新しいiPodシリーズの3製品「iPod」「iPod nano」「iPod shuffle」と、オーディオプレーヤーソフトの最新版「iTunes 7」の発表で来日した、米アップルコンピュータのiPodプロダクトマーケティング担当マネージャーであるショーン・エリス氏と、iTunesレーベルリレーションズ＆ミュージックプログラミング担当ディレクターのアレックス・ルーク氏に話を伺った。 まず、3つの新しいiPodについて、iPod担当のショーン・エリス氏に聞く。——新しいiPodシリーズ「iPod」「iPod nano」「iPod shuffle」の特徴は？●iPod 第5世代（ビデオ再生対応）iPodの特徴は、液晶ディスプレイが従来モデルより60％明るくなったことに加え、「ギャップレス（曲間なし）再生」機能を搭載したことです。新機能としては、アルバム、アーティスト、オーディオブック、Podcast、楽曲などで検索できるようになりました。 また、ゲームもサポートしました。オンラインミュージック/ビデオ販売サイト「iTunes Store」では、9つのゲームが提供されていますが、これらは第5世代iPodのために作られたものです。 新iPodのラインアップは、80Gバイトモデルと30Gバイトモデルの2種類です。iPodシリーズ最大容量の80Gバイトモデルは、20,000曲を収納できます。ビデオの収納時間にすると100時間です。また、バッテリー寿命は、音楽再生で最長20時間、ビデオ再生で最長6.5時間となります。30Gバイトモデルの収納曲数は、7,500曲です。バッテリー寿命は最長14時間の音楽再生、最長3.5時間のビデオ再生を実現しています。 価格は、80Gバイトモデルが42,800円、30Gバイトモデルが29,800円です。カラーは、ブラックとホワイトの2色を用意しています。●iPod nano iPod nanoは、世界で最も人気のあるMP3プレーヤーです。今回のiPod nano（第2世代）は、全く新しく作り直されたものです。最初（第1世代）のiPod nanoより軽く、薄くなっています。アルミケースを採用し、角の部分は丸くしました。新機能としては、先ほど紹介したギャップレス再生や検索、音声録音が行えます。 iPod nanoでは、2Gバイト、4Gバイト、8Gバイトという3つの記憶容量タイプを用意しています。収納曲数は、2Gバイトモデルが最大500曲、4Gバイトモデルが最大1,000曲、8Gバイトモデルでは最大2,000曲です。いずれも最長24時間のバッテリー駆動を実現しました。 さらに、iPod nanoでは5つのカラーで展開されています。2Gバイトモデルがシルバーのみ、4Gバイトモデルはシルバー、ブルー、グリーン、ピンクの4色、8Gバイトはブラックのみとなります。 価格は、2Gバイトが17,800円、4Gバイトが23,800円、8Gバイトが29,800円です。●iPod shuffle 新しいiPod shuffle（第2世代）は、世界最小のMP3プレーヤーです。第1世代のiPod shuffleに比べて、半分以下のサイズに納まっています。記録容量は1Gバイトで、240曲まで収録することが可能です。また、自分のシャツやバッグなどに身に着けることができるクリップが付いており、これが最高のウェラビリティ（身に着けやすさ）を実現しています。 操作性は、第1世代のiPod shuffleと同様、直感的にコントロールできます。コントロールボタン「クリックホイール」のサイズも同じです。また、スイッチにより、曲順をシャッフルしたり、元の曲順で聴いたりすることができます。さらに、今回のiPod shuffleには、電源スイッチや独自のドックが付きました。ドックには3.5mmのプラグが付いているのですが、そこにiPod shuffleを挿し込むことで、充電やシンク（同期）が行えるしくみになっています。iPod shuffleをドックから外せば、ヘッドホンジャックとして機能するわけです。価格は9,800円となります。 出荷日は、iPod（第5世代）とiPod nanoが9月13日、iPod shuffleが10月となります。これらの製品は、日本のユーザーにもきっと愛してもらえると考えていますので、年末商戦に向けて素晴らしい製品群を揃えることができたと思っています。——iPod、iPod nano、iPod shuffle、それぞれのユーザーターゲットは？ iPod（第5世代）は、20,000曲を収納できることから、自分の音楽コレクションをすべて持ち歩きたいというユーザーが対象です。iPod nanoは、最も簡単に1,000曲の音楽を収納できます。とても小さく軽量化されており、狭いスペースでも入ります。ポケットの中に1,000曲を入れて、運ぶには最もよい手段でしょう。iPod shuffleは、iPod製品で最も軽く、身に着けやすいのです。パソコンとシンクさせ、好きな曲だけを入れて、クリップで付けて動き回ることができます。でも、iPod shuffleはあまりにも軽いため、ほとんど重さは感じないでしょう。——iPod nanoのカラーバリエーションが4Gバイトモデルにしかないのはなぜ？ われわれは、4Gバイトのモデルが1,000曲を収納できることや価格のことを考えると最も幅広い顧客層にアピールするだろうと考えたわけです。したがって、4Gバイトモデルでカラーバリエーションを実現することに決定しました。また、8Gバイトモデルをブラックにした理由は、よりファッショナブルな個性を重視するお客様のために用意しました。——従来（第1世代）のiPod nanoは、液晶画面や表面が傷つきやすいと感じたのですが、新しいiPod nanoでは何か対策されているのでしょうか？ iPod nanoの新製品では、中から外まですべて再設計しています。素材には、汚れや傷に強い酸化被膜処理を施したアルミニウムを採用しているほか、丸みがかった角にしてより薄型になっております。——iPod、iPod nano、iPod shuffleの販売比率は？ アップルでは、各製品の販売状況について公表しておりません。——ソニーのウォークマンでは、50時間のバッテリー寿命を実現している製品もあります。それらと比較すると、iPod shuffleやiPod nanoのバッテリー寿命は短く感じるのですが、iPodのバッテリー寿命についてどのように考えられていますか？ 他社製品に関しての詳細やコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、iPod shuffleはクリップ付きで世界最小のMP3プレーヤーであるという点と、iTunesとの相性の良さ、バッテリー駆動時間最長12時間という点で、われわれはご愛用していただけるのではないかと考えています。 iPod nanoについては、2,000曲（※8Gバイトモデル）も収納することができて、最長24時間のバッテリー駆動時間を実現していますので、こちらのオプションもご愛用いただけると思います。——iPodの80Gバイトモデルと30Gバイトモデルを比べると、厚さや重さに差があるとはいえ、バッテリー寿命に大きな差があるのはなぜでしょうか？ iPodのデザインや容量タイプ別の詳細までは答えられません。ただ、いえるのは、バッテリー駆動時間（音楽再生）は30Gバイトが14時間、80Gバイトが20時間です。従来モデルより60％も明るい液晶ディスプレイを採用しているにもかかわらず、バッテリー寿命は従来比75％も向上しています。また、ビデオの再生時間がそれぞれ3時間半、6時間半となりましたし、640×480ピクセルの解像度をサポートしていることで、iTunesのコンテンツをより快適に視聴できるようになりました。 続いて、iTunes担当のアレックス・ルーク氏に話を伺った。——iTunes 7の新機能や特徴を教えてください iTunes 7では、iPodの新製品に備えられた機能を多くサポートしています。例えば、ギャップレス再生や、高解像度ビデオ（640×480ピクセル）への対応を実現しています。ライブラリーを通じて、従来のリストビューほか、アルバムカバービューやカバーフロービューにより、メディアの閲覧をアルバムのアートワークによって見ることができます。 もう1つの大きな変更点は、メディアを別の形で整理できることです。ソースリストは、ミュージックやムービー、Podcast、オーディオブックなど、メディア別に見ることができます。 iPodの設定は、iTunes 7のインターフェース上で行えるようになりました。ユーザー側では、どのミュージックやPodcast、写真などを、iPodとシンクする際にどれをダウンロードさせるか指定できます。例えば、Podcastでは、最も再生回数の少ない3本のコンテンツをダウンロードするなどといった詳細な設定も可能です。 さらに、米国では新しいメディアとしてムービーを発表しました。日本や世界各地においては、9つのゲームを提供しています。ゲーム1本の価格は600円です。——最後に、おそらく答えられない質問なのですが、これからの新製品ではどのような進化が見込まれるのでしょうか（笑）？ 将来製品については、コメントを差し控えさせていただいております（笑）。——将来製品については、御社が正式発表される日を楽しみに待っています（笑）。本日は大変お忙しい中、ありがとうございました。 Thank you very much！（エリス氏、ルーク氏）
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