ゴスペラーズの黒沢薫と乃木坂46の中西アルノがMCを務める、CS放送の音楽番組『Spicy Sessions』(TBS系/TBSチャンネル1)で、21日に放送されるゲスト・吉柳咲良出演回の収録が行われた。
同番組は、MCとゲストがその場で楽曲を組み立てていくセッション番組だ。今年のリニューアルで、セッションする楽曲は事前に決めているが、本番の雰囲気やアイデアで、アレンジや歌い方が変わる。納得がいかなかったら再び歌い、失敗した場面もそのまま放送されるのが特徴だ。

放送回数としては25回目となる今回の収録。バンドの演奏とともにMCの2人が登場し、2026年も多彩なアーティストをゲストに迎える予定だと黒沢が話し出す。共演してみたいジャンルについて問われると、中西は「演歌を歌われる方。なかなかご縁がないので」と回答。黒沢はそれに同意しつつ、「バンドのボーカルの方をお迎えしたい」とも語った。

今回のゲストは、俳優・声優・歌手として活躍する吉柳咲良。2016年の「ホリプロタレントスカウトキャラバン」にて、当時の歴代最年少となる12歳でグランプリを受賞。翌年にはミュージカル「ピーター・パン」で10代目ピーター・パン役に抜擢され、ステージデビューを果たした。吉柳はミュージカルのほか、ポップスやR&Bなど幅広いジャンルの楽曲にも挑戦している。また、吉柳は中西アルノの大ファンでもあり、『Spicy Sessions』もよく観ているという。

観客の拍手に迎えられて登場した吉柳は、前しか見ない、横(の中西)を見られない……とポツリ。客席の中にいる同志たちから共感の笑いが起こる。吉柳が「自分の内側にある思いを壊す。新しい自分を肯定する曲」と紹介し、歌唱を披露したのは、オリジナル曲「Bad Gyal」。イントロのフェイクから、R&Bテイストが漂う1曲だ。低音域から、ホイッスルボイスのような超高音まで、滑らかに移動していく歌唱。ミュージカルとは違うアプローチで、声の芯と繊細さが同時に感じられた。
トークコーナーでは、吉柳が視聴者として『Spicy Sessions』の魅力を語る。これまでの放送で印象に残った曲を聞かれると、映画「グレイテスト・ショーマン」の主題歌「This Is Me」(2025年12月放送)、さユりの「フラレガイガール」(2025年2月放送)、秦基博の「鱗」(2025年3月放送)を挙げた。さらに、乃木坂46の冠番組などを普段からよく見ているという吉柳が、中西に「歌っている時とのギャップがすごくて。(普段の番組では)よく転んでらっしゃるイメージが」と伝えると、会場は笑いに包まれた。

吉柳が黒沢とのセッション曲に選んだのは、映画「アナと雪の女王」より「とびら開けて」。黒沢が「僕の台詞から歌にいく感じが、まだ困ってるわけです」と、珍しく迷いをあらわにする。さらに「僕の緊張、みなさん感じていただけているでしょうか?」と言った後、イントロの台詞を映画とそっくりに再現。会場の笑い声に「え、ダメっぽい?台詞、もう少し軽くします」と、観客の反応を見ながら、自分の中で着地点を見出していく。




再びトークコーナーへ。吉柳がシンガーとして影響を受けたアーティストについて、MCの2人が紐解いていく。ゲストのルーツが語られるこの時間は、観客や視聴者の、楽曲に対する解像度を格段に上げる。吉柳が「おこがましいと思うんですが、ぜひ、アルノさんと」と選んだセッション曲は、山口百恵の「さよならの向う側」。吉柳は「アルノさんは、きらびやかな歌を歌っている時でも影がある。私の中では、伝説のアイドル(=山口百恵)と伝説のアイドル(=中西アルノ)」と熱弁した。
さらに吉柳が、中西と一緒に歌いたい楽曲として乃木坂46の「Actually...」をリクエスト。客席からは驚きと期待が入り混じった反応が起こる。バンドマスター・佐藤雄大が、このセッションのためにリアレンジを担当。緊張している吉柳に対し、中西が両手を広げて「ハグする?」のポーズをとる。以前、ゲスト出演した家入レオにしてもらったハグを、今度は中西が吉柳に返しているのだ。中西がこだわった歌割りで披露される特別な「Actually...」は必見だ。
ラストは、黒沢と中西の2人でMISIAの「Everything」を披露。黒沢が挙げた候補の中から中西が決めたという。優美なピアノのイントロを受け継ぎ、最初に歌い出したのは黒沢。同じメロディーを中西は、自身の中では低音域で鳴らしていく。曲が終わると、バンドメンバーも観客も、スタッフも、大きな拍手と歓声で2人の歌にレスポンスした。
収録後のインタビューで、中西は「吉柳咲良さんと声を合わせることが嬉しくて。せっかくセッションするんだから、別の一面を見せられたらいいなと思っていた」と振り返った。黒沢は中西の歌唱について「アルノさんのすごいところは、本番に向かって照準を合わせて、本番に一番いい状態を持ってくる。フォローする必要もない。もうそういう段階にはいない」とコメントした。
中西も「最近、本番に強いタイプっていう自負がちょっとだけある。人に背中を押してもらう良さを知ったからなんじゃないか」と笑顔で応じた。黒沢は最後に「自分を上げてもらうためには、自分がお客さんを上げないといけない。本当に、やっぱり人前の方が、アルノさんはより輝く。かっこいい!」と締めくくった。













