アジア各地のローカルグルメを紹介する動画を取り上げる連載「アジア美食レポート」。最終回となる第6回では、カオパット(タイのチャーハン)を特集する。
カオパットは、白ご飯と具材を炒めたシンプルな料理だ。しかし、その仕上がりは店によって大きく異なり、料理人の腕とセンスが如実に表れる一品でもある。今回取り上げるのは、YouTubeチャンネル「Nishio Travel」でタイ料理の魅力を発信する西尾康晴さんの動画。西尾さんは1週間でバンコクのカオパット8軒を食べ歩き、それぞれの店の個性や味の違いを紹介している。
この記事では、西尾さんが訪れた店の中から、特に印象的だった3軒を取り上げ、その魅力を紹介する。
プラカノンで味わうカニたっぷりの贅沢な一皿!『プートン』



西尾さんが今回の企画で最初に向かったのは、BTSプラカノン駅から徒歩約5分の場所にあるカオパット専門店『プートン』だ。プートンとは、タイ語で「黄金のカニ」を意味する。その名の通り、同店の看板メニューはカニ入りのカオパットだ。


提供されたカオパットには、カニの身がたっぷり入っており、目玉焼きとマナオ(ライム)が添えられている。さらに、ナムプラーに唐辛子やニンニクを漬け込んだ赤いソースと、緑色のシーフードソースも用意されており、好みに合わせて加えることで味の変化を楽しめる。立ちのぼる湯気からはカニの豊かな風味が感じられ、食欲をそそる一品だ。

一口食べると、西尾さんの口から思わず「うまぁ」という言葉が漏れる。ごはんはパラパラに炒められており、味付けも濃すぎない。だからこそ、カニの旨みがいっそう引き立っている。

ナムプラーのソースとマナオをかけてもう一口頬張ると、味がぐっと引き締まり、レンゲが止まらない。特に西尾さんのお気に入りはシーフードソースで、ピリッとした辛みと爽やかな酸味がカニとも相性抜群。味変によってカオパットの風味がさらに際立ち、あっという間に一皿を平らげてしまった。
普段はテイクアウト専門店として営業している同店だが、店内には数席のみイートインスペースも用意されており、今回はその場で出来たてを味わうことができた。BTSプラカノン駅から徒歩圏内というアクセスの良さもあり、タイ観光客にとっても立ち寄りやすい一軒といえそうだ。
行列が絶えない人気店!7年連続ビブグルマンを獲得した『ヒアハイ』

バンコクのカオパットを特集するにあたり、西尾さんが「この店は外せない」と語るのが、エカマイ通りにあるヒアハイだ。


同店は2020年にミシュラン・バンコクのビブグルマンを初めて獲得して以来、2026年まで7年連続で選出されている。まさにカオパットの名店といえる。その人気ぶりを物語るように、西尾さんが店を訪れると、開店前から店先には長蛇の列ができていた。

西尾さんが注文したのは、店おすすめの3品。スラータニー県から取り寄せたカニを贅沢に使ったカオパット、シャコのガーリック炒め、そしてカニがたっぷり入った卵焼きだ。


スプーンですくってひと口食べると、思わず西尾さんの顔に笑みがこぼれる。今回、同店を訪れるのは5年ぶりだというが、当時と比べても味にまったく遜色はないという。炒め加減も味付けも絶妙で、食べる手が止まらなくなる一品だ。

付属のシーフードソースをかけても、やはり美味しい。ほどよい酸味が加わって味わいに変化が生まれ、最後まで飽きずに楽しめる。

続いて食べたのは、カニ入りの卵焼き。口に入れた瞬間、カニの風味が口いっぱいに広がる。卵はふわふわで、食感も抜群。卵焼きをおかずにカオパットを頬張ると、もう止まらない。シーフードソースとの相性も抜群だ。

最後はシャコのガーリック炒め。香ばしいニンニクの風味と新鮮なシャコの旨みが混ざり合う。西尾さんは「これはあかん」「最高です」と絶賛していた。
コスパ抜群のローカル屋台『カオパットプータノンタナオ』

1週間で8軒のカオパット店を食べ歩いた西尾さん。今回の企画で巡った店の中で、“最もコスパがよかった店”として紹介したのが、バンコク旧市街の観光名所「サオチンチャー」から徒歩5分ほどの場所にある「カオパットプータノンタナオ」だ。

歩道に並べられた席は6席ほどとこぢんまりとしており、夫婦2人で営むローカル屋台だ。中でも目を引くのが、奥さんの見事な調理さばき。無駄のない動きで次々と料理を仕上げていく姿からは、長年店を切り盛りしてきた熟練の技がうかがえる。



西尾さんが注文したのは、カオパットとガポプラーナムデーン 魚の浮袋入りスープ の2品。カオパットは強火で炒められており、パラパラとした米の食感が特徴的だ。味付けは濃すぎず、どんどん食べ進められる。ガポプラーナムデーンとの相性も抜群で、西尾さんはその味わいを「これまでバンコクで出会った中でも最高クラス」と評価した。











