様々な愛にグッとくる!韓国ドラマ『涙の女王』がさらに盛り上がってきた | RBB TODAY
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様々な愛にグッとくる!韓国ドラマ『涙の女王』がさらに盛り上がってきた

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Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
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 今最も話題の韓国ドラマと言えば、『涙の女王』だ。脚本を手がけるのは『愛の不時着』のパク・ジウン、主役カップルを演じるのはキム・スヒョン(『サイコだけど大丈夫』など)とキム・ジウォン(『私の解放日誌』など)で、配信前より注目を集めていた作品だ。現在、全16話中12話まで配信されているが、ダレることもなく、回を重ねるごとに面白さを増しているから凄い。

 物語は、田舎出身の弁護士ペク・ヒョヌ(スヒョン)と財閥令嬢ホン・ヘイン(ジウォン)の離婚危機から始まるのだが、とある陰謀で財閥家が没落したことで、お互いの家族の関わり合いが深くなり、周辺人物の新たな絡みも生じていく。それが、作品にさらなる魅力を与えていると言えるだろう。さて、今回は11・12話を振り返ってみたいと思う。
(以下、ネタバレあり)

■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ&映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X(Twitter):@ymndayo


逆境をバネに家族の絆が深まっていく



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 ヘインはクイーンズの記者会見で、現会長となった投資家ユン・ウンソン(パク・ソンフン)からの脅迫を暴露した上で、余命僅かのため「クイーンズ百貨店」の社長の座には戻れないと発表。当然、クイーンズ元経営一家・ホン家は世間の同情を集める。対するウンソンは印象が悪くなり、クイーンズは株価が下落。ウンソンは、ホン家の長ホン・マンデ会長(キム・ガプス)を罠に嵌め全権委任を得た実母モ・スリ(イ・ミスク)と共に、会長の裏金約9,000億ウォンを見つけて様々な問題解決を図ろうと画策。そんな彼らの行動を予測したホン家は、2人よりも先に裏金を発見しようと奔走する。

 以前は揚げ足を取り合うなど殺伐とした雰囲気のホン家だったが、逆境に陥ってからは関係改善がめざましい。ウンソンとスリという共通の敵を目の前に“ワンチーム”に。さらに、ヘインが病気を公にしたことにより、ヘインと母キム・ソンファ(ナ・ヨンヒ)は涙ながらの仲直りを果たし、比較され続けてきた姉ヘインと弟ホン・スチョル(クァク・ドンヨン)の仲も雪溶け。「ヘインを生かす」という目標のため、ペク家との結束も固くなる。そして、二重スパイとなりつつあるエステ経営者グレイス・コ(キム・ジュリョン)に調査を進めさせる際には、用心して一家総出で対応。クイーンズ画廊の社長が設けた地方の巨大倉庫「トラスト・ストレージ」に資金洗浄の足跡を探しに行く時は、揃って変装して同行していた(と言っても単にサングラスをかけただけ、というのもご愛嬌)。本作の軸はヒョヌとヘインのラブストーリーだが、並行して描かれる家族愛も熱を帯びてきている。

主人公たちの愛を阻むのは“2人の望み”



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 記者会見後に倒れ、死の淵を彷徨ったヘインは、“生きているうちに本心を伝えたい”と、目覚めるや否やヒョヌへの愛や謝罪の言葉を述べる。以降も、ドライヤーの接触不良を理由に髪を乾かしてもらっては「(髪を乾かすために)毎日そばにいて」、手料理を用意してもらっては「何度生まれ変わってもあなたといたい」と愛情をストレートに表現するようになる。もちろんヒョヌは、大喜び。食べ物を食べさせて口を拭うなど、これまで以上に手厚く尽くし、さらには“離婚取り消しのプロポーズ”までする。しかしヘインは、「愛してると言ったのはそう思ったからで、尽くされたいわけじゃない」「次の段階になった時あなたといたくない。さらに悪くなったら私から離れて」と突き放す。すでにヒョヌのことを認知できない時もあり、すべてが漠然としている中で何も約束できない、という理由からだ。2人は、「ヒョヌを傷つけたくないから離れたい」、「何があろうとずっとヘインのそばにいたい」と、お互いへの愛情が強すぎるあまりに相反する望みを抱えている。ラブラブモードがあまりにも幸せそうで、相手を想う言動一つひとつが尊いからこそ、完全なる元サヤに戻れぬ切なさに毎度心が苦しくなってしまう。

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 彼らの美しい関係をより際立たせているのは、極悪人ウンソンだ。最初に二番手として現れたが、とんでもない。そもそも学生時代にヘインがウンソンと縁を切ったのは、彼がヘインをわざと苦境に陥れて助けていたからだった。今回、ウンソンはヘインから「また何か仕組んだら代償を支払ってもらう」と忠告を受けるも、「(そんな内容でも)君からの連絡がくると僕はときめく」と、ノーダメージな上、再び告白じみたことを言う。また、病によってウンソンのことをヒョヌと勘違いしたヘインを、そのまま誘拐。挙句、マンデ会長への面会を口実に無理やり夕飯を一緒に食べるように促し、過去のトラウマ的出来事に関連づけた嘘で自分を良く偽る。ウンソンは、あまりにも自分本位で歪んだ形でしか愛情表現ができない。だからこそ、ヘインの気持ちを第一優先とするヒョヌの姿や、お互いを気遣う元夫婦の関係性の素晴らしさが光るのだ。

サブカップルたちも盛り上がってきた



 本作ではもう2つ、ラブストーリーが繰り広げられている。1組目は、ヘインの弟スチョルとその妻チョン・ダヘ(イ・ジュビン)だ。ダヘは幼馴染のウンソンらと結託し、作戦決行のタイミングで、ホン家の宝飾品と息子ゴヌと共に海外へ高飛びしていた。スチョルは天然気質で仕事もできる方ではないため、家族から軽んじられてきた人物だ。ダヘも夫のことを内心馬鹿にし続けてきたが、離れて分かったのは、スチョルの優しさだった。スチョルはふだん自分のことに関しては言われっぱなしだが、妻子を悪く言われた時には劣化の如く怒る。妻が詐欺師で、息子と血の繋がりのないことが判明しても、誰に何と言われても庇い続ける。祖父の傘寿祝いで独特のキャラクターをデビューさせたり、姉に勝つために呪符を手に入れたり……スチョルの間抜けな面はドラマにも笑いをもたらしているが、その分、ダヘとゴヌへの海よりも深い愛を示す時の力強さには心揺さぶられる。

 もう1組は、これから育まれていくであろうロマンス。ヘインの叔母ホン・ボムジャ(キム・ジョンナン)と、ペク家のご近所さんヨンソン(キム・ヨンミン)だ。ヨンソンは、村のカウンセラー的存在であり、自給自足で生活を営んでいる無欲の男である。その気質から、父のことで胸を痛めるボムジャに助言をし、大量生産した桑の実をお裾分けするのだが、ボムジャからは気があると思われてしまう。ボムジャは風変わりなヨンソンに大層惹かれているようだが、掴みどころのないヨンソンは、果たして。
《山根由佳》
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