12月に国内初の宇宙・環境エネルギーイベント「宙博」開催 | RBB TODAY

12月に国内初の宇宙・環境エネルギーイベント「宙博」開催

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 ナノオプトメディアは15日、宇宙・環境エネルギーの新イベント「宙博(ソラハク) 2009」を12月3日から開催すると発表。都内で記者会見を開催した。
  •  ナノオプトメディアは15日、宇宙・環境エネルギーの新イベント「宙博(ソラハク) 2009」を12月3日から開催すると発表。都内で記者会見を開催した。
  • 宙博キャラクターとロゴ。ヒータン博士は藤原氏をイメージしたという
  • 宙博キャラクターとロゴ。ヒータン博士は藤原氏をイメージしたという
  • S2(エスツー)代表取締役社長の迫村裕子氏
  • 世界天文年日本代表・前国立天文台長の海部宣男氏
  • ナノオプトニクス・エナジー/ナノオプト・メディア代表取締役社長の藤原洋氏
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台天文情報センターセンター長・アーカイブ室長の渡部潤一氏
  • 宇宙航空研究開発機構理事長の立川敬二氏
 ナノオプトメディアは15日、宇宙・環境エネルギーの新イベント「宙博(ソラハク) 2009」を12月3日から開催すると発表。都内で記者会見を開催した。

 世界天文年2009日本委員会公式イベントという位置づけだが、毎年12月に開催予定。日本が誇る科学技術の最先端と、そこから誕生する環境エネルギー革命にスポットを当てながら、学識者・研究者・技術者による講演や展示を行う。場所は東京国際フォーラムを予定している。来場者は15,000人を目指す。

 記者会見にはナノオプトニクス・エナジー/ナノオプト・メディア代表取締役社長の藤原洋氏、世界天文年日本代表・前国立天文台長の海部宣男氏、宇宙航空研究開発機構理事長の立川敬二氏、慶應義塾大学環境情報学部教授/株式会社SIM-Drive代表取締役社長の清水浩氏、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台天文情報センターセンター長・アーカイブ室長の渡部潤一氏、S2(エスツー)代表取締役社長の迫村裕子氏が出席した。

 最初の2日間はビジネスも結びつけた内容、後半はファミリーデーとして親子連れに科学の面白さ、技術を体感してもらう内容となっている。具体的には巨大望遠鏡で宇宙の一番星を見るといったようなテーマをはじめ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からは開発中の月惑星探査ロボットの話も。ほかに国立天文台開発の四次元シアターや、日米共同研究の30メートル望遠鏡の話題、宇宙飛行士の食べ物、宇宙飛行士になるための模擬試験なども開催予定となっている。また模擬的な素粒子の衝突実験の体感や電気自動車「Eliica」の試乗なども予定されている。会場にはサイエンスナビゲーターを配置し、若手の研究者を中心にブースで質問に応える計画だ。

 世界天文年2009日本委員会委員長でもある海部氏は冒頭、「この種のイベントは、今まで日本ではなかったのではないか。天文学や素粒子を含め基礎的な学問・研究、技術、そして産業を結び付けていこうというステップになると思う」と挨拶。「世界天文年の今年は非常に大きな成功を収めた。しかし国際天文学連合に参加している国は70に満たない。つまり天文学の研究をできる国は70しかないということだ。にもかかわらず、世界天文年に参加している国は現在147か国と倍にのぼる。宇宙への関心だけではなく科学の教育への結びつき、環境と天文学の結びつきの相性の良さが寄与しており、天文学は開発途上国の科学教育に大きな役割を果たすということが証明された年だった」「我々としても環境、教育という面でもコミットしていきたいと考えている」とコメントした。

 藤原氏は「宇宙科学、宇宙航空工学、環境エネルギー技術という3つの分野にスポットライトを当てるべき時代がきた」と話し、「最先端の科学技術をできるだけわかりやすくビジネス、学術研究、政策にかかわる方々、一般の方々に知っていただきたいというのが設立の趣旨だ」と強調した。

 渡部氏は「スバル望遠鏡は10年を迎えノリにのっているところだ。南米チリに望遠鏡を80台近く並べ、新しい宇宙を見る眼を作る日本・北米・欧州共同のプロジェクト“アルマプロジェクト”も建設が進んでおり3年後には完成する」「さらにその先には30メートル望遠鏡のプロジェクトが検討されている。これについても宙博に来場した方に知ってもらいたい。またワークショップでは親子で4cmくらいの小さな望遠鏡を作ってもらい、400年前にガリレオが観た感動を味わっていただきたい」とアピールした。

 JAXAの立川氏は「天文は地球から観測するだけではなく地球の外から観測するのという点においても意義深い。宇宙は天文に比べると関与している国が非常に少ない。ちなみにロケットの打ち上げ能力をもっている国は世界で6か国しかない。日本は率先して宇宙開発を進めていくべきだ」と強調。「やはり宇宙で生活するのは大変だ」「仕事ばっかりやっててもいいんだけど息抜きが必要だ」との若田宇宙飛行士の感想にも触れ、「宇宙では酒もタバコもダメであり、唯一の楽しみが宇宙食になる。この食事は我々も努力して日本食を28種類用意した」として、宙博でも試食できるよう準備中であると話した。また、「宇宙飛行士なるための試験は非常に厳しく、候補者になっても宇宙へ行くためには、訓練期間を含めて10年かかっている。これからは5年くらいに縮まり、将来はすぐにいけるようになるのではないか」との予測を話し、会場では企画として「宇宙飛行士になるための模擬試験」も考えているということを明らかにした。

 報道関係者からは天文学と環境はどのように関係があり、イベントに結び付くのかといった趣旨の質問もとんだ。これに対しては「環境問題がよくわかるのは宇宙から観測することで、すでにこの1月に「いぶき」を打ち上げた。異常気象もほとんど宇宙から観測でき、環境問題に一番近いところにいるのではないか」とJAXAの立川氏が回答。現実的な話として海部氏は、ミランコビッチ説を紹介しながら次のように語った。「太陽は現在、活動が極小期にある。本来なら太陽の黒点活動が11年周期で増減するはずだが、それがずいぶん長いこと黒点がでてこなくなっている。かつて“マウンダー小氷期”といってヨーロッパに小氷期をもたらした全地球的な低温期がある。実はその時黒点がなかった」「本来の計算からは、太陽が出すエネルギー量がわずか減ったぐらいでは、地球の気候変更は起きないはずだった。ところが実際には太陽のちょっとしたエネルギーの地球への流入の変化が大きな気候変動を起こしているということが事実としてわかってきた。また、氷河期の変動と地球に入ってくる太陽エネルギーのわずかな変動の周期はよく合っている。温暖化とばかり言っているのではなく、太陽と地球の関係をしっかり読み解いていくことが大切だ。地球は複雑なシステムで成り立っており、しっかり研究していく必要がある。太陽の研究と同時に惑星としての地球の研究もしていかなければならず、これは火星などの研究と密接に関係してくる。そのなかで地球とは何なのかを理解していく必要がある」。

 宙博は宇宙と環境を結び付け、さらに産業に踏み込んでいくことも狙いとしている。出展ではクリーンエネルギーに関係する民間企業からの出展や、前述の電気自動車、グリッド関係も計画している。
《RBB TODAY》

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