【木暮祐一のモバイルウォッチ】第18回 5インチクラスの人気デバイス「GALAXY Note」を振り返る | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第18回 5インチクラスの人気デバイス「GALAXY Note」を振り返る

 スマートフォンやタブレットの製品ラッシュの昨今、それらデバイスのサイズも多様化してきた。

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木暮祐一氏。武蔵野学院大学准教授で携帯電話研究家/博士(工学)
  • 木暮祐一氏。武蔵野学院大学准教授で携帯電話研究家/博士(工学)
  • たとえば誌面のラフも、GALAXY Noteにペンで書くと
  • 図形マッチングで綺麗に補正してくれる
  • 難しい数式も、ちゃんと認識してテキスト変換できた
  • 数式を入力すると、テキスト文字に変換してくれるだけでなく、「検索」をタップすることで関連情報も表示できる。
  • 数式を入力すると、テキスト文字に変換してくれるだけでなく、「検索」をタップすることで関連情報も表示できる。
  • 簡単な問題を書いてみた
  • 検索をすると答えを出してくれる
 スマートフォンやタブレットの製品ラッシュの昨今、それらデバイスのサイズも多様化してきた。スマートフォンとタブレットの間を埋める製品として、5インチクラスの大型スマートフォンや7インチクラスの小型タブレットなどの製品が拡充を図りつつある。本連載では前回、7インチクラスのタブレットとして登場したiPad miniを取り上げたばかりだが、こうした多様化するスマートデバイスをどう使い分けるのがよいのだろう。

 じつは筆者は5インチクラスのスマートフォンも愛用している。日常的にメールやメッセージ、SNS、通話などのコミュニケーション用途で利用するスマートフォンはなるべく小型軽量なモデルにしている。その一方で、データ通信主体と割り切り、ちょっとしたブラウジングやメモなどに役立つのが、大型のスマートフォンに分類される5インチクラスだ。このクラスならタブレットほど大きくないので、ポケットに入れていても違和感を感じない。そして必要なときにすぐに取り出せるというのが重要なのだ。タブレットは仮に7インチクラスでも鞄にしまうことになる(ポケットに入れて使われる方もいるだろうが、スーツが多い筆者はポケットに収まらないことが多い)。鞄に入れてあると、思い立ったときにすぐに取り出してメモを取るという行為が取れない。とっさに思いついたアイデアもこの「鞄をゴソゴソ」というアクションのために色褪せてしまったりする。

 そのようなわけで、とくにアイデア重視のお仕事に関わられる方にお勧めしたい5インチクラスのスマートフォンだが、その中で抜きん出て使い勝手がいいのがNTTドコモのGALAXY Note SC-05Dである。GALAXY Note II SC-02Eが発売間近になっているが、ここでは筆者自身も今年の春先に購入し愛用しているNTTドコモのGALAXY Note SC-05Dを振り返ってみたい。この端末が優れているのは、付属のSペンを取り出し、Sペンのボタンをプッシュしながらディスプレイをダブルタップすると、直ちに「Sメモ」というアプリが起動し、手書きのメモを簡単に残せること。それ以外にも、Sペンのボタンをプッシュしながら画面を長押しすると表示されていた画面がキャプチャされ、画像としてその画面画像が表示され、そこにSペンでメモを添えて保存したり、共有することができる。たとえば現在地の地図画面をキャプチャして、そこにメモを添えてメールで送るというような操作がいとも簡単にできてしまう。そのSペンによる入力は筆圧も感知してくれるので、筆圧を使った描画(たとえば筆のような使い方)も可能。

 つまり、付属のペン(スタイラス)をいかに有効に活用できるのかが工夫された優れた端末なのだが、この「ペン入力」機能によってスマートフォンの新たな用途が拡がっている。すなわち、「電子手帳」としての活用である。

 iPhoneをはじめ、従来からのスマートフォンラインアップでも、十分に電子手帳に準じるPIM(Personal Information Manager)機能は提供してくれていた。しかし、新たに「ペン」という入力手段を加えることで、電子手帳としての使い勝手は格段に向上する。合わせて、5インチというポケットに入る最大クラスのディスプレイが、こうした用途で能力を最大限に発揮してくれる。決してこの端末で通話したいとは思わないが、従来の「紙」の手帳を手放せなかったユーザーでも満足できるガジェットになり得るはず。

 さて、そのGalaxy NoteのOSが9月6日よりAndroid 4.0へアップデートファイルが公開されるようになり、遅ればせながらようやく筆者も最新OSにアップデートを行った。Android 4.0に更新することで、新たな機能の追加が行われている。主要な新機能はロック画面解除を顔認証で行う「フェイスアンロック」や、設定メニューの刷新、GmailやYouTubeの向上など色々あるのだが、中でも注目したいのが「Sノート」という新アプリの追加だ。これまでGALAXY Noteで利用できた「Sメモ」「Sメモライト」の上位版といったアプリだが、これこそまさに溢れるアイデアを手書きでメモしておきたいユーザーを最強にアシストしてくれるアプリとなりそう。

 「Sノート」は、「Sメモ」で十分に便利だった手書き入力、手書き-テキスト変換入力等のメモ機能に加え、さらに万能ノート的使い勝手を加えてくれたアプリである。無地のノートはもちろん、その他に利用シーンに応じて素材として活用できる7つのノートのテンプレートが用意され、それら素材をカスタマイズしてGALAXY Note上で表現力をふるうことができる。作成したノートは端末内に保存できるだけでなく、EvernoteやGoogle Docsに保存することも可能である。機能としても多機能なのだが、特に「図形マッチング」「数式マッチング」の機能には驚かされる。

 まず「図形マッチング」ツールは、フリーハンドで描いた円や線、多角形などを自動整形してくれる機能。Sペンで簡単な手書き操作で美しいチャートを作るのも簡単。ペンでラフに図形を書くだけで、ちゃんとPCで描いたような図やチャートに変換してくれるのである。マインドマップ的なメモを取ってみたり、論理思考を整理したりと、応用が広がる。筆者の場合、たとえば編集部に誌面レイアウトの指示をする際に、ラフを描くのに重宝しそうだ(写真)。ペンでグリグリと塗りつぶせば、塗りつぶしたところにあるラインが消せる。たとえばふたつの図形を重ねて描いて、重なる部分の線を消すなんて操作も簡単である。

 次に「数式マッチング」は、手書きで記入した数式をテキストに変換して、さらにその数式の計算結果や関連情報を表示することができる。数式はPCで表現するには非常に面倒だったのだが、GALAXY Noteを使えばいとも簡単に手書きから活字へ変換できるだけでなく、数式を入力した後、「検索」ボタンをタップすれば、Wolfram Alphaという外部サイトを利用し数式の回答やグラフの描画、さらに関連情報などを表示できる。たとえば「π=」と書いて検索すれば、「3.141592…」という円周率の計算結果が表示できる。また、1/3X+2=10という計算を書くと、別窓に文字認識された綺麗な式が表示され、検索をクリックすることで、その答えとグラフなどを表示してくれる。これは理系の学生には重宝するツールになりそうな画期的機能といえそう(写真)。

 このほか、Sノートには「説明、ミーティングメモ、フリーノート、雑誌、旅行、日記、レシピ」という7種のノートテンプレートが備えられ、これらテンプレートを活用してGALAXY Noteで洒落たドキュメントを作成することができる。テンプレート内にあるサンプル画像をタップすれば、撮影画像に差し替えることができ、そのテンプレートのデザインを活かしてドキュメントを作成が簡単にできる。手書きメッセージをうまく利用して、素敵なメッセージカードを作ってメールでプレゼントするというような使い方が考えられよう。

 GALAXY Noteはスマートフォンとしてはかなり大柄で、これをメイン端末として利用するのに抵抗を持たれる方もいるはず。筆者もこの端末はあくまでデータ通信専用の「電子手帳」としての役割を果たしてもらっている。今後はニーズに合わせて複数の端末を活用することが一般化していきそう。様々なスマートデバイスの組み合わせが考えられるが、筆者は音声通話用のシンプルで軽量な携帯電話端末と、通話以外の機能で利用するためのスマートデバイス(時にはスマートフォンであったり、タブレットであったり、シチュエーションで使い分けるべし)という2台持ちがベストと感じるこの頃である。通話用メイン端末がスマートフォンで、サブのデータ通信用がタブレットでも良いかもしれない。利用する機能を2台の端末に分散させることで電池の消耗も分散させ、1日持たせることが可能になる。TPOに合わせて複数の端末を使い分けるようなことも、各種サービスのクラウド化が進んだおかげでデータの同期が簡単になり不便が無くなった。

 こうした2台(以上)持ちの活用の中で、GALAXY Noteは、スマートフォンを利用しながらも「紙の手帳」を手放せなかった方に強くお勧めしたい1台である。おそらく「紙の手帳」にこだわる必要があった要素のほとんどが、GALAXY Note付属のSペンとその関連機能でまかなえているはずだからだ。とくに今回のOSアップデートでは、一層のことSペン関連機能が強化されている。筆者は春から使ってきた初代のGALAXY Note(SC-05D)のOSをアップデートして今回の新機能を活用してみたが、OSのアップデートによる不具合はとくに感じることが無かった。ただ、高機能なアプリだけにちょっと動作が鈍く感じる一面もあった。しかし、NTTドコモではさらに高性能なGALAXY Note II(SC-02E、11月16日発売)もまもなく登場する。こちらのモデルならばさらに快適にSノートをはじめとする、GALAXY Note関連機能を利用できるはずだ。
《RBB TODAY》

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