学生が留学しやすい環境を作る……文科相 | RBB TODAY

学生が留学しやすい環境を作る……文科相

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国際バカロレア機構(英語)
  • 国際バカロレア機構(英語)
  • 文部科学省、国際バカロレアについて
 6月19日に行われた記者会見で平野博文部科学相は、海外の大学入学資格として世界的に展開されている「国際バカロレア(IB)」の日本語対応を推進すると発表した。グローバル人材育成の一環として、国内の学生に留学しやすい環境を作ることがねらいだ。

 IBは、スイスに本部をおく国際バカロレア機構が扱う国際的教育プログラム。「異文化への理解と尊重を通じ、より良い世界や平和な世界を築くため、思いやりや知性、探究心を備えた若者を育てる」ことを目的とし、世界のどの国でも通用するカリキュラムの開発や提供を行っている。初等教育、前期中等教育、後期中等教育の3課程があり、高校2〜3年生にあたる後期中等教育課程(DP)が大学への入学資格に必要なプログラムとなる。

 DPは、同機構が定めた教育課程を履修し、世界で統一して行われる修了試験で一定以上の成績を収めた学生に入学資格を提供している。そのため、認定校として認められた学校にのみ資格の提供を行っており、2012年3月現在では141か国の約3,370校が認可されている。日本国内でもインターナショナルスクールを中心に23校が認定を受けており、そのうち16校が大学入学資格に当たるDPの提供を認められている。

 DPを入学資格として認める大学は欧米の一流大学を始め、日本の多くの大学でも帰国子女特別選抜枠での入学資格として募集要綱に明記されている。文科省によると、2010年には国内の395大学、1,117学部で帰国子女特別選抜が実施され、5,838名の志願者のうち2,195名が合格した。

 国内のグローバル人材育成において注目されている大学留学を推進するに当たり、DPによる入学資格取得は大切な窓口だ。その一方で、DPは試験、授業ともに英語、フランス語、スペイン語のいずれかで行われることが基本とされており、インターナショナルスクール以外での展開は難しかった。そこで文科省は、授業や試験の一部を日本語にも対応するよう国際バカロレア機構に促しているという。

 また、平野博文部科学相は、IB資格が取得可能な国内の認定校数を現在の23校から5年以内に200校に増やすとも言及。現行の国内カリキュラムとの互換性など、問題点は多いが、具体的な内容は担当者を決めたうえで対応していくという。

 インターナショナルスクール以外でもDPによる入学資格が取得可能になれば、海外の大学を進学先として検討する高校生も増えていくだろう。その一方で、帰国子女特別選抜枠だけでなく、大学が通常入試においてもDPを認めなければ、国内の高校生はDP取得か国内大学受験の2択を迫られることになる。また、今回の案は、国際バカロレア機構が日本語対応を認めることが鍵となっていることに加え、政府、高校、大学すべての足並みが揃わないことには実現は困難だろう。大学、高校側の反応や、政府と国際バカロレア機構の今後の展開に注目したい。

文科省、海外の大学入学資格「国際バカロレア」の日本語対応を推進

《湯浅 大資》

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