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【Mobile Asia Expo 2014 Vol.18】ドコモ開発担当者に聞く「ポータブルSIMを開発した理由」

エンタープライズ モバイルBIZ
NTTドコモ 理事 移動機開発部長の照沼和明氏(写真右)と同部 要素技術開発担当部長の村田充氏(写真左)
  • NTTドコモ 理事 移動機開発部長の照沼和明氏(写真右)と同部 要素技術開発担当部長の村田充氏(写真左)
  • 「ポータブルSIM」の試作機
  • 大勢の来場者で賑わうMobile Asia Expoのドコモブース
  • デモ用に開発されたスマートフォン。ご覧の通りSIMカードは空っぽの状態
  • NFC接触部をタッチしてペアリングを行う
  • 2人のユーザーで1台の端末を共有するデモンストレーション
  • 先に1台のポータブルSIMがペアリングされている状態で、他の1台をペアリングしようとすると切り替えを確認するメッセージが表示される。ペアリングは常時1対1の排他関係で行われ、マルチペアリングには対応していない
  • SIMカードごとに、端末で使用できるアプリや機能の制限をかけることも可能だ
 6月10日にポータブルSIMのプレス発表を行い、Mobile Asia Expoに出展して以降の反響についても、照沼氏は「非常に良い手応えを感じている」と語る。「業界関係者の方々からは、一つのSIMで複数の端末が使えるようになると、回線が減るのではないかという指摘もいただきます。ある側面から見れば確かにそうかもしれません。ドコモとしては本機を試作する上で、GSMアソシエーション(世界の移動体通信事業者や関連企業からなる業界団体)の方々と綿密なディスカッションも重ねてきましたが、当技術によってより広い視野でモバイルの発展を促したいという考え方を持っていて、この当社の姿勢に興味を持って、支持を表明いただく声も多く頂戴しています。発展的な側面の一例として、ユーザーが使う“デバイスの数”がより増えるかもしれません。また、これまでは搭載されているのに眠っていたモバイル機器のネットワーク機能が、ポータブルSIMの手軽な使い勝手に刺激されて目を覚ます可能性もあるはずです。利便性が高まれば、一人あたりのユーザーがデータを使用する量が増えることも期待できます。ビジネスモデルの作り方次第で、よりポジティブな成長方向に展開していけるはずです」と照沼氏は意気込む。

■商品化の時期はいつになるのか

 では、ポータブルSIMはいつごろ商品化されるのだろうか。照沼氏は「まだこれから検討すべき事項が幾つか残っているので、現時点では明確にお答えできません」と答える。ただ、試作機としての完成度は高いので、商品化への道のりが遠いという訳ではでは決してないと村田氏は説明を加える。つまり、試作機のお披露目を遂げたので、これからはドコモ内部でのR&Dの枠を飛び越えて、外部の意見を多く集めて、より現実の使い方に即した製品へブラッシュアップしていくステージに入ったということなのだ。まだ具体的な内容については発表されていないのだが、日本国内では7月23日に、ポータブルSIMに関連するアイデアを一般から募るためのスペシャルイベントを開催する予定もあるそうだ。

 照沼氏はポータブルSIMのグローバル展開についてもある方向性を見据えている。「ドコモの端末でしか使えないという限定的なかたちではなく、海外のキャリアの皆様にも多く採用いただいて、様々な端末どうしをワンタッチで切り替えながら使える環境を実現したいと考えています」。

 本技術のキープレーヤーとなるモデムベンダーからはポータブルSIMの提案にポジティブな反響が多く返ってきているという。今後も国内・海外でポータブルSIMが繰り出す“次の一手”に注目が集まりそうだ。
《山本 敦》
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