この可能性に、一部の医療機関も注目するようになった。その1つが米国の大手医療機関であるMayo Clinicで、もともとiPadを大量導入するなど、積極的にICT利活用を推進してきた医療機関として知られている。 Mayo Clinicでは、このHealthKit(「ヘルスケア」アプリ)によって、「通院時以外を含む、患者の生活全体を把握」できるところに注目しているという。たとえば体重や活動量、睡眠の深さや質といった基礎的情報が参考情報として有効に活用していけるとしているようだ。 一方で、「民生機器で測ったデータがどれほど信頼できるのか」という指摘もある。健康機器等からスマートフォンを通じて収集したデータが、臨床上どれほど意味のあるデータとして医師が活用するのか、という点である。 この点について林氏は「量は質に勝る」という。その“質”に関しては、「それを判断する材料があればいい。つまりデータの出所である。HeallthKitは出所が分かる形でデータを取得している」と説明した。 また、HealthKitが収集する日常生活におけるデータは非常に豊富である。「心拍などのバイタルデータから、食事や運動、排泄、睡眠に至るまでその幅は広く、それらを総合的に診断の参考として活用できる」。さらに「民生機器は医療機器よりもはるかに速いペースで進化し、かつ普及する」という点で、HealthKitに蓄積されたデータをもっと有効に活用していくべきと話した。
【木暮祐一のモバイルウォッチ】第99回 これぞ、“駐車場IoT”! 駐車場検索アプリ「Smart Park」のビジネス展望とは 2016年10月20日 日頃、自動車を足代わりに使っている人には欠かせなくなりそ…