大阪大学大学院工学研究科の牛尾知雄准教授らの研究グループと大阪府及び東芝は、フェーズドアレイ気象レーダを利用した実証実験を6日から開始した。ゲリラ豪雨発生の予兆を高速・高精度に検知するシステムとなっている。 本実験に使われるフェーズドアレイ気象レーダは、東芝、NICTとの共同研究により大阪大学に設置されたもの。多数のアンテナ素子を平面状に配列して電子制御を行うことで、従来のパラボラアンテナと異なり瞬間的にビーム方向を変化させることができる。10秒間隔で隙間のない3次元降水分布を100mの分解能で観測することが可能で、2012年から試験観測などが行われていた。 今回の実証実験では、降雨量を正確に観測できるMPレーダとの併用により、ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲の発生過程の詳細な3次元構造を30秒以内で観測して解析、大阪府の水防本部や出先事務所など大阪府内10か所へのメール配信と回転灯の点灯連動といった防災システムを稼働させ、有効性の検証を行うものとなっている。 実証実験を踏まえ、2018年を目処に、ゲリラ豪雨や竜巻などの高精度予測を高速に自治体などに情報配信するシステムの構築を目指している。
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