朝」を用い、和文文字の部分には「IPA明朝」を用いる、といった使い分けを、一つの文書の中で行う必要があった。

 今回提供される新シリーズ「IPAexフォント(Ver.001.01)」ではこれらを1つに統合した。和文文字(仮名、約物4、漢字)は固定幅で、欧文文字は文字幅に合せた幅(変動幅)を基本としたドキュメント用日本語フォントの標準的な実装になっている。「IPAex明朝」(ファイル名:ipaexm.ttf)が明朝体約11,000文字、「IPAexゴシック」(ファイル名:ipaexg.ttf)がゴシック体約11,000文字で、いずれもOpen Type Font仕様に準拠する。また収容文字セットはJIS X 0213:2004に準拠する。

 またIPAex明朝では仮名デザイン、IPAexゴシックでは濁点のデザインが全面見直し、両フォントで数学記号全般を視覚的に違和感のないようにデザイン統一するなど、さまざまな変更が加えられている。U+0361(COMBINING DOUBLE INVERTED BREVE)とU+203F(UNDERTIE)は、標準的な和文書体と文字送り幅が異なっていたため、適切なデザインに修正された。また、IPAフォントではU+005CとU+00A5の双方に重複して円記号“¥”が割り当てられていたが、国際的な相互運用性を重視し、IPAexでは、Unicodeの仕様通りU+005Cにバックスラッシュ“\”、U+00A5に円記号“¥”が割り当てられた。

 あわせて、従来の「IPAフォント」シリーズについても、利用者の意見を反映したバージョンアップ版として「IPAフォント(Ver.003.02)」が公開された。Ver.003.02では、旧版の利用者からの指摘があった不具合の修正をするとともに、欧文と数字の判別が容易となるように、文字のデザインなどが修正されている。「IPAexフォント」および「IPAフォント」を利用するには、オープンソースライセンス “IPAフォントライセンスv1.0”2の承諾が必要となる。同ライセンスを継承することを条件に、フォントファイルを複製、再配布、改変することが可能。
《冨岡晶》
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