【木暮祐一のモバイルウォッチ】第25回 カメラのクラウド連携が今後の常識?! サムスン「GALAXY Camera」 | RBB TODAY
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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第25回 カメラのクラウド連携が今後の常識?! サムスン「GALAXY Camera」

IT・デジタル スマートフォン
GALAXY Camera外観。サイズの参考に手前にiPhone5を置いた。
  • GALAXY Camera外観。サイズの参考に手前にiPhone5を置いた。
  • GALAXY Camera背面は4.8型 HDディスプレイ装備。背面だけ見ると大型のスマートフォンのようだ。OSはAndroid 4.1、メーカーごとまちまちなデジカメのユーザーインターフェイスよりもAndroidのほうが、よほど多くの人が使い慣れているはず。
  • 端末底面に蓋があり、ここを開けるとバッテリーや、マイクロSDカード、マイクロSIMカードスロットがある。
  • パノラマ撮影、マクロ撮影など、応用操作が可能。
  • エキスパートモードでは、一眼レフのレンズを触るような感覚でマニュアル撮影や各種オート撮影が可能。
  • これぞ「クラウド直結カメラ」、撮影画像を2タップでDropboxへ保存できる。広角23ミリ相当で撮影。
  • 広角23ミリ相当で撮影。(ロンドン・ビックベン)
  • 光学ズームで望遠最大の480ミリ相当で、時計台部分を撮影。
 スマートフォンの普及とともに、わが国のモバイル端末やサービスのグローバル化も進んできたが、同時に海外で販売されている端末を通販サイト経由で手軽に購入し、利用できるようになったことも嬉しい限りだ。筆者は香港を拠点に置く通販サイトを愛用しているが、わが国では未発売の魅力的なSIMフリースマートフォンが手軽に購入でき、しかも数日で手元に届く。わが国でスマートフォンを購入するときのような面倒な回線契約の手続きも必要なく、端末単体で購入でき、手持ちのSIMカードを挿入すればすぐに利用が可能である。iPhoneにしてもAndroidにしても、OS自体で日本語をサポートしているので、簡単な設定変更で日本語で利用が可能である。

 そんな海外通販サイトから購入したお気に入りの一台をご紹介したい。サムスン電子製のAndroidスマートカメラ「GALAXY Camera」である。韓国メーカーは、携帯電話やスマートフォンの商品企画のアイデアが大胆だ。かつての携帯電話時代から、たとえば音楽再生に特化したミュージックプレーヤ型携帯電話だとか、どうみてもデジタルカメラにしか見えないカメラ型携帯電話などをたびたび製品化してきた。

 わが国では、携帯電話の商品企画はどうしても通信事業者が主導することになるので、あくまでも「電話」という中心機能から極端に外すような端末は発売されるケースが少なかった。スマートフォン中心のラインナップとなった現在でも、やはり大胆なアイデアが盛り込まれた端末は少ない。一方、韓国に目を向けるといわゆるスマートフォンのバリエーションはここで紹介するGALAXY Cameraのような特定機能に特化した端末はもとより、電子書籍端末や子ども用教育コンテンツを充実させたロボット型スマートデバイスなど、バリエーションは豊かだ。

 さて、本題のGALAXY Cameraの紹介に入りたい。OSはAndroid 4.1を搭載。もちろん現時点では日本では正式に発売されておらず、個人輸入品であるが、言語選択では何てことなく「日本語」が選択できてしまった。カメラ機能自体は、もう完全にデジタルカメラとして遜色ないスペックを備えている。有効画素数は1,630万画素、光学21倍ズーム、HD動画撮影機能(1,920×1,080ドット/30fps、1,280×720ドット/60fps他)など、またクアッドコアプロセッサ(クロック1.4GHz)、HDディスプレイを備え、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n、2.4GHz/5GHz)や3G通信機能(HSPA+ 850/900/1,900/2,100MHz)などなど、通話機能は非搭載だが、スマートフォンとしてのスペックは完璧。惜しむはSIMフリーながらLTE通信機能が無いことぐらいか。

 そして実際に撮影してみて、このレンズの優秀さに驚かされた。レンズの焦点距離は35ミリ換算で23~483ミリ相当、F値はF2.8~F5.9。手ブレ補正機能ももちろん内蔵されている。レンズの明るさはスペック以上に感じられ、かなり薄暗いところで鮮明な画像が撮影できる。そして光学21倍ズームも圧巻。23ミリ画角では詳細を撮影できないところも、レンズをズームさせれば鮮明に被写体をクローズアップしてくれる。近眼の筆者の場合、矯正した肉眼で見た視界よりも、GALAXY Cameraでクローズアップしたほうが遠くのものがよく見えてしまうほど。参考までに実際の撮影画像を参照頂きたい。

 これだけのスペックを備えた本格的デジカメだけに、マニュアルや各種オートでの撮影、さらにパノラマやマクロなど、様々な機能を搭載。カメラ操作のインターフェイスも工夫されており、グリップした片手で主要な操作ができるようになっているほか、マニュアル撮影などが可能な「エキスパート」画面では、一眼レフカメラのレンズ鏡筒の操作リングを彷彿とさせるような操作インターフェイスになっており、その気にさせてくれる。

 申し分なく「カメラらしいデジタルカメラ」なのだが、それでもこの端末にはGALAXYという名称が冠せられている。そのココロは、見た目はカメラのようでも“カメラ機能を重視したスマートデバイス”というコンセプトを外していないということ。つまり単体で通信ができる。WiFiだけでなく、SIMカードを挿入すれば3Gでの通信も可能(一部報道ではLTEにも対応しているというが、筆者のNTTドコモのSIMカードでは、LTEの表示が出てこない)。ではカメラに通信機能が備えられてどんなメリットがあるのか? それは、撮影した画像のストレージが「クラウドに直結する」ということ。この利便性を知ってしまうと、もう一般の“通信できない”デジカメに戻れなくなりそうだ。

 画像の記録媒体としてmicro SDスロットも備えているのだが、それ以外に撮影した画像を2タップでクラウドファイルストレージの定番サービス「Dropbox」へ保存できてしまう。感覚的に、もはやカメラがクラウドサービスに直結してしまった感じだ。画像データのアップロードはオーナーが意識しないうちにバックグラウンドで処理しておいてくれる。もういちいちSDカードをPCに差し替えたり、あるいはケーブルで接続したりしてPCに移す必要はない。オフィスに戻って、PCを開けば、GALAXY Cameraで撮影した画像ファイルがすでにフォルダの中に飛び込んでいるのである。なお、このGALAXY Cameraを購入するとオマケでDropboxのストレージ容量50GBが2年間無料で利用できる。筆者はすでにDropboxを愛用してたので、GALAXY Cameraを購入し、端末側のDropboxアプリでログインした瞬間に、ストレージ容量が自動的に50GB追加された。

 また、Googleプレイで提供されているカメラ機能を利用する各種Androidアプリの利用も可能で、他のスマートフォン同様に画像を扱うことができる。たとえばFacebookアプリを利用すれば、高品質な撮影画像をFacebookにダイレクトに投稿することも可能だ。カメラ背面のディスプレイ部は通常のスマートフォン操作と変わらないので、スマートフォンを扱うのと全く同じ感覚で各種サービスを利用可のである。

 GALAXY Cameraを持ち歩くようになって、改めて従来のデジタルカメラにおいて記録メディアや有線・無線などの各種接続でPCに画像データを移していたことが、いかに面倒なことだったのかを思い知らされた。筆者は大学でコンピュータの基礎の講義も担当していたが、パソコンに情報をインプットするいわゆる「入力デバイス」は、かつてはそこにあるPC(CPU)に対して情報を入力するものであった。しかし昨今は情報を「クラウド」にストレージし、複数のPC等で共有するような使い方が一般化し始めた。となると、情報のインプット先は、目前にあるPC等ではなく、クラウドサービスに直結させてしまったほうがどう考えても便利だ。スマートフォンの普及により、場所を問わずどこでも通信できる(しかもモバイルネットワークだけでなくWiFiを経由するなど様々な経路で)ようになった。モバイルネットワークの通信速度も、LTEの普及で大容量のデータの送受信も手軽になろうとしている。したがってデジタルデータを扱う機器ではクラウド直結というのが当たり前になるのかもしれない。これはカメラだけに限ったことではない。日本の家電メーカーはそこに気がついているのかな、とちょっと心配になってしまった。

(注)技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用は違法になる場合があります。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。
《RBB TODAY》
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