「日本の弱みは意識の低さ」……ガートナー、世界のCIO 2,014人の調査結果を発表 | RBB TODAY
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「日本の弱みは意識の低さ」……ガートナー、世界のCIO 2,014人の調査結果を発表

エンタープライズ 企業
2011年におけるビジネス面の優先度
  • 2011年におけるビジネス面の優先度
  • 2011年におけるテクノロジ面の優先度
 ガートナー ジャパンは3日、世界50か国・2,014人以上のCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)に、2011年のCIOの課題について調査した結果を公表した。同社では、毎年4,000人から成るCIOメンバーを中心に、CIOが抱える次年度の課題を調査している。

 2010年10~12月に行われた調査では、2011年のCIOの課題について2,014人以上のCIOに質問。そのIT予算の合計は14兆円以上に達しているという。日本では76人のCIOから回答を得ており、回答企業のIT予算の合計は1兆8,000億円超、1社当たりのIT予算は250億円程度となっている。

 この調査の結果、日本のCIOと世界のCIOの間には、いくつかの差異が見られた。まず2011年のIT予算について、前年度に比較して「増加する」と回答したCIOは、世界では40%に上ったのに対し、日本では21%。一方で「減少する」と回答した比率は、世界では16%、日本では26%だった。CIOの成功にとってもっとも重要な要因については、「ビジネス成果」および「ビジネス知識」と回答した比率が、世界では66%に上ったが、日本では46%と半数に満たない結果になった。一方で、「IT組織以外の部門や経営層との関係性」と回答した比率は、世界では22%、日本では33%になった。日本のCIOは、世界のCIOに比べると、自身の成功について、ビジネス成果よりも社内の交渉力を重視している傾向が見られるといえる。ガートナーでは、「日本のCIOは、ITがビジネスに及ぼす影響力を明確なビジネス成果として表すことを、世界の平均的なCIOに比べて不得手としており、他部門や経営者との交渉力でカバーする傾向がある」と分析している。その結果、経営トップやビジネス部門からのIT部門への期待感が薄れてしまい、IT投資が世界平均に比べて消極的になってしまうのではないかと考察した。また新たなテクノロジであるクラウド・コンピューティングなどの領域に関しては、日本のCIOは、世界のCIOに比べてあきらかな消極姿勢を見せているともしている。

 CIOが回答したビジネス面の優先度ランキングでは、ビジネス戦略が、国内外の企業において、コスト削減を最優先していた2010年とは変化し、ビジネス成長に集中していることが判明している。またテクノロジ面の優先度ランキングでは、前年に引き続き、国内外とも「クラウド・コンピューティング」が第1位となり、「軽量化」テクノロジにますます注力しようとする動きが見られた。また、「モバイル・テクノロジ」が日本で第2位、世界で第3位と順位を急上昇させていることも、スマートフォンやタブレット型端末がコンシューマー向けに好調なことに影響を受けているためと推測されている。
《冨岡晶》
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