DNP、違法コピー時に妨害雑音を再生させる音楽コンテンツ向け電子透かし技術を開発 | RBB TODAY
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DNP、違法コピー時に妨害雑音を再生させる音楽コンテンツ向け電子透かし技術を開発

ブロードバンド セキュリティ
ゲンコーダMark for COPY PROTECTの仕組み
  • ゲンコーダMark for COPY PROTECTの仕組み
  • 人間の可聴域(録音や圧縮を行うと、聴取可能な音波帯域は狭くなる)
 大日本印刷は10日、音楽コンテンツを違法にコピーすると、再生時に雑音を発生させ鑑賞を妨害する電子透かし技術「ゲンコーダMark for COPY PROTECT」を開発したことを発表した。クオリティを損なうことなく、低コストで容易に雑音データを埋め込むことができるという。

 従来のDRM(Digital Rights Management)では、再生されてスピーカーから出る音にはDRMがかかっておらず、AV機器のマイクロフォンや端子などを使えば一定の品質で録音できてしまうのが現状だった。「ゲンコーダMark for COPY PROTECT」では、人間の聴覚(20Hz~20kHz前後)と音響入力機器の感度範囲(200Hz前後~12kHz前後)の差を利用して、特定の帯域に雑音データを埋め込むことにより、違法コピーした音源を再生すると雑音を発生させる。

 妨害雑音を発生させる仕組みには、聴覚マスキングを利用した「妨害雑音:X」、音脈分凝を利用した「妨害雑音:Y」の2種があり、1方式のみ、または両方式を組み合わせての利用が可能。「妨害雑音:X」では、20Hz~200HzのA帯域と200Hz~400HzのB帯域において、B帯域に妨害雑音を埋め込む。通常では聴覚マスキング現象により影響はないが、この音源を音響入力機器でコピーすると音波帯域が200Hz~12kHzに狭められてA帯域の音が消失するため、聴覚マスキングが作用せずに「妨害雑音」が明確に聞こえるようになる。同様に、6kHz~12kHzのC帯域と12kHz~18kHzのD帯域において、人間の耳の補完作用(音脈分凝)を活用するのが、「妨害雑音:Y」方式となる。

 今後DNPは当技術の実用化を目指して評価実験を行い、音楽コンテンツの制作・配信事業者に対し、違法な複製・流通の抑止についての提案を行う予定。また当技術の開発成果を、14日に東北大学電気通信研究所で開催される「電子情報通信学会・マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会」で発表する。
《冨岡晶》
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