NEC、自社基幹システムの全面的な刷新を開始 〜 データセンター統合・集中化でクラウド指向へ | RBB TODAY
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NEC、自社基幹システムの全面的な刷新を開始 〜 データセンター統合・集中化でクラウド指向へ

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 NECは2日、連結経営管理のスピードアップや業務効率の大幅な改善、さらにはシステムのTCO削減を目的に、自社の基幹システムの全面刷新を開始したと発表した。

 全面刷新の対象となるのは、社内組織のみならずNECグループの国内外の主要関係会社もカバーする、販売、経理、資材の基幹業務領域のシステム。NECでは、この領域で設計を進めて来たグローバルに適用可能なシンプルな業務プロセスの適用とシステムの全面刷新により、関連する間接部門の費用の2割以上の削減、国際会計基準への対応、内部統制の強化とともに、グローバルな連結経営管理のスピードアップを実現し、さらには社内システムのTCOを2割以上削減するとのこと。

 新システムは、2010年4月に経理、2011年4月に販売・購買のシステムのサービスインを予定している。新システムは、NECが培って来たビジネスコンサルティング、OMCS(オープンミッションクリティカルシステム)構築、大規模システムの効率運用等の技術・ノウハウを投入し、ネットワークを介してグループ全体に基幹システムの機能を提供する、サービス提供の基盤システム(サービスプラットフォーム)として構築される。グループ内の関連システムをデータセンターに統合・集中化し、クラウド指向のサービスとして提供することで、TCOの大幅な削減を実現するとともに、このノウハウをベースに、クラウド指向の幅広いサービス事業を展開していくとのこと。

 基幹システム刷新の内容と新システムの特長として、「業務プロセスの標準化・シンプル化と連結経営のスピードアップ」が挙げられる。まず、業務プロセス改革は、販売、経理、資材の領域でのBPR(Business Process Re-engineering)により策定された、グローバルに適用可能な標準業務プロセスが新システムに実装され、社内各部門と国内外の主要関係会社に適用される。このシンプルなプロセスの実行により、業務の効率化が推進されるとともに、国際会計基準への対応や内部統制機能の強化を実現するとのこと。ビジネスモデリングにはARISが適用され、SAP ERPが標準システムとして採用される。BPR、新システム導入による業務効率化を通じ、対象領域の間接部門費用を2012年度までに2割以上削減するとのこと。さらに、連結経営のスピードアップでは、統一された業務プロセスの実行に加え、グループ全体でのシステム統合化、データベースの統一化等により、グローバルに連結ベースの事業状況をリアルタイムで把握(見える化)できるようにし、より短期サイクルでの経営施策の展開(PDCAの実行)を可能とするとのこと。

 基幹システム刷新の内容と新システムのもう1つの特長は、「クラウド指向のサービス提供基盤システムの構築・運用」。新基幹システムは、将来的なNECグループ全体のIT統合化・共通化の第一弾と位置づけ、国内の特定データセンターにグループ全体へのサービス提供基盤として集中設置される。首都圏周辺の特定データセンターとともに、バックアップも含め、地方のデータセンターを設置し、相互に連携した一元的な統合管理・運用を実現。海外についても、北米、アジア・パシフィック、欧州でのシステム統合化を進めるとのこと。社内各部門、グループ各社はネットワーク経由で、販売・経理・資材のシステムのサービス提供を受け、SOAにより、既存他システムとの連携を実現。これにより、2011年度までにシステムのTCO(運用費用、減価償却費)を2割以上削減するとのこと。また、NECの省電力サーバ「Express5800/ ECO CENTER」を始めとするNECのサーバ、ストレージ製品を採用。さらに、NEC独自のテクノロジーを取り入れたクラウド指向のミドルウェアが整備される。サービスを安心・安全に継続運用し、システムの運用コストを大幅に削減するために、仮想化システムの自動生成・リソースの高効率運用を実現する運用管理ミドルウェア等を新規開発するとのこと。NECが10年以上にわたり蓄積して来たOMCS(オープンミッションクリティカルシステム)のSIテクノロジーを全面的に適用し、NECグループの企業活動を支える堅牢で柔軟なIT基盤を、マイクロソフト社のWindows Server 2008ならびにSQL Server 2008を採用した最新のWindowsベースで構築するとしている。
《池本淳》
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