トレンドマイクロは3日、2008年3月度のコンピュータウイルス感染被害報告件数マンスリーレポート（日本国内）を発表した。 3月のウイルス感染被害の総報告数は4,029件で、日本ではそれほど大きな季節的なイベントがない月であるためか、2月の4,316件から減少した。ただし2月にも1位と2位であった「MAL_OTORUN1」「BKDR_AGENT」の報告件数は増加しており、トレンドマイクロでは「アジア圏に顕著なもの」として注意を呼びかけている。 また同社は、3月9日にMicrosoft Excelの脆弱性を悪用したゼロデイ攻撃を確認しており、このExcelファイルを「TROJ_MDROP.AH」として検出対応したことも発表している。この攻撃では、「OLYMPIC.XLS」や「SCHEDULE.XLS」などのファイル名で、北京オリンピックのスケジュール表などに偽装されたExcelファイルが電子メールに添付される形で頒布されたとのこと。去る1月にも北京オリンピックの関連情報に偽装した不正なWordファイルの流通が確認されているため、開催される8月まで、北京オリンピックに便乗した手口が頻発すると、同社では予想している。 旧来のメール添付型ウイルスは.exe形式の実行ファイルが一般的だったが、.doc形式や.xls形式の文書ファイル、メール本文内のリンクなどを悪用したものも増加しており、添付が文書ファイルであっても容易に実行しないことが重要だろう。◆ウイルス感染被害マンスリーレポート 2008年3月度順位 ウイルス名 種類 件数 先月件数 先月順位------------------------------------------------------------------------1位 MAL_OTORUN1（オートラン） その他 138件 58件 1位→2位 BKDR_AGENT（エージェント） バックドア 93件 56件 2位→3位 JS_IFRAME（アイフレーム） JavaScript 38件 26件 4位↑4位 TROJ_WANTVI（ウォントヴィ） トロイの木馬 29件 − NEW5位 WORM_HUPIGON（フピゴン） ワーム 15件 7件 10位↑6位 TROJ_VUNDO（ヴァンドー） トロイの木馬 13件 4件 圏外↑7位 TROJ_VB（ヴイビー） トロイの木馬 11件 9件 7位→8位 TROJ_DELF（デルフ） トロイの木馬 7件 29件 3位↓8位 WORM_AUTORUN（オートラン） ワーム 7件 20件 5位↓8位 JAVA_BYTEVER（バイトバー） JavaScript 7件 6件 圏外↑8位 TSPY_ONLINEG（オンラインゲーム） トロイの木馬 7件 10件 6位↓8位 JS_PSYME（サイミー） JavaScript 7件 9件 7位↓8位 VBS_PICA（ピカ） VBScript 7件 − NEW
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