【危機管理産業展】東日本大震災で活躍、長距離遠隔操作が可能な救出ロボット | RBB TODAY
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【危機管理産業展】東日本大震災で活躍、長距離遠隔操作が可能な救出ロボット

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人命救助ロボット「ロボキュー」。本体サイズは幅1.2×高さ6×長さ2m、重量は1.5トン
  • 人命救助ロボット「ロボキュー」。本体サイズは幅1.2×高さ6×長さ2m、重量は1.5トン
  • ロボキューによる人命救助のデモンストレーション。内部のベルトコンベアに要救助者が搬送されているところ
  • ロボキューの操縦コントローラ。モニター類や操縦桿、ペダル類がある
  • 最新型の検知型ロボット。危険物が漏洩して消防隊が近づけない場所で、各種測定器によって状況を確認できる
  • 段差がある場所では、前部のアームで本体をせり上げて、クローラで駆け上がる
  • ノートPCとジョイスティックからロボットのコントロールが可能。カメラからのモニタリング画面を見ながら操作
  • PC画面には4つのカメラ画像や、各種計測器の検知データを表示。サーモ画像も表示されるので、救助者検出の精度も高くなる
 RISCON(危機管理産業展)の展示会場では、東京消防庁による「東日本大震災・派遣活動デモンストレーション」が実施されていた。これらは東日本大震災で導入された救出ロボットだ。

 まずクローラ式の救助ロボット「ロボキュー」がデモに登場し、人命救助のシミュレーションを実施していた。ロボキューは、濃煙、熱気、有毒ガスが発生する危険な災害現場において、隊員に代わって救助活動をするロボットだ。可燃性ガス測定装置や障害物検知装置、濃煙内撮像装置などの各種センサーを備え、無線と遠隔による操作で救助活動が行える。

 本体全部の両サイドには双碗型力反射制御方式の7軸マニピュレータがある。このグリップ部の最大把持力は90kgで、瓦礫を撤去するほか、要救助者をつかんで車体中央にあるベルトコンベア式の収容スペースに送り込む仕組みだ。収容スペースの救助者には、新鮮な空気が供給されるほか、カメラで容態を確認したり、マイク・スピーカーを通して、オペレータが救助者に声をかけられるようになっている。

 通信方式が無線の場合は50mまで、有線(光ファイバケーブル)の場合は最大100mの距離から操作できる。ロボット本体と操縦コントローラは専用搬送車両で現場まで運ぶそうだ。操縦コントローラには、モニター類や操縦桿、ペダル類がある。

 一方、もう1つのロボットは、危険物が漏洩して消防隊が近づけない場所において、各種測定器によって状況を確認する目的で開発された最新鋭の検知・探査型災害対策用ロボットだ。本体と中継器×各1台のペアで運用するもので、有線ケーブル(光ファイバ)で通信を行い、300m(無線の場合は50m)まで進めるという。

 本体W480×L950×H430mm・重量20kgの小型・軽量サイズであるため、消防隊員が手に持って運ぶことができる。もちろん狭隘なスペースでも、段差がある部分(最大35度)でも投入することが可能。周囲の温度を検知したり、照明付きのカメラを前後左右に搭載し、救助者を確認できる。またセンサーには、神経ガス、可燃性ガス、ガンマ線の検知器を搭載している。

 ロボットは、ノートPCとジョイスティックから操作でき、PC画面には4つのカメラ画像や、各種計測器の検知データ、ロボットの向き・姿勢、通信状況のモニタリング、バッテリ残量なども表示される。映像の録画(5fps)も可能で、最大2時間まで保存できるという。今回の大震災を踏まえ、官公庁では、こうした災害ロボットの整備がさらに進んでいくだろう。
《井上猛雄》
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