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「世界最高性能になる見込み」——富士通がサーバ製品「PRIMERGY CX1000」を発表

エンタープライズ その他
クラウド向けのサーバ戦略を説明する富士通 執行役員常務 佐相秀幸氏
  • クラウド向けのサーバ戦略を説明する富士通 執行役員常務 佐相秀幸氏
  • CX1000を紹介する富士通 IAサーバ事業部本部長 河部本章氏
  • PRIMERGY CX1000。サーバは完全フロントアクセス化されているためネットワークケーブルも前面に接続されている
  • 専用ラック内部のダクト。上部に2個の集中ファンが見える。サーバの排熱が通る部分のパンチングの穴の密度で冷却を平均化しているという
  • ラック上部に排熱されるため、ラック同士を背中合わせに設置でき、ホットアイルを省略できる
  • シンプルでコンパクトに設計された専用サーバ。スライドレールも省略されている。同日発売のXeon 5600番台を搭載するモデルも用意される
 富士通は17日、記者説明会を開催し、「クラウドコンピューティング時代に向けたサーバ戦略」と、同日販売開始されたサーバ製品「PRIMERGY CX1000」(以下CX1000)を紹介した。

◆データセンター専用モデルを提供

 はじめに、同社執行役員常務 佐相秀幸氏が同社のサーバ戦略を紹介。同社では、従来型のミッションクリティカル・システムに加えて、今後はグローバルビジネスの強化・拡大とクラウドコンピューティングへの対応を図っていくという。今回販売開始されたCX1000は、データセンターへの大量サーバ集約に最適な省電力性能を持ったサーバプラットフォームで、世界同時発表されている。

 なお、同製品は省電力のベンチマークであるSPECpowerで「世界最高性能になる見込み」(佐相氏)だという。

◆CX1000はKeep it simpleがコンセプト

 続いて、同社IAサーバ事業部本部長 河部本章氏がCX1000の特徴を紹介。CX1000は、同社がデータセンター事業者15社とネットサービス企業20社にヒアリングを行った結果を基に、省電力化、省スペース化、運用コストの軽減を追求した製品であるという。特に“Keep it simple”をコンセプトに、従来のようなサーバ単位ではなく、ラック単位でのシンプル化と最適化を図ったのが大きな特徴だ。

◆ラック全体で冷却するメリット

 まずは省電力の部分だ。ラックマウント形のサーバではサーバ1台当たり8〜10個の冷却ファンが装備されているのが一般的で、仮にこうしたサーバを40Uラックにフルに搭載した場合、300個以上のファンが動作することになる。CX1000では、冷却ファンをサーバ単体に装備せず、ラック上面に2個の大型ファンを搭載し、ラック単位で冷却する方式を採用している。2個の集中ファンのみで38ノードすべてを冷却するが、冷却効果を平均化するところにノウハウがあるという。さらに80PLUS Gold(変換効率92%)の高効率電源を採用することにより、同社の従来製品比で13%の省電力化に成功している。

 この専用ラックは、サーバからの排熱を、ラック内のダクトを通じて上方に逃がす仕組みになっている。また、サーバも背面メンテナンスフリーになるよう設計されているため、ラックの背面にホットアイルを設ける必要がなく、ラック同士を背中合わせに配置できる。さらにラック自体も奥行85cmと小型化しており、従来のラックサーバと比較して、設置スペースを約40%削減することに成功した。

◆軽量化と運用コスト軽減の両立

 一方で従来型のデータセンターでは、ラック当たりの供給電力量と床荷重に制限があり、たとえ40Uのラックを設置しても、サーバをフルに搭載することができず、デッドスペースが生じてしまうという問題がある。その点、CX1000は38台フル搭載しても重量500kg、消費電力5,700Wと、一般的なデータセンターの床荷重500kg/m2以下、ラック当たりの供給電力6kW以下という値を見事にクリアしている。

 この軽量化に大きく貢献しているのが搭載されるIAサーバのシンプルな構成だ。冷却ファンを装備していない点は先にも紹介したが、同製品はラックから引き出すときに利用するスライドレールも装備していない。運用コスト削減の一環として、障害発生時には、サーバノードごと交換するため、メンテナンス時に利用するガイドレールは不要との判断だ。河部本氏によれば、このスライドレールも軽量化に大きく貢献しているという。また、ラック奥にダクトを設けている都合上、サーバ自体も、特に奥行き方向がコンパクトに設計されている。製造は富士通テクノロジー・ソリューションズ(FTS)のドイツのアウグスブルグ拠点とのことだ。

 同社ではCX1000の導入により、省電力によるコスト削減約13%、冷却電力コスト削減約13%、データセンターフロア面積削減約40%の効果があるとしている。なお、同社が2月に発表したクラウドサービスのプラットフォームとしても採用していく予定だという。
《竹内充彦》
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