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“第3のモバイルOS”の大本命!? 「Sailfish OS」を開発するフィンランドのJolla本社に行ってきた

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注目を浴びるフィンランドのベンチャー企業「Jolla(ヨーラ)」の本社を訪問。Juhani Lassila氏がインタビューに答えて
  • 注目を浴びるフィンランドのベンチャー企業「Jolla(ヨーラ)」の本社を訪問。Juhani Lassila氏がインタビューに答えて
  • Sailfish OSのリファレンスプロダクトであるJolla SmartphoneとJolla Tablet
  • Jollaがオフィスを構えるビル。Supercellも入居している
  • 開放的なエントランス。1階のしっかりとした受付で来訪を伝える
  • 広々としたオフィスで働くJollaのスタッフ。本社にはヘッドクオーターの機能と営業部、商品企画部が集まる
  • Jollaオフィスのアイドル犬「チルダちゃん」
  • JollaのHead of Communications担当 Juhani Lassila氏
  • 筆者のインタビューに答えるLassila氏
■Sailfish OSのファンとともに完成させた「Jolla Tablet」

 MWC 2015にも出展されていたJolla Tabletはデザインもスタイリッシュでなかなか魅力的なタブレットだ。本機はMWC2015の「Best Tablet of MWC2015」を受賞している。

 「MWCで展示したタブレットはアーリープロトタイプだったので、デモの内容も完璧とは言えないものでしたが、それにも関わらず新しくシンプルなUIや本機のプロダクトデザインが非常にポジティブな反響を得たことは、私たちにとって大きな励みになりました」と振り返るLassila氏。

 アールトの建築や、イッタラ、アラビアをはじめとする生活に密着したプロダクトなど、フィンランドはデザインの先進国としても注目されている。JollaではチーフのMartin Schuele氏が率いて、全7人のデザイナーが社員として在籍し、タンペレのオフィスでSailfish OSのインターフェースをはじめ、Jolla Tabletなどハードウェア、さらにはパッケージデザインも担当している。

 Jolla Tabletは、デザインコンセプトが「Functionality, minimalism & Style」で、クラウドファンディングのIndiegogoで出資を募って開発がスタートした製品だ。Indiegogoを起点とした理由は2つあるとLassila氏は説く。

「まずは、Sailfish OS搭載のプロダクトにどれほどのニーズがあるのかを正確に把握する必要がありました。ところがプロジェクトを公開してからわずか数時間で目標金額に到達してしまうほどの好評を得たことから、私たちは確かな手応えを得て出発することができました」(Lassila氏)

「もう一つの理由はユーザーコミュニティとのつながりを大事にしながら、このプロダクトをつくりたいと考えたからです。単純に開発資金を集めるためだけにクラウドファンディングを行ったわけではありません。コミュニティサイトの『together.jolla.com』には日頃から数千人のファンが集い、活発なディスカッションを展開してくれています。今回の試みは、Sailfish OSを支えてくれている多くの方々からアイデアやフィードバックを募りながら、一緒にJolla Tabletを完成させる開発プロジェクトでした。スローガンは『Do It Toghether』。オープンソースのプラットフォームだからこそ、ユーザーの方々によるサポートを大事にしながら、集まった声をスピーディーに反映させながら面白い製品をつくることができました」(Lassila氏)

■気になる日本展開は!?

 7月末からはいよいよ初期ロットが購入者に向けて出荷される。現在は既に、出資の申込みは締め切られているが、64GBのモデルが249米ドル、32GBのモデルは219米ドルで提供される。今後の一般販売の計画はまだ決まっておらず、日本での販売予定もない。

 ただ、JollaがSailfish OSを日本市場で展開することについては前向きな姿勢を示している。「現在いくつか日本の企業の方々ともディスカッションをしています。IT分野では特に競争が厳しいマーケットだということも承知していますが、よいかたちでSailfish OSをお届けすることができれば」とLassila氏はコメントする。

■インドでSailfish OSを搭載する新端末発表か?

 「JollaはSailfish OSを中心としたソフトウェア開発の企業」であるとLassila氏は強調する。同社にとってライバルに位置づけられる企業は、サムスンやレノボなどスマホを作っているメーカーでなく、グーグルやアップルなどモバイル向けソフトウェアの大手ブランドだという。

 今後はSailfish OSをiOSやAndroidに続く「第3のOS」に育てていくことが、Jollaにとって目下のターゲットだ。そのためには経済的に伸び盛りなBRICs諸国での成功が鍵を握っているとLassila氏は語る。ポジショニングとしてはローエンドやハイエンドではなく、ミッドレンジにアプローチを定める。

 特に力を入れている地域の一つであるインドでは、近くSailfish OSを搭載するモバイル端末に関して注目すべき新たな動きがありそうだ。
《山本 敦》
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