初のスマホ発表も魅力が感じられない「VAIO Phone」! 3ページ目 | RBB TODAY
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初のスマホ発表も魅力が感じられない「VAIO Phone」!

IT・デジタル スマートフォン
12日に発表された「VAIO Phone」
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■様々な点で中途半端な内容に。VAIOファンを納得させることができるのか?

 また、「VAIO Phoneにしかないアプリ」というものが存在しないのも惜しい。オペレーティングシステムが最新のAndroid 5.0であることをアピールしているが、それはすぐに他社もキャッチアップできることだ。他のアプリベンダーとの連携を図ってでも、VAIO Phoneオンリーの魅力をもっと積極的に盛り込むべきだったのではないだろうか。

 ただ、この点については今後販売サイドのパートナーにより、独自のサービスがアプリ等で追加される余地は残されているようだ。記者会見のプレゼンテーションでは、VAIO Phoneで広げる新領域として「オートセットアップ機能」や「ヘルスケアスマホ」などのキーワードについても触れられていたが、これらに関して本日時点で詳細が語られることはなかった。

 日本通信によるVAIO Phone向けの通信サービスがどれほど斬新なものなのかと言えば、これも既存のSIMカード単体で販売されているプランよりも少し安価で利用できるという程度のもので、VAIO Phoneにポテンシャルユーザーを惹きつけるためのマグネットとしては弱い。ただし、VAIO専用のSIMを他のSIMロックフリー端末に挿しても使えないようにはなっているようではある。

 せっかくソニーのエンジニアリングの流れを組むVAIOの端末なのだから、例えば「ディスプレイがファブレット並みに大きくWQHD画素のスーパー高精細、日本通信の高速定額プランでネット動画三昧を楽しめるスマホ」といったストーリーがあれば、尖ったユーザーを取り込みながらVAIOブランドのプレミアム感を高めることもできたかもしれない。様々な点で中途半端な内容に止まっているのにも関わらず価格が5万円となれば、少なくとも筆者は本機を積極的に買うことはないだろう。

 先に発表されたノートPCの「VAIO Z」シリーズは、自社の安曇野工場におけるハンドメイドフィニッシュにこだわった点など、「やっぱりVAIOはひと味違う。使ってみたい」とファンを納得させるような光るものを持っていた。今回の「初めてのスマホ」で同じプレミアム戦略を活かせなかったことが、今後のVAIOブランドの成長にダメージを残すことにならないか気がかりだ。

 記者発表後に福田氏と花里氏が答えた囲み会見では、今回の協業は互いに排他的な縛りのある契約ではなく、今後VAIO株式会社が他のパートナーと組んで端末をつくることも有り得るようだ。その際にはプラットフォームとしてWinodws PhoneやFirefox OSの採用を検討したり、ギークなユーザーのマインドを刺激する先鋭的な端末の開発にもぜひチャレンジしてもらいたいと思う。これまでに「VAIO」というブランドが実現してきた革新の歴史には相応の重みがあるのだから。
《山本 敦》
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