インテル、都内でXeon 5500番台を発表!「Pentium Pro以来の重要な製品」 | RBB TODAY
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インテル、都内でXeon 5500番台を発表!「Pentium Pro以来の重要な製品」

エンタープライズ その他
代表取締役社長の吉田和正氏
  • 代表取締役社長の吉田和正氏
  • インテル コーポレーション上級副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏
  • インテル コーポレーション上級副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏
  • ウエハーを紹介するゲルシンガー氏
  • Nehalem、Woodcrest、Allendaleのサーバを用意しリアルタイムで比較
  • 主要メーカーによるXeon 5500番台のパフォーマンス公表値
  • 新規サーバーへの更新の利点
  • RISCとの比較
 インテルは6日、都内のホテルで「インテル Xeon プロセッサー 5500番台」の記者発表会を開催した(17製品の仕様詳細は関連記事で紹介)。

 冒頭、代表取締役社長の吉田和正氏は、経済状況を振り返りながら(こういう時代だからこそ)革新的な技術が中心となってイノベーションを前に進めていかなければいけないと強調。「クラウドコンピューティングをはじめとする変化が市場では起こっているが、5500番台は高まる性能要求、低消費電力に対する答えである」と自信を見せた。また、キーテクノロジーとして仮想化への対応を挙げ、“付加価値を凝縮した製品”と表現。市場の活性化に対する貢献をアピールした。

 来日していたインテル コーポレーション上級副社長 兼 デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏は、今回の発表を「1995年のインテル Pentium Proプロセッサー以来、最も重要なサーバの発表」「将来のインフラへ向けての布石となるものである」と指摘。次世代の科学的な突破口にも寄与できるものであると話した。

 その例として挙げられたのが、NASAがHPCのアップグレードをXeon 5500番台を使って行うとの発表や、CERN(欧州合同素粒子原子核研究機構)の加速器においてもXeon 5500のHPCのアップグレードを決定したということだ。「1993年当時、最速といわれていたHPCでも93G FLOPSだった。一機あたり1億3000万ドルくらいのコストがかかっていた。しかし、今はたった一つのXeon 5500のブレードでここまでの能力を達成することができる。15年前と比べて、ここまで技術の躍進ができた」。また、Aberdeen Groupの調査結果を取り上げ、Xeon 5500番台は製品の開発期間を58日間短縮、試作コストを48%削減するもの、とアピールした。

 同CPUでは、CPU内部にメモリコントローラを内蔵し、DDR3メモリに対応。また、チップセット(5520チップセット)とはFSBではなくQuickPathインターコネクトテで接続し、バンド幅も2.4倍に向上しているという。

 「45nmで製造された5500番台には7億3000以上のトランジスターが組み込まれている。しかし、アンコアの部分にもっと魅力がある」とゲルシンガー氏は強調した。5520チップセットはインテル Data Center Managerを新たにサポートしており、細かい電力管理に落とし込みながら効率性の高いプラットフォームを構築することができる。また、PCI Express 2.0の対応だけではなく、インテルエンタープライズSSD、10GbEコントローラ“インテル 82599”のサポートも挙げた。「スループットに関してもイーサネットコネクション上では倍の能力を確保でき、将来のプラットフォームのために余裕をもたせている。次の世代の6コアの“Westmere(コードネーム)”にも対応し、ソケットドロッピングが可能だ」(ゲルシンガー氏)。

 壇上では5500番台の特徴のひとつである“インテル ターボ・ブースト・テクノロジー”のデモが行われた。同テクノロジーは、負荷の高いワークロードでは定格周波数以上、つまりオーバークロックで動作し、使用率が低い場合は省電力モードで動作させるなど動的に変動するものだ。各コアごとに2つのスレッドがワークロードとして割り当てられている(合計8スレッド)ものが、リアルタイムに変化していた。

 Xeon5500番台を搭載したプラットフォームは仮想化機能も強化されている。これらは10Gbイーサネット、SSDストレージとあわせて160%の性能向上をもたらすとしている(VMware VMmark 5400番台プラットフォームとの比較)。

 企業が厳しい経済環境のなかでプラットフォームを更新するのかとの質問も記者からとんだ。同社では「新規サーバへの更新は、IT予算をもっと賢く使う方法である」と強調する。具体的なメリットとしては、184台のシングルコア インテル Xeonプロセッサ搭載サーバーをXeon 5500番台のサーバーに置き換えた場合、パフォーマンスは9倍、年間電力コストは18%削減できるとした。また、コンソリデーションにもメリットがあり、わずか8ヶ月で投資を回収することができ、年間の電力コストを92%削減することが可能であるという。この投資回収についてもステージでデモが行われた。Nehalem、Woodcrest、Allendale搭載の3サーバを用意してリアルタイムで比較(写真)し、同じワークロードでROIを計算してみせた。1WあたりのパフォーマンスはNehalemが圧倒的に高く、かなりの投資コストの回収ができるとした。

 ステージの最後では次期プロセッサーであるNehalemーEX(コード名)にも触れられた。EXというのはExpand(拡張版)を意味する。同製品は今年末を予定しており、その後にWestmere-EXが控えている。NehalemーEXの特徴は、ハイパースレッドはもちろん、8コア、24MBキャッシュ、4つのQuickPathインターコネクト、23億個のトランジスター搭載となっている。
《小板謙次》
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