「ひかりTV」の4Kコンテンツ拡充による会員増を狙う……NTTぷらら 板東社長 | RBB TODAY

「ひかりTV」の4Kコンテンツ拡充による会員増を狙う……NTTぷらら 板東社長

エンタープライズ 企業

NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
  • NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
  • 2015年2月に会員数300万人を達成
  • 日本最大の4Kサービスとして取り組みをさらに加速させていく
  • 4K VODの提供作品を700本に拡大していく
  • 2016年3月末までに315万会員を目標として掲げる
  • HDR(ハイダイナミックレンジ)技術による、より高画質な4K映像のデモ(写真右)も披露された
  • 記者からの質問に答える板東氏
 NTTぷららは9日、2015年度の上期事業説明会を開催し、代表取締役社長の板東浩二氏が「ひかりTV 4K」のサービスを中心とした今後の展開を語った。

 同社はNTT東/西のフレッツ光回線向けに提供する映像配信サービス「ひかりTV」にて、昨年の10月から国内初の4Kビデオ・オン・デマンドの商用サービスをスタートさせた。2015年度も4Kを中心としたコンテンツ、およびユーザーの拡大を目指す。

 ひかりTVのサービス自体は2008年3月にサービスを開始して、今年で7年を迎える。直近2月の調査では会員規模が300万人に到達。2012年から数年は年間40万人強の一定した会員増加を遂げていることから、板東氏は「IPTVのマーケット開拓に一定の成果を感じている」とコメント。近年の成長を遂げた背景にはコンテンツの拡充策に全力で注力してきたことがあると板東氏は語る。中でも4月1日からの全98チャンネルハイビジョン化が、ひかりTVならではの付加価値創出と経営の効率化にも結び付いたという。

 ただ、一方では「200万人から300万人に到達するまでに3年をかけているので、ここのところの伸び率そのものは鈍化していると言わざるを得ない。今後はNTT東西の光コラボレーションモデルを活用して会員数をどこまで伸ばせるかが鍵になる」と付け加える。その上で、2月からは光コラボに対応した「ぷらら光」との安価なセットメニューの提供をはじめた。板東氏は「光回線、インターネット、多チャンネルVODを含めて、戸建てプランの場合が5,700円、マンション向けプランで4,500円というこれまでの通常価格よりもお得な料金プランを打ち出していきたい。競合他社よりも非常に競争力あるプランだと思う」と自信をみせる。

 中核になる4K VODサービスは今年の3月末で276本まで拡大した。「ハリウッド映画を4K配信できるのは、ひかりTVだけ」と板東氏は胸を張る。4K VOD対応のチューナー内蔵テレビも、サービス開始当初はシャープのAQUOSシリーズから7機種が発売されているだけだったが、今年の3月に東芝レグザの6機種が加わり、さらに春以降はソニー、LG、パナソニックの代表機種が対応機種の一覧に名を連ねることになりそうだ。

 板東氏は今後の取り組みとして、さらに4Kサービスを加速させていくと明言する。核になる3つの取り組みとして「4K IP放送の提供開始」「4K VODの作品拡大」「4K映像制作の新しい仕組み作り」を挙げる。

 4K IP放送については、本日の記者発表会にタイミングを合わせて、今年の12月に提供を開始する方針が明らかにされた。「既にNTT東/西の光回線を使った技術検証は済んでいる。あとはコンテンツを揃えて、番組編成を決める段階だ」と、準備が着実に進んでいることを板東氏はアピールする。12月を開始時期に選んだタイミングについては、「NTTぷららが今年の12月に会社設立20周年を迎える節目の時期だから」なのだという。板東氏のコメントからは他社の追随を退けながら、リッチな4Kコンテンツサービスをいち早く整えてきた開拓者ならではの余裕がうかがえる。

 4K VODコンテンツの作品拡大については、目標のターゲットは「2016年3月末までに700本を達成」することであるという。実現すれば日本最大級のラインナップを誇るサービスになる。同社はこれまでにもテレビ東京との4K共同プロジェクトを展開してきたが、今後はさらにサービスの充実を図る。4月10日からはテレビ東京で始まるドラマの番組を、地上波での放送直後に4KでVOD配信する「4K見逃し視聴」や、バラエティ番組を地上波での放送に先行して「4K独占配信」を試みる。またNHKで7月から放送が予定されているパペットエンターテインメント「シャーロック ホームズ」の4K独占提供、見逃し視聴にも力を入れる。いずれも元の映像は4K画質でネイティブ制作されるところがポイントになる。板東氏は、今後もハリウッドの人気映画やライブショーなどの番組を充実させていく計画についても言及した。

 4Kの映像制作については、これまでテレビ局や映像プロダクションなどプロフェッショナルが時間と労力をかけて作ったものを視聴者に提供するという仕組みに頼るばかりだったが、NTTぷららではアマチュアが参加できる4Kコンテンツ制作の可能性にも注目する。「昨今ではYouTubeに代表されるように、自身で撮影した映像をインターネットにアップするアマチュアの方々も増えてきた。これに近いオープンな仕組みで4Kコンテンツが制作できる仕組みを作りたいと考えている。具体的には当社が4Kの機材メーカーと交渉して、4Kのカメラやモニターなど編集機材を借りてきて、さらに専門学校の学生などに貸出をして映像をつくってもらうような流れを検討している。現在HAL大阪・名古屋・東京の各校と具体的な話ができている。今後は個人のクリエイターや映像制作会社にも貸し出しをしながら、提供していただいた4Kコンテンツを当社で評価して、クオリティの高い作品はプラットフォームに乗せて配信するといった活動にも力を入れたい」と板東氏は説明する。本件については幾つかの実験的なプロジェクトを展開しながら、成功事例をよりスタンダードなビジネスモデルへと固めていくことになるだろうと同社関係者は説明する。コンテンツを制作するための資金調達についてはクラウドファンディングを活用する方向性も描いているようだ。

 本日の説明会では、4Kの先を行くリッチなコンテンツ制作のための新技術として、「HDR(ハイダイナミックレンジ)」対応の映像や、MPEG-4オーディオのロスレス圧縮方式である「MPEG-4 ALS」のデモンストレーションも行われた。

 記者説明会の最後に、板東氏は今年の正月に発表した事業展開に関するコメントを振り返った。板東氏は「今年は2・3・4で行きたい」と語りながら、「“2”は会社設立20周年を意味している。節目の年なので新たなかたちで色々なものごとをリスタートしていく。“3”については、300万会員を2月に達成することができた。“4”は4Kサービスの本格展開。12月にIP放送サービスを立ち上げれば、日本でも放送とVODの両方で4Kを提供できる最先端の会社になれる。今後も全力で取り組んでいきたい」と宣言した。
《山本 敦》

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