【MS Car Navigation Day Vol.5】カーナビの高品位3Dメニューや高速起動化を実現——Windows Automotive | RBB TODAY

【MS Car Navigation Day Vol.5】カーナビの高品位3Dメニューや高速起動化を実現——Windows Automotive

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マイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の藤井義也氏
  • マイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の藤井義也氏
  • AUIFのアーキテクチャ:水色の枠内がAUIF上の動作、赤色の枠内がターゲットデバイス上の動作。これらのうち、水色背景のコンポーネントはマイクロソフトから提供され、赤色背景のコンポーネントはメーカー側で開発することになる
  • AUIF Frameworkを使って開発された3Dメニュー画面。3Dとモーションフィードバックは機能拡張により実現している
  • デモ画面。解像度は800×480(WVGA)。背景では鳥が飛んでおり、スムーズな動きを見せていた
  • デモ用に開発されたコンポーネント:デモでは、オレンジ色の部分を機能拡張することにより、3Dとモーションフィードバックの機能を実現している
  • マイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の五嶋健治氏
  • Ready Guardによる起動高速化
  • Ready Guardにより、Widows Automotive 5.5では障害に応じて最適なリカバリ手法が提供される
 マイクロソフトは27日、同社の組込みOS製品によるカーナビ開発の最新情報を紹介するセミナーを開催した。「Microsoft Car Navigation Day 2008」と題した本セミナーの午前の部では、Microsoft Auto 3.0およびWindows Automotive 5.5を中心とした車載情報端末向け製品の最新情報が、デモを交えながら紹介された。本記事では午前の部のうち、主に日本のカーナビメーカー向けに開発されている車載プラットフォーム「Windows Automotive」に関して、HMI(Human Machine Interface)ツール「AUIF」、および起動高速化やエラーリカバリ最適化を実現する「Ready Guard」を紹介した2つのセッションについてレポートする。

◆AUIF:高品位3Dメニュー開発を実現する統合HMI Framework

 HMIツール「AUIF(Automotive User Interface Framework)」の説明は、マイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の藤井義也氏によって行われた。そのコンポーネントは大別すると、オーサリングツール、HMIデータモデルからバイナリスキンを出力するコンパイラ、そして、ターゲットデバイス上でバイナリスキンを動かすAUIFランタイムの3つになる。

 このうちオーサリングツールは、高品位HMIをデザインするツールとして「Microsoft Expression Blend」が、車載情報端末に必要とされる1,000を超える画面の状態遷移図を記述するツールとして「Office Visio」が、それぞれマイクロソフトから提供されており、これらを使って、UML(統一モデリング言語)2.0のステートマシンチャートをベースとした汎用的なHMIデータモデルを管理・保存することができる。

 セッションでは、AUIF Frameworkで開発された3Dメニューのデモが行われ、3Dのオブジェクトを動作させるアニメーションを定義してメニュー画面を遷移させることにより、メインメニューからサブメニュー、履歴リスト、履歴詳細へと遷移していく様子が紹介された。こうした3Dメニューも、「Microsoft Expression Blend」から簡単に定義でき、3Dとモーションフィードバックの機能追加はAUIFランタイムの一部拡張で実現するという。

 なお、AUIFはWindows Automotive 5.5に標準装備されているが、先行評価用のTechnical Previewとしてのリリースとなっている(Vol.2で伝えたとおり将来はSilverlightへ統合されて製品提供の予定)。

◆Ready Guard:車載情報端末に求められる高速起動化、エラーリカバリ最適化を実現

 続いてマイクロソフトディベロップメント ITS戦略統括部の五嶋健治氏により、「Ready Guard」の特長と動作概要の紹介、および高速起動とエラーリカバリのデモが行われた。

 Ready Guardの第1の特長は、静的スレッド構成のReady Guard OS(Tiny WinCEコアベース)を高速起動する点にある。また、これを動作させたままでサブとメインの2つのOSが立ち上がった状態になるのを避けるために、スレッド状態を動的スレッド構成のメインOS(通常のWinCEコア)へ引き継ぎ、継続実行する。

 Ready Guardにより、車載LAN対応100msec以内、オーディオ再生2sec以内、地図描画5secといった起動時間の要求を、様々なH/W、S/W構成において満たすことができるという。また、困難な機能をブートローダ上で開発する必要がないため、ブートシーケンスの開発工数削減を実現。さらに、ラストモードにも対応しているため、最終画面保持やオーディオプレイバックなどの機能が可能になる。Ready Guardは複数の起動高速化要素技術と組み合わせた利用が可能で、Windows AutomotiveのSnapshot Bootやイメージ多段ブート、アプリケーションランチャーの機能、およびWindows CEのRAM初期化スレッドやHive-based Registryなどに対応している。

 Ready Guardの第2の特長は、エラーリカバリ手法の最適化である。車載情報端末上では制御系と情報系が融合してきており、信頼性の異なるソフトが混在するシステムとなっている。また従来は、低信頼性ソフトで不具合が発生した際に、安易に高信頼性ソフトを一緒にリセットしていたが、こうした問題を解決するリカバリ手法を提供する。

 Ready GuardはWidows Automotive 5.5の統合エラーハンドリングフレームワークのアクチュエータとして動作し、障害検知や分析アルゴリズム、アクチュエータといった動作により、障害発生時に正常な状態へ回復させる機能を備えている。このため、従来はシステムリブートが行われた障害において、障害に応じた最適なリカバリを可能にする。

 Ready Guardの第3の特長は、高速起動や高信頼性ソフトといった、従来はサブCPUで行われていた開発をメインCPUで代替することにより、サブCPU開発工数の低減を図っている点にある。

 セッションでは、グラフィック制御用スレッドを高速起動してスプラッシュ画面表示やバックビューモニタ表示を行う起動高速のデモ、およびエラーリカバリ手法の最適化によって実現される、メインOSアプリケーションの不具合発生時にグラフィック制御スレッドがリセットされず動作するデモが行われ、ユーザにエラーや処理時間を意識させない画面表示や動作が披露された。
《柏木由美子》

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