中小規模企業の災害対策は大甘? 〜 シマンテック調べ | RBB TODAY
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中小規模企業の災害対策は大甘? 〜 シマンテック調べ

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 シマンテックは2日、中堅/中小規模企業およびその顧客の災害への技術的な備えに関する取り組みや実施状況を反映した「2009 SMB Disaster Preparedness Survey」(2009年版中堅/中小規模企業の災害への準備状況に関する調査)の結果を発表した。

 シマンテックの「SMB Disaster Preparedness Survey」は、中堅/中小規模企業におけるコンピュータおよび技術のリソースに関する責任者を対象に、米国の調査会社であるApplied Research社によって2009年8月と9月に実施された調査の結果となっている。この調査は、災害対策(ディザスタリカバリ)に対する準備、認識、実施状況について、実状と影響を評価することを目的としている。この調査は、北米、EMEA(欧州、中東、アフリカ)、アジア太平洋地域、南米の28ヵ国に所在する1,650社以上の企業を対象に実施され、日本からは49社が回答した。

 この調査結果によると、中堅/中小規模企業が認識している、自社の災害に対する準備の度合いと実状との間には、大きなギャップがあることが判明したという。また、中堅/中小規模企業でダウンタイムが発生することにより、その顧客が毎年何万ドルもの損失を被っていることも判明した。つまり、中堅/中小規模企業は災害に対する準備の不十分さの直接的な結果として、顧客を失う可能性があり、また実際に多くの中堅/中小規模企業が顧客を失っていると考えられる。

 まず、中堅/中小規模企業の多くが「自社の災害準備計画に自信を持っている」との回答があったとのこと。回答者の82%が「自社の災害計画にある程度満足している」または「十分に満足している」と答えており、ほぼ同数(84%)が、万が一の災害発生時にもある程度または十分に保護されていると考えていたという。また中堅/中小規模企業は、自社のコンピュータや技術リソースに障害が発生した場合、顧客は理解を示し、我慢してくれると考えている。そのような障害発生時に、顧客が競合他社を探すなどの他の選択肢を検討すると考えているのは、回答者の3分の1(34%)のみであった。

 しかし実際は、中堅/中小規模企業のこの自信には保証がないことを示している。中堅/中小規模企業は平均して過去12ヵ月間で3回の障害を経験しており、その主要な原因はウイルスやハッカーによる攻撃、停電、自然災害であった。ほぼ半数がこのような障害に対する計画を「まだ立てていない」と答えていることを考えると、これは憂慮すべき事実だ。調査によると、毎日バックアップを行っている中堅/中小規模企業は5社のうち1社(23%)だけであり、平均して自社のデータと顧客のデータの60%のみをバックアップしています。また中堅/中小規模企業の半数以上が、コンピューティングシステムが火災によって消滅した場合にはデータの40%を失うと推定している。

 調査対象である中堅/中小規模企業と取引を行っている顧客は、このような障害によるコストを平均で1日当たり15,000ドルと見積もっている。このような障害は影響も大きく、42%が8時間以上続くと回答した。また、4社のうち1社(26%)の顧客が重要なデータを失ったと回答している。調査結果によると、中堅/中小規模企業と取引を行っている顧客のうち、5社中2社(42%)が「それまで採用していたベンダーのコンピュータや技術システムの信頼性が低いと感じた」ため、実際にベンダーを変更している。しかし、中堅/中小規模企業の3分の2は、顧客は「システムが復旧するまでひたすら待っていてくれる」か「何らかの問い合わせはするが、それ以外はシステムが復旧するまでひたすら待っていてくれる」と考えており、そこには著しい食い違いがある。またダウンタイムのもう一つの副作用は、企業の評判の低下。顧客のうち63%が、ダウンタイムにより、取引先の中堅/中小規模企業へのイメージが悪くなったと答えている。

 中堅/中小規模企業の47%が正式な災害準備計画を備えていない一方、そのうちの約89%は6ヵ月以内に策定する予定であると答えている。大半(77%)の中堅/中小規模企業が、自然災害(台風、竜巻、地震など)の被害を受ける可能性がある地域に所在していることを考えると、このような計画の早急な策定は極めて重要だ。災害準備計画の策定時について、シマンテックは「保護する重要な情報の特定作業に時間をかけて、自社のニーズを特定する」「計画の策定、自動化された保護ソリューションの実装、中堅/中小規模企業が防止すべき傾向と脅威の監視をソリューションプロバイダーなど信頼できるアドバイザーに依頼する」「バックアッププロセスなど、可能な部分を自動化する」「年に1回はテストを実施する」などを推奨している。
《池本淳》
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