消費者の8割、「数字」を購入の決め手に……その一方で「算出根拠」に不安・疑問の声 | RBB TODAY

消費者の8割、「数字」を購入の決め手に……その一方で「算出根拠」に不安・疑問の声

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貼り薬での“数字”
  • 貼り薬での“数字”
  • 金利での“数字”
  • 食品での“数字”
  • 数字をとくに意識する商品カテゴリ
  • 商品に関する“数字”が購入のきっかけ・決め手となることはありますか?
  • 算出されている方法を見極められる自信がありますか?
  • 信憑性や確実性を疑問・不安に思うことはありますか?
 “数字”で表記される商品情報・特長はさまざまなバリエーションがあり、商品特長を端的に提示する方法として活用されている。トレンド総研は8日、「消費者のモノの選び方」に関する意識・実態調査の結果を発表した。

■買いたくなるのは“数字”が理由?

 今回、価格表記や容量、成分含有量・濃度といった“数字”に焦点をあて、これらの“数字”がどのように購買意欲に作用しているかについて、生活者調査を行った。調査期間は6月20日~24日で、20代~60代男女500名から回答を得ている。

 まず全員に対して、「○割引き」「○%オフ」「○%増量」「有効成分○倍」などの“数字”の例をあげた上で、「商品に関する“数字”が購入のきっかけ・決め手となることはありますか?」と聞いたところ、78%と約8割の人が「ある」と回答した。

 次に、「とくに注視している“数字”」について聞いたところ、「価格(割引されているかどうか)」と「価格(正規価格)」が同率53%で最多になった。以下「容量」26%、「含有成分の量」16%がやや離れて上位となった。「“数字”を特に意識する商品カテゴリ」について聞いたところ、「飲料・食品」がもっとも多く82%、次いで「家電・デジタル製品」45%、「衛生用品(シャンプーやティッシュペーパー、洗剤など)」42%となった。「化粧品 (ファンデーションや化粧水など)」(29%)や「市販薬(飲み薬、貼り薬、塗り薬)」(23%)といった、有効成分量などが数字で表わされることが多い商品についても、約3人に1人が“数字”を気にして選んでいた。

 「“数字”を注視する理由」としては、52%と半数が「他商品と比較する際に数字が便利だから」と回答。一方で「数字が出ていると効果がありそうに感じるから」25%、「数字が出ていることで商品が魅力的に見えるから」25%とする人も多い。実際、記載された“数字”について、「算出されている方法を見極められる自信がありますか?」と聞いたところ、73%と7割の人が「自信がない」と答えており、表面的な“数値”の大小、もしくは、そのイメージだけで「なんとなく」意思決定をしている人の多いことが浮き彫りとなった。

 さらに、商品パッケージやキャッチコピーなどに含まれている“数字”に対して、「信憑性や確実性を疑問・不安に思うことはありますか?」と聞いたところ、63%が「ある」と回答している。


■本当にお得? 専門家が語る“数字のテクニック”の実例&見極め方

 マーケティング・サイエンスおよびマーケティング・リサーチの権威である朝野煕彦氏(中央大学大学院 戦略経営研究科、多摩大学大学院 客員教授)は、“数字”の見極め方について、「企業としては、商品の良さをよりよく伝えるために“数字”を使いますが、具体的に3つの例をあげると、『より大きく見せる場合』『より小さく見せる場合』『何も変わらなくても大小の見せ方を変えている場合』に分けられます」と指摘する。

 「より大きく見せる“数字 ”」としては、内容量や薬効成分の量。主たる成分の含有量が「1g」であれば、「1,000mg」と単位を変えることで、より多く見えるようにする。「これは度量衡(単位・ものさし)を変える“数字”のテクニック」だという。また○mgなど物質の量ではなく、「おいしさ○%アップ」のように、人間の感覚を指標としたものも、どういう基準で測定したのかを見極める必要があるとした。たとえば「100度のお湯は50度のお湯の2倍の熱さであるとは言えません」と、分かりやすく例え話をしている。

 「より小さく見せる“数字”」は、金利の世界で頻繁に見られる。たとえば「日歩10銭」は、100円を借りた場合、1日あたり10銭の利息が発生することを意味するが、実際には「100円だけ、1日だけ」で借りる人はまずいない。「日歩10銭」で「100万円を1年間借りる」と、利息は36.5万円になる。「元となる“数字”を小さくすることによってより少なく、安く見せることを強調している例」とのことだ。

 そして「同じ量でも大・小の見せ方を変えている“数字”」は、食品や薬のパッケージなどで活用されており、じつはもっとも日常的に目にしている例だという。「食品のカロリー計算はきちんとした算出式に基づいて算出されており、その“数字”自体を変えることはできません。ただし、たとえばスナック菓子1袋のカロリーを記載する際に、1袋100gで500kcalあったとしても、『250kcal(50gあたり)』と一定の基準量に基づいた“数字”で記載したほうが、ぱっと手にとってみた際の印象としては少なく見えます」と、具体的に説明してくれた。

 また「特定の有効成分の『濃度が2倍』と表示されている貼り薬があった場合、『濃度』というワードに注目してみてください。薬は、有効成分だけで作られているわけではありません。1枚当たりの有効成分含有量が同じでも、有効成分以外の『材料の質量』が半分になっていれば、必然的に有効成分の『濃度(割合)は2倍』になります。こうした考え方をすると、有効成分量が同じであれば、『濃度が2倍』とあったとしても効き目が2倍になるわけではなく、変わらないという事実に気付けるのではないでしょうか」と別の“マジック”も教示している。

 そのうえで、注意したいポイントとして「“数字”が描かれた背景を考える」ということをアドバイス。難しく見えてしまう“数字”だが、その“数字”が正しいのかどうか、またそれが良いのか悪いのかどうか、冷静な視点を持つことが必要なようだ。
《冨岡晶》

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