NEC、瞬時に違法コピー動画を発見できる映像識別技術を開発 ~ 2秒程度の短いシーンでも正しく検出 | RBB TODAY
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NEC、瞬時に違法コピー動画を発見できる映像識別技術を開発 ~ 2秒程度の短いシーンでも正しく検出

エンタープライズ セキュリティ
 日本電気(NEC)は7日、インターネット上で違法にアップロードされたコピー動画を、瞬時に自動検出可能な映像識別技術を発表した。

 今回発表された技術は、オリジナルの動画から映像を識別するための指紋情報(ビデオシグネチャ)を生成し、他の動画と照合するもの。これにより、単にコピーした動画だけでなく、テロップ挿入やカメラ撮影、アナログコピーなどデータ改変をともなっている動画でも、高速・高精度に検出可能とのこと。

 この技術では、映像の各コマ(フレーム)のさまざまな位置に、種々の大きさ・形状の領域をペアで複数設定し、それぞれのペアの領域における輝度の差分値をシグネチャとして抽出。本シグネチャは人間の指紋のように画像ごとに異なるため、本従来対応が難しかったアナログキャプチャ、再エンコード、テロップ重畳など大きな改変を加えた動画でも正しく検出できるという。フレーム中で輝度の差が少ない場合はその信頼度を低くするなどシグネチャの有効性を推定し、有効なシグネチャを重視して識別に利用することで、安定した高精度の識別率と低い誤検出率を実現。国際標準化機関のテストでは、平均96%と高い識別率と、5ppm(100万分の5)と低い誤検出率の両立を実証した。生成したシグネチャは高い識別性能をもっているため、従来検出が不可能であった2秒程度の短いシーンでも正しく検出可能。家庭用パソコン程度の処理能力でも、1秒間に1000時間程度の照合が可能だとのこと。

 なお本技術は、ISO/IECの合同技術委員会において、動画の識別方法に関する国際標準規格「MPEG-7」の補足として規格化される見込みだ。4月19日~23日にドイツのドレスデン(Dresden, Germany)で開催された第92回ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11(通称MPEG)会議においてISO/IEC 15938-3/Amd.4最終規格案として承認されており、今後、ITTFによる加盟国投票を経て、9月頃正式な規格案として発行される予定だ。また5月12日~14日に東京ビックサイトで開催される「第13回組み込みシステム開発技術展」に出展される予定。
《冨岡晶》
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