【木暮祐一のモバイルウォッチ】第49回 Google Glassはブレイクするのか? Part2「Google Glassの魅力は?」 | RBB TODAY
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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第49回 Google Glassはブレイクするのか? Part2「Google Glassの魅力は?」

IT・デジタル スマートフォン
Google Glassを装着した筆者
  • Google Glassを装着した筆者
  • 【画像1】スマートフォン上で利用していたGoogle Now。今日は確かに週末だけど、カラオケには行かないよ(笑) このような形でユーザーが次にどんな行動をするかを予見して情報を提示してくれる。
  • 【画像2】Glasswareとして用意されるGoogne Nowのイメージ(MyGlassアプリ内のGlasswareの説明に表示される内容のキャプチャ画像)
  • 【画像3】MyGlassアプリから公式なGlasswareをダウンロードできる。
  • 【画像4】インストール済みのGlasswareのON/OFFもMyGlassアプリから行う
  • 【写真1】ネジ1つでGoogle Glass本体部とフレームを取り外せる。
  • 【写真2】今後、Google Glassに取り付け可能な多様なフレームやアクセサリの登場に期待したい。
 前回は、Google Glassがどのようなデバイスであるのか、基本機能のみご説明した。カメラが備えられ撮影できたり、それを簡単な操作でメール送信したりシェアできる。

 Googleカレンダーのスケジュールや、Gmailの内容をディスプレイを通じて歩きながらでも確認できる。Google Glass自体にマイクとスピーカー(骨伝導)があるので、音声で操作でき、音声でGoogle検索もできる。またBluetoothヘッドセット代わりにハンズフリーで通話も可能である。こうした機能に加え、今後次々に登場してくるGoogle Glass用アプリの活用で、様々な活用事例が出てくるであろう。アプリケーション面、そしてハードウェア面からその拡張性を見ていこう。

■キラーコンテンツは「Google Now」であろう

 2012年7月に発表されたAndroid 4.1から搭載された「Google Now」の登場は、じつは筆者としてはiPhoneに搭載されたSiriが登場したときぐらいのインパクトを感じていた。Google Nowは、ユーザーのGoogleアカウントに関わる情報(Gmailの内容や連絡先、カレンダー等)に加え、位置情報やGoogleの検索履歴などを元に、ユーザーが「その次」に必要であろうとする情報をスマートフォン上にカードとして表示させる機能である。スマートフォンでは「Google検索アプリ」をインストールし、このアプリを起動させればカードが次々に表示される。プライバシー問題ではたびたび議論も起きているが、その後2年ほどを経て、出てくるカードの精度が一段と正確性を高めているように感じる。(画像1)

 出張の多い筆者にとっては、たとえばその日に搭乗する飛行機のフライトスケジュールや登場口などが表示され、さらに現在地の情報から、あと何分後に出発すれば良いかも教えてくれる。しかし、わざわざGoogle検索アプリを起動させてまで使うほどのアプリケーションではなかったのだが、こうした「エージェント系アプリ」でこそ、Google Glassで活きてくるはずだ。むしろ、Google Glassのキラーコンテンツとして、Google Nowが開発され、ブラッシュアップされ続けたのだろうと納得してしまった。

 実際に、スケジュールに関わるGoogle Nowの内容が、アラームとともにGoogle Glass上に表示される。(画像2)

■アプリケーションの拡張性

 Google Glassは基本的にはスマートフォントペアリングさせて利用する「スマートフォンの周辺機器」的デバイスである。しかしながら、Google Glass自体がAndroid OSで動いており、専用のアプリケーション(=Glassware)を追加することで、Google Glassに新たな機能を追加していくことができる。

 iPhoneやAndroidスマートフォンがこれだけ普及を果たせたのは、スマートフォンというハードウェアと、そこで利用可能なアプリケーションの開発環境が提供されたことにより、多くの開発者がスマートフォンをより有用に活用できるような魅力的なアプリケーションを次々に生み出し、こうしたアプリケーションの魅力によってスマートフォンのハードウェアもますます売れていったという良循環(エコシステム)により、これだけの社会的な拡がりをみせることができた。

 Google Glassにも同様にユニークなGlasswareに支えられることで、デバイスの普及に拍車をかけることができると考える。ただし、Glasswareはスマートフォン向けアプリとは発想を変え、ユーザーがGoogle Glassを常に身に付け、移動しながらサブ情報を得ることが主となることを考慮し、用途や表示内容についてシンプルなユーザーインターフェイスが求められるであろう。Google Glassには、加速度センサーや方位センサー、照度センサーなど多数のセンサーが内蔵されており、またヒンジ部分裏側にはGlassの着脱やウィンクを検知する赤外線センサーも備えられている。Glasswareではこうしたセンサー類を有効に活用したアプリケーションの開発が期待されている。なお、GPSチップは組み込まれていないようだが、Bluetooth経由でスマートフォンと接続して利用する場合は、位置情報を活用したアプリケーションも利用できる。Google Glassこそ、位置情報を活用した情報提供系のGlasswareや、AR系サービスは大いにニーズが出てきそうだ。

 Glasswareの追加は、Googleに公式に認められたアプリに関してはスマートフォンのMyGlassアプリを通じてGoogle Glassにインストールできる(画像03)。また、インストール後のGlasswareのON/OFFもMyGlassアプリから行う(画像4)。

 一方Googleに認定されていない非公式なアプリの場合は、.apkファイルをUSBケーブル経由でGlassに接続しadbコマンドを使ってインストールする必要があり、一般のユーザーには少々敷居が高そうである。非公式Glasswareの中には、たとえば顔認識を実現させる「Name Tag」というアプリが実験レベルながら公開されており、Google Glassともマッチングの良さそうなアイデアであるものの、一方でプライバシー問題で議論も起こっている。Googleはプライバシーへの配慮から顔認識系のGlasswareは公式に認めておらず、公式Glasswareでは配布されることはなさそうだ。
《木暮祐一》
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