【木暮祐一のモバイルウォッチ】第27回 握力なくてもスマホが利用できるように……高校生のアイデアが「ケータイ甲子園」で優勝 | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第27回 握力なくてもスマホが利用できるように……高校生のアイデアが「ケータイ甲子園」で優勝

 ケータイのポジティブな使い方を啓発することを目的に、全国の高校生によるケータイの自主的な活用法を集め、優れた事例を表彰する全国高校生ケータイ利用コンクール『ケータイ甲子園2012』の全国大会が3月10日、大分市で開催された。

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『ケータイ甲子園2012』グランプリを受賞した、金光八尾高等学校2年生・山中霞さん(左)と、山中さんの取り組みを支援してきた同校・楠浦敦子先生。
  • 『ケータイ甲子園2012』グランプリを受賞した、金光八尾高等学校2年生・山中霞さん(左)と、山中さんの取り組みを支援してきた同校・楠浦敦子先生。
  • 金光八尾高等学校・山中霞さんが試作した、スマートフォンカバー。「共用品」という考え方に則り、健常者、障がい者、高齢者などだれでもがスマートフォンを使いやすいようなカバーを工夫した。
 ケータイのポジティブな使い方を啓発することを目的に、全国の高校生によるケータイの自主的な活用法を集め、優れた事例を表彰する全国高校生ケータイ利用コンクール『ケータイ甲子園2012』の全国大会が3月10日、大分市で開催された。主催は堀部政男氏が率いるケータイ甲子園実行委員会。また内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、全国高等学校PTA連合会などが後援している。

 第2回目となった今回のケータイ甲子園には、全国の高校から26チームの応募があり、その中から予選審査を通過した8チームが全国大会に臨んだ。各チームには質疑応答含め20分の時間が与えられ、その中でバラエティに富んだアイデアや作品等をプレゼンテーションした。

■最終決戦に臨んだ各校の取り組み

 北海道から参加した釧路湖陵高等学校のチームは演劇部に所属する2人。壇上では、無料ゲームにはまり高額課金にのめり込んでしまって身を破滅させてしまう女子高生のストーリーを寸劇で披露。破滅パターンのほかにタイムマシン的に時間をさかのぼって、自制心を働かせることで健全にスマートフォンを使うストーリも示すことで、正しいケータイの利用パターンを考えさせるものになっていた。

 大分県立別府青山高等学校の女子3人で構成されたチームは、児童のネットトラブルを子どもたちに分かりやすく理解してもらうためにシンデレラのストーリーを現代風にアレンジし、紙芝居のような語りで詐欺サイトなどの危険性を知るという内容。

 東京都から参加した自由学園男子部高等科は、寮生活の中で「自治」という考え方の元で自主的に利用を抑制する取り組みを紹介した。自由学園は「すべての生活・行事は生徒自身の自治によって運営される」という理念のもと、寮生活においても大人の舎監は置かず、生徒の自治で運営している。プレゼンテーションを行った出場者の3人は寮の中で「持ち物係」を担当しており、「お母さん的立場で、寮生のケータイ利用を監視した」という。

 奈良県立奈良朱雀高等学校情報科のチームは、災害におけるSNSや災害用伝言板サービスの活用を高齢者に広めるため、地域の老人施設等に出前授業を行い、その様子をニュース番組仕立てで紹介した。

 鳥取県立鳥取商業高等学校のチームは、インターネットトラブルは時に自分が加害者になってしまう危険性をはらんでいることに着目し、自主的に構成、演出したVTRを作成し、生徒同士で視聴することでどういったことがトラブルにつながるのかを議論した取り組みを紹介した。

 岐阜県立岐阜総合学園高等学校のチームは、全国的に交通事故が減少している中で、同校では交通事故が年々増加傾向にあり、その対策として事故が起こりやすい場所や、不審者が出没しやすい場所といった情報をその場から携帯電話で通知し、マップ上で情報共有するアイデアを披露した。

 静岡県立浜松城北工業高等学校ではオリンピック・パラリンピックに関するWebクイズを作成し、このクイズを楽しむことでオリンピック東京開催誘致のための支持率を向上させる工夫を行った。

 見事グランプリに輝いたのは、大阪府八尾市の私立金光八尾高等学校2年生の山中霞さんが取り組んだ「iFit」。身体的な特性や障害にかかわりなく、より多くの人々が共に利用しやすい製品「共用品」の考え方に則り、障がい者や高齢者でも握りやすいスマートフォンカバーの試作を行った。網目状やラバー状のスマートフォンカバーを素材にし、サイドにマジックテープを縫い付け、背面やサイドに指を入れる輪やグリップを取り付けられる工夫をしたり、拳に通すマジックテープを装着するなどして、握力が無くてもスマートフォンを利用できるようにした。障がい者支援施設の協力を得て使い心地など調査し、様々な改善を重ねていったという。山中さんは「こうした工夫で、子どもから高齢者まで、障がいのあるなしに関わらず、幅広い方々がコミュニケーションできるようにしたい」と企画の意図を説明した。

《RBB TODAY》

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