「dTV」が音楽ライブのVR配信を開始! チャレンジして見えた課題と今後の戦略とは | RBB TODAY

「dTV」が音楽ライブのVR配信を開始! チャレンジして見えた課題と今後の戦略とは

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エイベックス通信放送 村本理恵子氏にdTV VRの取り組みをインタビューした
  • エイベックス通信放送 村本理恵子氏にdTV VRの取り組みをインタビューした
  • dTV VRアプリの配信は7月末にスタートした
  • VRスコープは5種類のデザインを揃えてa-nationの会場で配布した
  • 色が同じマジックテープを重ねていけば簡単に組み立てられる
 エイベックス通信放送とドコモが展開する国内最大規模の映像配信プラットフォーム「dTV」が、夏に開催された音楽イベント「a-nation」のライブVR配信を14日にスタートした。スマホで360度映像の音楽ライブを手軽に楽しめるコンテンツが制作された背景を、エイベックス通信放送の取締役 村本理恵子氏にインタビューしながら、今後計画するVR映像の内容についてもいち早く訊ねることができた。

 このたび始まった「a-nation ライブVR」は、dTVが今夏から配信をはじめたオリジナルの視聴アプリ「dTV VR」で見られる映像コンテンツ(有料)。アプリのダウンロードは無料だが、iPhone、またはAndroidスマホのほか“ハコスコ”といったVRスコープが別途必要になる。

 注目のコンテンツは、今年の夏に都内で開催された夏フェス「a-nation stadium fes. powered by dTV」の2日間のステージから、一部の模様を収録したVR映像だ。登場するアーティストも浜崎あゆみやBIGBANG、AAAなどビッグネームを含む豪華17組。dTVではVRコンテンツに先駆けて音楽ライブの生配信を本体のサービス「dTV」で配信して成功を収めてきたが、今回どのような経緯でVR映像配信に踏み切ったのだろうか。村本氏にうかがった。

「はじめに“VRありき”でスタートしたわけではありません。360度映像というクリエイティブツールを活かすことができれば、どんな面白い映像コンテンツが作れるだろうかという私たちの好奇心が起点になっています。360度映像はアーティストにより近づける迫力を味わえたり、ライブ会場との一体感が得られる絶好の表現手法であると考えました。アクション、ホラー系など映像への没入感が生み出すスリルが味わえる独特のゲーム体験にも結び付きます。私たちがスマホ向けの動画配信サービス『BeeTV』を展開してきた頃から大事にしている、新しい映像コンテンツへのチャレンジの一つとして、今回はVRを形にしたというわけです」(村本氏)

 映画にドラマ、アニメやニュースなど、現在、dTVのプラットフォームではさまざまなジャンルの動画コンテンツが配信されている。同社のスタンスとしてはCGをフルに活用して作ったゲームよりも、さらに実写映像を中心にストーリー性も打ち出した没入感の高いコンテンツをユーザーに提供することを目標としている。特に村本氏は、これからdTVの成長を支えるであろうユーザーが「女性層」であると位置づける。実際にいまdTVのサービスを利用するユーザーは約半数が女性なのだという。スマホやVODに関心の高いアーリーアダプター層だけでなく、よりライトにエンタメコンテンツを楽しみたいファン層を、dTVはしっかりと獲得しているということだ。今回のVR映像配信も、メインターゲットは女性層であることには変わりがないと村本氏は答える。

「a-nationの来場者も約7割以上が女性です。そうなると、おそらく多くの方々はまだ現時点でVRヘッドセットをお持ちでないだろうし、VR映像を体験したこともないのではと私たちは考えました。今年はVR元年と言われ、いくつかのメーカーから注目のVRヘッドセットが発売されましたが、まだ一般の方々が購入して楽しむには高価なものばかりです。それでもdTVが制作するVRコンテンツを手軽に楽しんでもらえるよう、a-nationに足を運んでいただいた全ての来場者にオリジナルのVRスコープを無料で配布しました。お手元のスマホを使って、簡単に組み立てられるVRスコープを使って、好きなアーティストが間近に迫ってくるVR映像の醍醐味を体験していただくためです」(村本氏)

 VRスコープを無料配布することについては、社内でも賛否両論があったという。「せっかく配っても使ってもらえないのでは?という意見もありました。でも、これほど多くの方々にVRスコープを配れて、dTVのVRコンテンツを体験するきっかけを提供できる機会はそう多くはないだろうと考え、最終的には当社のチャレンジ精神を貫くことを決断しました」(村本氏)と振り返った。
《山本 敦》

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