IRI所長名を冠した「藤原洋記念ホール」が慶應日吉に開設 | RBB TODAY

IRI所長名を冠した「藤原洋記念ホール」が慶應日吉に開設

 本年、創立150周年を迎える慶應義塾は、記念事業の一貫として日吉キャンパスに「協生館」を設立、また陸上競技場を一新し、25日に内覧会を開催した。

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協生館には横浜市営地下鉄グリーンラインが直結している
  • 協生館には横浜市営地下鉄グリーンラインが直結している
  • 陸上競技場から望んだ協生館
  • 挨拶する安西祐一郎塾長
  • 記者会見の出席者。左から慶應義塾常任理事の西村太良氏、慶應義塾常任理事の工藤教和氏、慶應義塾長の安西祐一郎氏、慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長の池尾恭一氏、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科委員長の狼嘉彰氏、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科委員長の稲蔭正彦氏
  • 藤原洋記念ホール。側壁に設置した可変残響カーテンにより、会議用設定に切り替えることができる
  • 藤原洋記念ホール。側壁に設置した可変残響カーテンにより、会議用設定に切り替えることができる
  • 藤原洋記念ホール。ステージ側を開放すると陸上競技場が見渡せる
  • 藤原洋記念ホール。ステージ側を開放すると陸上競技場が見渡せる
 本年、創立150周年を迎える慶應義塾は、記念事業の一貫として日吉キャンパスに「協生館」を設立、また陸上競技場を一新し、25日に内覧会を開催した。

 「協生館」は社会・地域との協生を目指して建設されたもので、建物の環境性能を格付けする「CASBEE(キャスビー) 横浜認証制度」の第1号として最高位のSランクを受けている。一方、協生館に隣接する陸上競技場は、日本陸上競技連盟第4種公認予定で、投擲(とうてき)競技対応の人工芝を採用した公認競技場として世界初となる。

 内覧会に先立ち開催された記者会見で慶應義塾長の安西祐一郎氏は、「安政5年、1858年に福澤諭吉が塾を創立してから150年の間、慶應義塾は日本の近代化に努めて参りましたが、これからはグローバルな時代の世界水準の学塾として、一方では開かれた学塾として進んでいきたい」と挨拶した。

 また、“協力して生きる力”を育む場という意味が込められた「協生館」は、「独立自尊の精神に含まれる独立し、協力して生きる力をもつ人間を育んでいくという慶應全体の構想の最大の拠点として開いた」と説明した。

 地下2階〜地上7階の9階建て、延べ床面積3万8千平方メートルの同施設は、国際会議場としても利用可能な音楽ホール「藤原洋記念ホール」のほか、3つの大学院、図書館、研修宿泊施設、インキュベーションスペース、スポーツ支援施設、プール、保育支援施設、医療施設(10月開設予定)、店舗・レストランなどから成る。

 「藤原洋記念ホール」は「協生館」のシンボル的存在で、インターネット総合研究所(IRI)藤原洋所長による創立150周年記念事業への支援に感謝して命名されたもの。第一級の音楽ホールであると同時に、新しいコンセプトの会議場としての機能も備え、約500名を収納する。400インチの大スクリーンにはハイビジョンテレビ映像の4倍におよぶ画素をリアルタイムに生成する4K(約800万画素・4,096×2,160ピクセル)モニタを装備し、国内外でも数少ないデジタルシネマの上映が可能だ。また、座席にはメモ台のほか、情報コンセントや電源が備えられ、ネットワークの利用が可能となっている。

 藤原所長は同ホール竣工にあたり、次のコメントを寄せている。

 「インターネットは、20世紀後半から21世紀にかけての第三次産業革命ともいうべきデジタル情報革命の中心を担う技術革新であります。このような先進社会の進化の源泉は、学術研究であり、その重要な役割を担うのが大学を中心とする学術研究機関です。とりわけ日本発で世界と連携したインターネット技術研究において慶應義塾の果たした功績は、多大であり、心から敬意を表したいと思います。

 特に、学問は、国家権力とは独立に真理を探究すべきですが、当時の国策では、旧制七帝大の大型計算機センターをOSI(当時のISO【国際標準化機構】で骨格を決め、CCITT【国際電気通信諮問委員会、現ITU-T】が連携する国際標準)であって、インターネットの基本であるTCP/IPとは異なる通信手順でつなぐことが決まっていました。したがって、日本のメジャーな国立大学が揃ってこの方針を採ったために、情報通信研究にとっては、インターネットは、異端児扱いをされていたほどでした。しかしながら、慶應義塾の私学としての自由度があったために、日本の危機を救ったと言えます。慶應義塾が中心となって進めた、黎明期の日本のインターネットは、古くから産学連携を重視したため、欧米からさほど遅れることなく立ち上げることができました。1987年に完成した、全米科学財団の全米の学術研究機関を相互接続したNSFNETからわずか1年遅れで、日本のWIDEプロジェクトは1988年に始まりました。今年は、そのWIDE20周年でしたが、5月20日に記念イベントがあり、産業界を代表して祝辞を述べさせていただきました。

 さて、学術研究の成果を産業に結び付けるのが企業家の役割であり、私は、インターネット技術に関わる企業家の一人として、慶應義塾への敬意の象徴として、『藤原洋記念ホール』の建設に協力させて頂くことと致しました。そして、同ホール開設を契機に、次世代を担う人々にとって、慶應義塾をはじめとする、学術研究教育機関が先導し、知的好奇心とスポーツマンシップに溢れ芸術性豊かな社会が形成されることを祈念しております」。

 なお、保育支援施設はベネッセスタイルケアの運営により、横浜市認可保育所として2009年4月に開設される予定で、慶應義塾の一貫教育(小学校・中学校・高等学校)とは関係ない。

 店舗・レストランは、すでにセントラルウェルネスクラブ、ローソン、ターリーズコーヒーがオープンしており、10月には英国風パブ「HUB」、11月にはフレンチレストラン「クイーン・アリス」がオープンする予定だ。

 ほかにも、医療施設の開設や、横浜市営地下鉄グリーンラインの直結など、慶應義塾日吉キャンパス「協生館」は開かれた学塾として、地域の方々にとっても便利な憩いの場となりそうだ。
《編集部》

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