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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第72回 身の周りの空気を“可視化”するスマホ連携センサー

ようやく春が訪れ、各地で桜も開花しているようだが、同時に悩ましい問題が「花粉」や「黄砂」が大量に飛来する時期でもあるということ。筆者もこの10年ほど花粉症に悩まされており、目がかゆくなり、くしゃみや鼻水も止まらずつらい季節となる。

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airmon本体。正面上部の黒い電源ボタンを長押しして起動。側面のイラストは保護シールに印刷されているもの
  • airmon本体。正面上部の黒い電源ボタンを長押しして起動。側面のイラストは保護シールに印刷されているもの
  • airmon本体裏側。上部に計測時空気吸引部がある
  • まずは屋外で計測。青森公立大学構内にて。周囲は森で、花粉も飛び始めた
  • 屋外での計測の結果、かなりの浮遊粒子状物質があることが分かった
  • 続いて屋内(研究室の机上)で計測してみた
  • 研究室内の計測結果はPM2.5が12μg/立方メートル、PM10が5μg/立方メートルと、非常にきれいな状態であった
  • 掃除機をかけると浮遊粒子状物質が舞い上がると聞き、試しに研究室の隅から隅まで掃除機をかけてみた。気分的にはとてもきれいになった気分
  • なんと、掃除機をかけた直後、PM2.5が48μg/立方メートルへ、PM10が41μg/立方メートルへと大幅に増加。掃除機ってこんなに部屋を汚すのかと驚いた
■掃除機を掛けると室内がきれいになるはずが…

 こうした浮遊粒子状物質がどの程度の量だと危険なのかといった話はまだまだ研究途上にあり、国ごとにも基準はまちまち。ともあれ、日常生活空間における空気がどのような状態にあるのかをマメに計測し、感覚的にどの場所は空気が良いとか悪いとかを知っておくことは重要であろう。さっそく、このairmonで計測してみよう。

 まずは、屋外で計測を試みた。計測場所は筆者の勤務先である青森公立大学構内。青森ではこのところ急に気温が上がり始め、一気に花粉が飛び始めたようだ。ちなみに筆者の勤務先の環境を一言で表現すれば『森の中にあるキャンパス』なので、花粉との戦いはじつに過酷だったりする。その上、冬の間に地面を覆っていた雪が解けて無くなると、冬期間に雪と共に降り積もった大気中の粉塵が大気に舞い上がる。今日は晴天でじつに清清しい気分なのだが、airmonで計測して愕然とする。意外にもPM2.5値、PM10値とも高く、PM2.5が60μg/立方メートル、PM10が55μg/立方メートルであった。

 一方、屋内はどうであろう。筆者の研究室内で計測したところ、airmonの計測結果はPM2.5が12μg/立方メートル、PM10が5μg/立方メートルと、非常に空気が綺麗。窓など開けないほうがよさそうだ。

 ちなみに、掃除機を掛けると屋内の埃が舞ってかえって空気を汚すという話を聞いたことがある。ということで、試しに研究室内の隅から隅まで、掃除機を掛けてみた。掃除機を掛けた直後の計測値は、なんとPM2.5が48μg/立方メートル、PM10が41μg/立方メートルに大増加! 掃除機は“目に見えるごみ”は吸い取ってくれるのだが、“目に見えない浮遊粒子状物質”を舞い上げてしまうのだ。この後、何度か屋内計測を試みたが、清掃後ようやく1時間ほどでPM2.5が19μg/立方メートル、PM10が16μg/立方メートルまで減少した。減少したというより、浮遊粒子状物質が床に落ちて静止したということであろう。今後は研究室内を歩くときは忍び足で歩くことにしよう。

 こうしたスマホと連携するセンサー類が次々に登場しているが、楽しいと思うことは「これまで目に見えなかったものが見えるようになる」という感覚だろう。浮遊粒子状物質という、何となく身体に感じてはいたものの実際に目には見えなかったものが、こうしたセンサーとスマホによって“可視化”される。これがじつに面白いのだ。何より、このようなセンサーが1万円程度で入手できるというのは画期的なこと。従来、研究用に入手しようものなら、桁が1つ2つ異なってくる。もちろん、本格的な計測には精度の高さが求められるが、日常生活における「目安」程度の計測であれば、十分な製品である。

 とりあえず自分の仕事環境の浮遊粒子状物質の状況は分かったが、外出先等でも色々と計測を試みてみたくなった。果たして東京はどんな状況なのだろう。また、浮遊粒子状物質といえば、タバコの煙なども計測できる。いずれにしても、空気の澄んだ場所を探索するのに最適なグッズといえそう。
《木暮祐一》

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