【特集・データセンターが変わる!】ビットアイルの新データセンター「第4データセンター」をチェックする!! | RBB TODAY

【特集・データセンターが変わる!】ビットアイルの新データセンター「第4データセンター」をチェックする!!

 東京都内にて、データセンターの建設が相次いでいる。ここ1年を見ても、大塚商会は秋葉原、KDDIは府中市、伊藤忠テクノソリューションズは文京区にてそれぞれデータセンタの運用を開始している。都内では、データセンターニーズが高まっている事がうかがえる。

エンタープライズ その他
受付での認証。ICカードをかざし、指静脈をスキャンする
  • 受付での認証。ICカードをかざし、指静脈をスキャンする
  • サーバエリアへの入場ゲート
  • サーバルームへの入場。ここでも再度、指静脈による認証が必要となる
  • ICカードをかざしラックを解錠。ICカードごとに権限が設定でき、許可されたラックだけが開く
  • 電源設備の動力盤や高圧受電盤など。電源はすべて2重化しており、手前のピンクと、奥の青いラベルがそれぞれ異なる系統だ
  • 66kV、25,000kAを受電するための変圧器。こちらも2系統用意しており、手前と奥は同じだ
  • 見学当時はまだ工事中だった。電力線が天井に向かって伸びている
  • 外に設置されたガスタービン発電機。現在は2基だが、サーバルームが増えるとともに増設できる。周囲は住宅地であるため、騒音が漏れないように防音壁を設置している
 東京都内にて、データセンターの建設が相次いでいる。ここ1年を見ても、大塚商会は秋葉原、KDDIは府中市、伊藤忠テクノソリューションズは文京区にてそれぞれデータセンタの運用を開始している。都内では、データセンターニーズが高まっている事がうかがえる。一方で、データセンターを利用する側のトレンドとしては、マルチコアやブレードサーバなどの高密度高集積機器の利用や、仮想化技術を用いたシステムの統合などがあげられる。データセンターニーズが高まるとともに、データセンターでの消費電力は、ますます増大し、また機器の発熱も増大していることから冷却コストも比例して増え続けている。

 そんな中、ビットアイルは2009年2月から「第4データセンター」の運用を本格的に開始した。第4データセンターは、地上7階、地下1階建て。延べ床面積は16,495平方メートルで、最大2,600ラックを収容。東京都文京区という都心に位置し、東京メトロや都営地下鉄、JRなどが乗り入れ交通の便が非常によい。さらに、東京湾から5kmの距離があるため、地震発生時の津波や高潮、液状化現象の影響を受けにくい。また、東京都がまとめた首都直下地震による被害想定では10%以下となっているなど、災害による被害を受けにくい場所にある。

 新空調方式「コールドアイルチャンバー」を採用したり、UPSなど最新の機器を導入し、送電損失をカットするなど、環境面にも配慮しているのも特徴。

 ここではビットアイルの第4データセンターの特徴を詳しく見ていこう。

●7段階のセキュリティを装備

第4データセンターへの入館認証には、ICカードと指静脈を用いており、なりすましを防止している。認証は、

1.敷地への入場
2.建物への入場
3.受付
4.サーバエリアへの入場
5.エレベータ
6.サーバルームへの入場
7.ラックの解錠

の7段階で行い万全を期している。

 敷地への入場はICカードだけで済むが、建物の中では要所にて暗証番号や指静脈による認証も必要になる。受付ではICカードのほかに指静脈認証も行う。ここで認証を行わないと、先へは進めない仕組みだ。さらに、サーバルームへの入室でも指静脈認証が必要となる。このICカードによる入室管理により、入場できるエリアや解錠できるサーバラックが細かく設定できる。例えば、同じ会社であっても社員ごとに開けられるラックが制限できるのだ。また、ICカードの導入により、入館の際に事前の申請がいらないのも特徴だ。今までは、受付けにて事前申請の番号を伝えたり、契約しているカード(入室許可書など)を受け取ったりというやりとりが必要だったが、これが不要になるのもありがたい。指静脈の生体パターンは暗号化されたICカードに記録している。

●1ラックあたり6kVAの大容量電源

 第4データセンターでは、高密度高集積化されたブレードサーバなどの機器に対応するため、1ラックあたり実効6kVAでの電力供給設計をしている。一般的なデータセンターでは、1.5〜3kVA程度となっており、かなり余裕を持った設計だ。第4データセンターの受電電圧は66kVで、容量は25,000kAを本線・予備線の2系統から受電している。また、UPSやガスタービン発電機などのバックアップ電源を装備。UPSなどの機器は送電損失を大幅にカットできる最新のものを採用している。

●空調によるCO2を20%削減

 消費電力やCO2の削減は、最近のIT機器ではトレンドだ。第4データセンターでは、空調に「コールドアイルチャンバー方式」を採用し、効率化を図っている。コールドアイルチャンバー方式とは、ラックとラックの前面同士を向き合わせて設置し、通路に扉などを設けることで密閉した空間を作りだす。この空間が、いわゆる「コールドアイル」と呼ばれる部分になるが、このコールドアイルに冷風を吹き込む。閉ざされた空間に圧のかかった冷風を送り込むことで、ラックの前面からサーバのファンが冷気を吸い込みラック背面(ホットアイル)に排熱する仕組み。これまでの空調は、サーバルーム全体を冷やすという考え方であったため効率が悪かったが、コールドアイルチャンバー方式はコールドアイルのみを冷やすため非常に効率がよい。コールドアイルをつくるため、通路にウエスタンドアを設置するなど細かい工夫が見られる。そのほかにも、人感センサーを設置し、エンジニアが作業をしているときのみ照明を付けるといった工夫もある。

 また、第4データセンターでは、空調設備や電源設備だけでなく、顧客が利用するサーバの省電力化にも取り組む。4月から開始する「エコレンタルサービス」がそれだ。エコレンタルサーバサービスは、NECと提携し、高い処理性能と省電力を両立した同社の「Express5800/iモデル」を顧客に月額課金でレンタルするサービスである。このサービスを利用することにより、処理能力を落とすことなく、消費電力を低減できるため、1ラックあたりのサーバ搭載量を増やすこともでき、運用コストの削減にもつなげることができる。まさに、エコとTCO削減を両立するサービスだ。なお、エコレンタルサービスにはビットアイルがカーボンオフセットを付与しており、サーバ稼動から生じるCO2排出をオフセットするためサーバ稼動の「カーボンニュートラル化」も実現できる。

●データセンターを監視する最新NOC

 第4データセンターには、最新のNOC(Network Operation Center)を装備している。NOCには、データセンタ内の電源や空調、温度が一目で把握できるモニタがあり、異常を検知するとオペレーターが制御をする。将来的には、ビットアイルが保有する第1から第4データセンターを一括で管理したりするなどの計画もある。

●仮眠室などのアメニティも充実

 データセンターでの作業は、深夜や早朝に行うことも多い。これらの作業をバックアップするため、第4データセンターには、仮眠室やサロンの設備がある。仮眠室は一般的なビジネスホテルと同等の広さを持つ個室。ベッド、テレビ、シャワーなど宿泊に必要な設備が一通り揃っている。サロンにはマッサージチェアを4台設置、ユーザーであれば誰でも利用できる。また、ダイニングスペースもあり、外に出る事なく食事もできる。

 ビットアイルの取締役CTOの安藤卓哉氏は、「ほかのデータセンターと比較すると1ラックあたりの価格は高いかもしれないが、集約度が高いため結果的には1サーバあたりのコストは、安くなる」とアピールしている。

 これからもIT機器の高密度高集積化や仮想化技術の進歩はますます進むだろう。そうなると、この第4データセンターのように大容量の電力が使用できるのは有難い。ユーザーの使い勝手を優先しながらも、グリーン化に取り組むデータセンターの動きには目が離せない。
《安達崇徳》

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