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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第49回 Google Glassはブレイクするのか? Part2「Google Glassの魅力は?」

IT・デジタル スマートフォン
Google Glassを装着した筆者
  • Google Glassを装着した筆者
  • 【画像1】スマートフォン上で利用していたGoogle Now。今日は確かに週末だけど、カラオケには行かないよ(笑) このような形でユーザーが次にどんな行動をするかを予見して情報を提示してくれる。
  • 【画像2】Glasswareとして用意されるGoogne Nowのイメージ(MyGlassアプリ内のGlasswareの説明に表示される内容のキャプチャ画像)
  • 【画像3】MyGlassアプリから公式なGlasswareをダウンロードできる。
  • 【画像4】インストール済みのGlasswareのON/OFFもMyGlassアプリから行う
  • 【写真1】ネジ1つでGoogle Glass本体部とフレームを取り外せる。
  • 【写真2】今後、Google Glassに取り付け可能な多様なフレームやアクセサリの登場に期待したい。
■ハードウェアの拡張性

 Google Glassの拡張性は、アプリケーションだけではない。専用ドライバーを使ってネジを1本外すだけで、フレーム自体を交換することが可能である。筆者がRBB TODAY編集部から借用中のGoogle Glassは、レンズを入れることができるメガネフレームのオプションも合わせて購入されたもの。メガネフレーム以外に、サングラスなどもオプションで用意されているようだ。交換は簡単で、Google Glassのカメラボタン近くにあるネジを外すとフレームとGoogle Glass本体を分離することができる。オプションのメガネフレームに交換するには、フレームの先端部分をGoogle Glass本体に差し込みながらはめ込み、再びネジで固定するだけ。(写真2)

 ということは、このGoogle Glassのフレーム仕様を踏襲すれば、サードパーティのメガネフレームメーカーがよりファッショナブルなフレームを企画販売することも可能である。さらに言えば、メガネフレームに留まらず、ウェアラブルすることに意味のある新たな追加デバイスをGoogle Glass用に開発することも可能であろう。たとえば常に頭部に装着するということを考えれば、脈拍や体温などを収集できるセンサー付きのフレームをヘルスケアメーカーがGlasswareと共に販売するというようなシチュエーションも考えられるだろう。(写真2)

 iPhoneの場合は、たとえば外付けのキーボードやスピーカーなどの周辺機器が充実し、ハードウェアの拡張性の面でもユーザーのニーズに沿った様々な製品がサードパーティから販売されることでiPhoneの人気に一段と拍車を掛けた。同様なことがGoogle Glassで起きるかもしれない。


■Google Glassは本当に売れるのか?

 長年にわたってモバイル業界の変遷をみてきたが、世の中を変えるようなデバイスやサービスには共通点がある。それは、一般のユーザーが違和感なく受け入れられるような「普遍的デザイン」と「使い勝手(ユーザビリティ)」である。

 携帯電話の進化の過程で、たとえばデータ通信が可能になった第2世代(2G)携帯電話では、端末上でメールやインターネット(当時はパソコン通信)を利用できるような構想が芽生え、こうした機能を搭載したモデルは1997~8年にかけて多数登場した。京セラ製データスコープや、NTTドコモのピーターパン、ディアロ、モエムDなどといった端末たちだ。発想はユニークで、機能も興味深かったが、しかしながら一般的な携帯電話の形状からはかけ離れ、一般のユーザーには受け入れられなかった。こうした反省から、1999年2月に登場したiモード端末は、「普通の形状の携帯電話端末の中に、メールやインターネット機能を搭載した」ことで大ヒットしたと言われている。

 スマートフォンも同様で、さかのぼれば2005年には全面液晶タイプのNTTドコモM1000(世界ではモトローラA1000)が発売されていたし、その後もWindows Mobile OSを搭載した数々のスマートフォンが市販された。フルキーボード付きのスライドタイプやストレートタイプなど形状のバリエーションも豊かだった。しかしながら、いずれも大きなヒットにはならなかった。理由は明白で、それらのスマートフォンはPCで利用することを無理やりモバイル端末に詰め込んだだけだったからだ。モバイル環境、すなわち移動しながら手のひらで利用するということを考えれば、PC上での操作で必要なことがすべてスマートフォンで必要とは限らず、モバイル環境で利用するからこそ機能を削ぎ落として利用目的を絞り込み、ユーザーインターフェイスもPCとは全く異なるものを考えるべきだったのである。こうした要件を満たせたのが「指1本」で操作ができてしまうiPhoneだ。2007年に筆者はいち早く米国でiPhoneを入手したが、まさにモバイル環境での利用を想定した究極のスマートフォンであると興奮した。わが国では2008年から導入され、当然のことながら大ヒットを予見していたが、それが現実のこととなった。

 Google Glassはどうだろう。じつは筆者はこれまでに多数のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に触れてきた。しかしながら、いずれもが装着していて周囲に異質感を感じさせるものばかりであった。とても日常生活で装着しっぱなしで生活しようとは思わないものばかりであった。しかし、Google Glassはそれほど周囲に異質感を感じさせないようである。試しにソウルや東京、さらには青森でGoogle Glassをかけて街中を歩いてみたが、従来のHMDにおいてはすれ違う多くの人の目線を感じたものだが、Google Glassに関してはすれ違う人たちのほとんどが気がつかずに通り過ぎていった。そういう意味でGoogle Glassは、ようやく一般のユーザーにも受け入れられるHMDとなったといえそう。前述のようにGlasswareや交換可能なフレームによる拡張性などを考えても、iPhoneが登場したときぐらいの新たなブームが巻き起こることを予感している。

 さて、次回はGoogle Glassをめぐる法的課題や、Google Glassの登場によって今後議論されていくことになりそうな情報モラルについて話題を広げて行きたい。
《木暮祐一》
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