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「dTV」が音楽ライブのVR配信を開始! チャレンジして見えた課題と今後の戦略とは

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エイベックス通信放送 村本理恵子氏にdTV VRの取り組みをインタビューした
  • エイベックス通信放送 村本理恵子氏にdTV VRの取り組みをインタビューした
  • dTV VRアプリの配信は7月末にスタートした
  • VRスコープは5種類のデザインを揃えてa-nationの会場で配布した
  • 色が同じマジックテープを重ねていけば簡単に組み立てられる
 オリジナルのVRスコープはデザインも凝っている。ベースの素材は厚紙だが、むき出しのままでは、無料とはいえ、もらっても嬉しいと感じてもらえない。そこで、5種類の異なるアニマル柄をプリントした。組み立ても簡単。色分けされたマジックテープを重ね合わせていくと、箱形のスコープができあがる。内側の吸盤にスマホを固定して、dTV VRアプリを起動してダウンロードした映像を再生するだけで、360度のライブ映像の熱気が目の前に蘇る。

「ユーザー目線での“おもてなし”を心がけてデザインしました。イベントに参加した記念として、ずっと保存しておきたくなりませんか?」(村本氏)

 a-nationが実施されたスタジアムに、dTVは大きなブースを構えてオリジナルVRコンテンツの視聴体験を実施した。総勢85名のスタッフを配置して、VRスコープを使ってアーティストのプロモーション動画を視聴したり、スコープを装着して記念撮影を撮って楽しめるブースは来場者から好評を博した。

「サービスの使い方や魅力を直接お客様に伝えることができて、大きな成果を得ることができました。皆様から好評をいただいたというだけでなく、普段はデジタルコンテンツをオフィスやスタジオにこもって製作している私たちにとっても、お客様の反応に直接触れられたことが大きな糧になったように感じています」(村本氏)

 オリジナルアプリの「dTV VR」は7月末から配信が始まり、週に1~3本前後のペースでコンテンツを更新してきた。ダウンロード数は順調に伸びて、リリースから2ヶ月で14万件を超えた。特にa-nationの開催後にはダウンロード数が一気に増えたという。

 今回収録されたa-nationのVR映像は、国内だけでなく海外を見渡してみても先駆的な試みとなる「音楽ライブのVR収録」だ。撮影時にはいろいろな苦労があったと村本氏は振り返っている。

「まず何よりライブ会場に足を運んで下さったお客様が、撮影機材のせいでアーティストが見づらくなることは絶対に避けなければなりません。それでいて視聴者の方々が盛り上がれるようなVR映像を撮ること、あるいはアーティストの動き方を把握したカメラワークの計算も不可欠です。いろいろと課題は見えてきましたが、第1回目として大きな収穫を得ることができたと満足しています」(村本氏)

 ライブVR映像の配信から得たノウハウもベースに、今後はよりストーリー性のあるVR番組の制作に乗り出す計画があるという。村本氏に構想の詳細を訊ねた。

「a-nationのように大規模なスタジアムライブの場合、アーティストを近くで見られなかったというお客様がほとんどです。音楽系のコンテンツはより充実させながら、出演するアーティストを身近に感じたいという声に応えたいと思っています。アーティスト側の反応も良いので、力をいれていく価値はあると考えています。その他のVRコンテンツも、現在多くの女性ユーザーを獲得しているdTVらしいものを作りたいですね。ファッション系のVR映像コンテンツなどがあっても面白いと思います」(村本氏)

 昨年4月にdTVがサービスインした当初、専用セットトップボックス「dTVターミナル」が発売され、その後もアニメコンテンツとのコラボにも挑戦してきた。今後はアーティストとコラボしたスコープを企画してみても面白いだろう。村本氏によれば実際にさまざまな方面からの引き合いがあるという。例えばNTTドコモからは、この冬はdTVと一緒にVRを押したいという提案もあり、オリジナルのVRスコープをドコモショップで展開する案も検討に上っているそうだ。

 ほかにもdTVが主催するVR映像の体験イベントは、より積極的に開催していきたいという。「VRでもARでも構いません。より多くの方々に楽しんでいただける映像コンテンツをdTVが発信していくことが私たちの目標です」(村本氏)と、これからに向けた意気込みを語ってくれた。
《山本 敦》
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