ディズニー、デジタル時代にフィルム撮影へこだわる最新作 | RBB TODAY
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ディズニー、デジタル時代にフィルム撮影へこだわる最新作

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『ウォルト・ディズニーの約束』 (c)2013 Disney Enterprises, Inc.
  • 『ウォルト・ディズニーの約束』 (c)2013 Disney Enterprises, Inc.
  • 「メリー・ポピンズ 50周年記念版 MovieNEX」発売日:3月5日(水)/価格:4,000円+税/(c)2014 Disney
 近年、映画製作のデジタル化が急ピッチで進行している。特にハリウッド大手においては、デジタルへ完全移行されつつあり、先日、配給会社のパラマウントは米国内でのフィルム配給停止を発表。ロサンゼルス・タイムズの報道によると、レオナルド・ディカプリ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(公開中)以後、全てデジタルで配給するとのことで、20世紀フォックス映画やディズニーも数年内に完全移行することをすでに映画館主に通知しているという。

 デジタル化の最大のメリットは言うまでもなく大幅なコスト削減。またフィルムは交換の度に撮影を中断しなければならないため、俳優の負担軽減やスケジュール短縮もメリットとされている。監督たちの反応は様々で、大ヒット作『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督は、最新技術を追求した同作から初めてデジタルで撮影。また映画への愛情が描かれた名作『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督も、昨年公開された『鑑定士と顔のない依頼人』からデジタルに移行し、長年フィルムにこだわってきたトルナトーレ監督にも「デジタル化はメリットしかない」と言わせるほど、デジタルがスタンダードとなりつつある。

 一方で、従来のフィルム撮影の美学、質感にこだわり続ける監督もいる。クリストファー・ノーラン(『ダークナイト』)や、クエンティン・タランティーノはデジタルを視野に入れていないと公言。また、来るアカデミー賞で最有力候補とも言われている『アメリカン・ハッスル』を撮ったデヴィッド・O・ラッセル監督もフィルムにこだわるひとりで、英紙The Independentによると「古風と言われても、迷信家や、ロマンティストと言われても、フィルムを愛しているんだ。フィルムには魔法、温かみがある。デジタルカメラは小型だし、早いので使うこともあるかもしれないが、僕は人間味のあるフィルムが好きだ」と語っている。

 トム・ハンクス主演の『ウォルト・ディズニーの約束』(3月21日公開)もフィルムで撮影されている。同作は、ディズニーのミュージカル映画『メリー・ポピンズ』の誕生秘話を描いた作品で、その『メリー・ポピンズ』と同じ方法で撮影したいという製作意向により、フィルムでの撮影が行われた。完全移行しつつあるハリウッド・メジャーとしては容易でない選択だが、撮影監督のジョン・シュワルツマンは「フィルムには、ある種のエレガンスがあるんだ。それは今の段階ではまだ、デジタルでは出せないものなんだよ。スケジュール的には厳しくなったけど、映画にとっては良かったと思う。とにかくシックリきたからね」と説明する。

 時代の流れとしてデジタル化は今後も加速していくだろうが、フィルムにこだわる製作者、そして映画ファンがいる限り、共存が続くだろう。
《RBB TODAY》
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