【現場レポート】NECとALSOKが大規模スポーツイベントでICT活用の実証実験 | RBB TODAY

【現場レポート】NECとALSOKが大規模スポーツイベントでICT活用の実証実験

エンタープライズ セキュリティ

NECの顔認証技術を使って行われた参加団体のリーダーの受付場所となったテント(撮影:防犯システム取材班)
  • NECの顔認証技術を使って行われた参加団体のリーダーの受付場所となったテント(撮影:防犯システム取材班)
  • 顔認証による本人確認の様子。所定の場所に立ち、1、2秒で認証が完了する(撮影:防犯システム取材班)
  • 当日登録用の撮影ブースの様子。顔データの登録自体は数分で完了していた(撮影:防犯システム取材班)
  • 事前登録時に渡されたQRコードを持参し忘れた場合にも対応することが可能(撮影:防犯システム取材班)
  • 車いす参加者の早期検知の実証実験が行われた駐車場内に設置されたテント。テント手前のカメラで来場する車のナンバーを撮影していた(撮影:防犯システム取材班)
  • 事前に車からの乗り降りの際にサポートが必要な人が乗る車両のナンバーを登録しておくことで、かゆいところに手が届くサポートが可能(撮影:防犯システム取材班)
  • 人工知能ソフトと画像認識を使った車いすでの参加者の早期検知の様子。車いすの参加者へのスマートなサポートを実現させる(撮影:防犯システム取材班)
  • 形状を人工知能ソフトに学習させておくことで、映像から車いすを検知すると画面に赤い囲みが表示され、サポートをうながす(撮影:防犯システム取材班)
 11月14日、15日に東京の湾岸エリア複数箇所で開催されたスポーツイベント「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2015 アジア パシフィック」にて、NECとALSOKは警備や大会運営を効率化するICTを活用した技術などの実証実験を行った。

 今回の実証実験の内容としては、NECが顔認証による入場管理、画像認識技術を利用して車いすの参加者の早期検知と混雑状況の早期検知を実施。ALSOKが、不審物への対処や急病人の手当てを想定して、ウェアラブルカメラやIPトランシーバを使った警備員とボランティアによる情報共有や救護支援などを行った。

●事前登録者を数秒で顔認証

 実証実験は主に江東区・夢の島競技場で実施され、最初に行われたのが顔認証による競技参加者の受付。今回は、参加団体のリーダーたちが事前に顔データを登録しており、当日は事前に発行されたQRコードを係員に渡して、カメラの前に立ち、認証されれば「認証済み」を証明する紙が渡され、受付が完了という流れで行われた。

 認証用のカメラはタブレット端末のもので、NECの顔認証エンジン「NeoFace」を使用し、現地ではスムーズな本人確認が行われていた。また、事前登録をし忘れたり、QRコードを持参し忘れたりした場合は、併設された「当日登録ブース」などでスムーズな対応を行っていたので、大きな混乱や混雑が発生することはなかった。

 ちなみに「NeoFace」の認証に使われるのは、顔自体の画像データではなく、特徴となる部分を数値化したものとなる。多人数での運用でも、大容量サーバを必要とせず、万一データが流出しても個人情報としての汎用性を持たないため、プライバシー面での配慮もなされている。

●車いすの競技者&来場者をスマートにサポート

 続いて、駐車場付近で行われていたのが、車いす参加者の早期検知の実証実験。今回は2種類の検知方法が試され、1つ目が、駐車場入り口に設置したカメラで入場する車を撮影し、事前登録された車のナンバーを抽出するというもの。車の乗り降り時にサポートが必要な車のナンバーを登録しておけば、カメラがとらえた段階でイベントの運営側に通知を行き、効率的なエスコートが可能となる。

 もう1つが、車を使わずに来場する車いすの参加者を検知するための技術で、実証実験では競技場へと続くスロープの手前にカメラを設置し、人工知能ソフト「RAPID機械学習」と画像認識技術を用いて、映像から車イスの人を検知させるという形で行われた。

 車いすの形状データを多数学習させておくことで、リアルタイム映像から車いす利用者のみを迅速かつ正確に抽出するという。当日、機材を載せた台車などもこのカメラの前を通過していたが、誤認識することはなかった。

 実証実験に協力してくれた車いすの競技者に質問したところ、一般的に競技者の多くは、日常生活用の車イスに乗って来場し、競技用の車イスを自ら押して駐車場から会場まで移動したり、競技種目によっては大型の荷物を持ち込む人も少なくないという。また、車いす利用者向けにスロープがあっても、腕の力の弱い人ならひと苦労なので、こうした技術がさまざまな競技会で導入されれば「とてもありがたい」と語っていた。

●ICT活用で迅速で的確な警備を実現

 次は、ALSOKが行った警備におけるICTを活用した情報共有の実証実験。警備員とボランティアにウェアラブルカメラとIPトランシーバを持たせ、情報を警備本部で集約させることで、不審物や急病人の発見の際に的確な対応が可能になるという。今回の実証実験では、まずボランティアが不審物を発見したという想定で運用の流れを確認していた。

 会場内で不審物を見つけたボランティアが、警備本部へIPトランシーバを通じて報告。警備本部はボランティアスタッフに対してウェアラブルカメラなどで現地映像の撮影を依頼し、IPトランシーバから取得されたボランティアの位置情報を確認する。そして最寄りの警備員に現場への駆けつけを指示し、状況に応じて警察への通報を行うという流れとなる。

 また、急病人の発見を想定したパターンも実施。基本的には、不審物発見時の流れと重なるが、違いは警備本部に医師や医療スタッフを待機させている点となる。医師は現地から送られてきた急病人の映像を見て、現場に専門的な所見を伝えたり、適切な応急対応を指示し、必要に応じて警備員と医療スタッフを現地に派遣するというもの。

 NECとALSOKによれば、こうした実証実験を重ねていくことで、2020年の東京オリンピックに代表される大規模スポーツイベントでの「ストレスフリーで安全・安心な場」の実現を目指していくという。今後も、例年開催されているスポーツイベントなどで、先進的なセキュリティサービス・技術を早期に導入し、さらなる精度の向上などを行ってより効果的な警備・運営体制の確立をめざしていくそうだ。
《防犯システム取材班/小菅篤》

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