関西電力とOKI、アクセス系光ファイバー網の超大容量通信技術を開発 | RBB TODAY
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関西電力とOKI、アクセス系光ファイバー網の超大容量通信技術を開発

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アクセス系における従来の情報伝送方式と今回採用した方式(イメージ図)
  • アクセス系における従来の情報伝送方式と今回採用した方式(イメージ図)
 関西電力と沖電気工業は、アクセス系光ファイバー網における情報通信容量を大幅に向上させる技術を開発したと発表した。

 現在の光ファイバー網は、幹線系(通信局間をつなぐ光回線)が光ファイバー1本あたり毎秒数十ギガビットから数百ギガビット程度、アクセス系(通信局と事業所やビル、各家庭をつなぐ光回線)が毎秒1ギガビット程度の通信容量を持っているが、将来的にはより大きな通信容量が必要になると想定している。幹線系ではすでに、関西電力が毎秒1.28テラビットの大容量通信の屋外実験に成功しており、実用化の目途が立っている。

 アクセス系では、家庭に設置されている装置(メディアコンバータ)の処理能力不足が大容量化のネックになっていたが、今回「ビット多重方式」という情報通信方式を採用することで、メディアコンバータの処理能力を大幅に向上させ、実用化されている容量の40倍にあたる、毎秒40ギガビットでの屋内情報通信実験に成功した。現在のアクセス系では、1本の光ファイバーに流れる毎秒1ギガビットの情報を、最大32ユーザーで分け合う方式が用いられているが、今回開発した技術を実用化すれば、1本の光ファイバーを40ユーザーで共有しても、1ユーザーあたり毎秒1ギガビットの容量を常時確保することができるようになるという。

 具体的には、アクセス系では各家庭に設置されているメディアコンバータが、通信局から伝送されてくる情報のかたまり(パケット)ごとに添付されている宛先を、一つひとつ読み取り、宛先を判別して、取り込むべき情報の取捨選択を行っている。この作業に大きな処理能力を要するために、毎秒1ギガビットを超える大容量の情報には対応(情報を読み込むこと)ができなかった。今回は情報を送り出す側(通信局設備)が、情報を1ビットずつに分割し、ユーザーごとに決められた順番で情報を伝送することで、情報を受ける側では特定の順番の情報のみを自動的に読み取るだけでよく、取捨選択のための負荷が格段に軽減されるため、従来の40倍の情報(毎秒40ギガビット)を載せて送っても読み込めるようになったとのこと。

 関西電力と沖電気工業は、今後、装置の小型化やコストダウンの検討を進めるとともに、気温変化に伴う通信への影響を検証するための屋外実験を実施するなど、2010年以降の実用化に向けて準備を進めていくとしている。
《RBB TODAY》
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