【インタビュー】なぜ“黄色いヤツら”を主人公に? 「ミニオンズ」プロデューサー、クリス・メレダンドリ氏 | RBB TODAY

【インタビュー】なぜ“黄色いヤツら”を主人公に? 「ミニオンズ」プロデューサー、クリス・メレダンドリ氏

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クリス・メレダンドリ氏 
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2015年7月31日よりアニメーション映画『ミニオンズ』が全国公開する。日本でも大ヒットした「怪盗グルー」シリーズで大人気のキャラクター、バナナが大好物な謎の生物ミニオンたちを主役にした作品だ。これまで謎に包まれていたミニオンの過去を心踊るアトラクションムービーとして描く。
本作のアニメーション制作は、「怪盗グルー」シリーズのイルミネーション・エンターテインメントが手がける。2007年に同社を立ち上げ、本作でプロデューサーを務めるのがクリス・メレダンドリ氏だ。インタビューではクリス氏に、ミニオンを主人公とした理由や本作の見どころ、そして今後のアニメーション制作で求められるものをうかがった。
[取材・構成=沖本茂義]

■ ミニオンが主人公!その理由は?

――ミニオンは「怪盗グルー」シリーズの大人気キャラクターですが、なぜ彼らを主人公とした映画をつくろうと思われたのでしょう?

クリス・メレダンドリ氏(以下、クリス) 
シリーズの2作目『怪盗グルーのミニオン危機一発』をつくっているとき、イルミネーションのアニメーションチームがとても生き生きとミニオンを描いていたんです。それにミニオンは世界中のファンから可愛いと人気を得ましたし、わたし自身もこのキャラクターが大好きだった。だから彼らを主人公にした映画をつくりたいと思いました。
ただ、最初は不安もありました。ミニオンは特定の言語をしゃべらないので。そんな彼らを主人公にしていかにして面白いストーリーをつくれるのか、それを最初に考えました。

――実際、どのようにされたんでしょうか?

クリス 
「怪盗グルー」シリーズをつくってファンから「ミニオンたちはどこからやってきたのか?」「グルーに出会う前は何をしていたのか?」とよく聞かれたんです。だったら今回、ミニオンがどのように生まれて、どのような変遷をたどってきたのか、グルーと出会う直前まで描こうと思いました。


――ビートルズなど当時流行していた音楽が贅沢に使われていますが、舞台を1960年代後半にしたのはなぜでしょう?

クリス 
監督のピエール・コフィンとカイル・バルダがその年代に大変興味を持っていたんです。お分かりのように素晴らしい音楽がたくさん生まれた時代ですから。この映画では当時流行った音楽が全編をとおして使われていて、たとえばローリング・ストーンズ、ビートルズ、ザ・フー、ドアーズなどがあります。そういった素敵な音楽も本作の魅力だと思いますね。

――本作を制作してこれまでのシリーズとの違いはありましたか?

クリス 
この映画の主人公はケビン、スチュアート、ボブの3人で、従来のシリーズと違って特定のミニオンにスポットが当たります。観客は彼らに感情移入して物語を楽しむわけですが、ミニオンたちは特定の言語を話さないので、彼らの感情や考えは絵で表現するしかない。つまりアニメーターの力にすべてがかかっているわけですね。アニメーターにとっては自分たちの力を示すまたとない機会だったと思います。

――ミニオンが憧れる女悪党・スカーレットも魅力的なキャラクターでした。

クリス 
スカーレットは、舞台となる1960年代後半という時代が生んだキャラクター、そういっても過言ではないですね。着想としては、はじめに“世界初のスーパー女悪党”をつくりたかった。時代の最先端を走っているから、悪党なのにとてもファッションコンシャス。みんなが憧れるようなとてつもないパワーを持っているけど、内面ではとても不安を抱えている。そういった奥行きのあるキャラクターとなりましたね。


■ 今後のアニメーション映画に求められるもの

――現在のアニメーション界についてもお聞きしたいのですが、3DCG技術がだいぶ成熟してきた印象があります。

クリス 
CGが台頭してきたころは、たとえ内容が素晴らしくなくても観客を魅了することが可能だったわけです。なぜならば3DCGというこれまで見たことがなかった映像、そのスタイルだけで観客を圧倒することができたからです。

――では今後何が求められるのでしょうか?

クリス 
観客がより相対的に楽しめるものだと思います。それは物語であったり、映画そのものをビジュアル体験として提供することが大事になってくる。言い換えると、クリエイターたちがいかにクリエイティブな表現ができるかということです。そのためにはほか作品との差別化が不可欠で、現存のツールをいかに使いこなすかが鍵になってきます。
そして、多面的なキャラクターが重要になってきます。そしてそのキャラクターたちをサポートする物語、さらにそれらすべての要素を映画一本にまとめるあげる力も必要になります。

――ピクサーでもドリームワークスでもない、イルミネーションならではのアニメーションづくりは今後どのようにされるのでしょう?

クリス 
まずはじめに言いたいのは、我々がこうしてアニメをつくっていられるのもピクサーが素晴らしい方法でこの業界をつくり上げてくれたおかげですし、そうしたスタジオには大変敬意を払っています。
ではイルミネーションならではのものは何かというと、それは我々のスタジオでアニメーションをつくるアーティストそのものですね。恵まれたことに我々のスタジオは大変豊かな才能を持っているアーティストが大勢います。彼らは素晴らしい先輩のアニメーターに憧れて、この業界に入ってきた人ばかりです。そうした豊かな才能を大切にしつつ、それと同時にリスクを取りつつも常にチャレンジしていかないといけない。そのように今後もアニメーション制作を続けていきたいです。

『ミニオンズ』
7月31日(金)より全国ロードショー

なぜ“黄色いヤツら”を主人公に? 「ミニオンズ」クリス・メレダンドリ氏(プロデューサー)インタビュー

《沖本茂義》

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