インターネット産業のGDP貢献額は約42兆円、国内産業で第4位…NRI・Google共同調査 | RBB TODAY
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インターネット産業のGDP貢献額は約42兆円、国内産業で第4位…NRI・Google共同調査

エンタープライズ その他
インターネットの経済活動への貢献は、喚起している消費という観点でも捉えることができる
  • インターネットの経済活動への貢献は、喚起している消費という観点でも捉えることができる
  • 日本のインターネットGDP(インターネット産業のGDP)は、約20兆円で、日本のGDPの3.7%を占める。
  • 産業別に見ると輸送用機械製造業を超える規模に相当する。
  • 成長性という観点でも、インターネット産業の貢献は大きい。
  • インターネットで情報収集をし、店頭などで購入する消費をインターネットによって喚起される消費として試算した。
  • Eコマース以外にも、店舗消費の19%に相当する21.8兆円もの消費にインターネットが関与している。
  • 広義のインターネットGDPと他の産業との規模の比較
  • Eコマース実施率と一人あたりGDPの成長率にも高い相関関係がある。インターネットの 活用が、地域経済の生産性の向上に貢献している。
 野村総合研究所(NRI)とGoogleは19日都内で記者会見を開き、「インターネットの日本経済への貢献」に関する調査結果を発表した。


■インターネット産業の過去5年成長率は8%、42兆円規模にまで拡大

 この調査では、消費者向けEコマースやインターネット接続機器、プロバイダ・通信キャリアなどのサービス購入費、また通信事業者や政府による投資支出、そしてIT関連製品の純輸出額から、日本における「(狭義の)インターネット産業のGDPへの直接貢献額」を試算した。その結果、日本のインターネットGDPはおよそ19.8兆円だった。

 20兆円という規模は、GDP全体で3.7%を占める値で、輸送用機械製造業(自動車産業)の2.7%を上回り、運輸業に次ぐ数字。またGDPの年平均成長率を見ても2005年から10年まで7.9%という高水準で、これに匹敵する成長率を達成している産業は国内には存在しないという。

 うえで述べたインターネット産業のGDPへの貢献では、インターネットで情報収集をして店頭で購入するという消費行動による貢献額は含まれていない。そこで今回の調査ではインターネットが影響を与えている消費規模も合わせて試算。それによると、110兆円あまりの消費支出規模のなかで、ネットによる情報収集が消費に影響を与えたものはおよそ21.8兆円と試算された。

 インターネットへの直接的な消費・投資とインターネットによる情報収集がもたらした消費を足し込んだ「広義の」インターネット産業のGDPの規模は41.6兆円の規模となり、サービス、不動産、卸売・小売に次ぐ第4位の産業となることが明らかになった。


■4年後の2015年にはGDPプラス5兆円、インフラ主体からサービス利活用へ

 また、今後のインターネット産業の成長予測では、これまで中心を占めていたインフラ(ブロードバンド回線・モバイルキャリア)のGDP成長率は4%と低成長のフェーズに入るが、BtoCのEC、音楽配信、VOD、さらにデータセンター/SaaSといったサービス利活用分野では10%を超える成長が今後5年間は続いていくと推測。インターネット産業全体を見ても、2015年度には(狭義の)インターネットGDPは25兆円を超える規模にまで成長すると予測している。

 今回の市場予測調査では、日本国内に居住するインターネットユーザー(15〜69歳)の登録モニター6万人から人口分布に合わせてサンプルを割り付け、2069名に調査。このほか業界関係者へのヒヤリングをもとにNRIが推計した。また、GDP予測についてはNRIによる予測値を利用している。

 調査の発表に先だって挨拶をしたGoogle(日本法人)の代表取締役社長、有馬誠氏は、「インターネットはモバイルも含めて世界の46億人が利用している。この業界に携わる者として、インターネットこそが日本経済の推進力になって欲しいという願いがあるが、それを裏付けるものがない。今回野村総研の協力を得て、インターネットが日本経済にどれだけ貢献しているのか、できるだけ定量的に出すような研究していただいた」とコメントした。

 野村総研の常務執行役員の此本臣吾氏も挨拶で、近年実施した生活者調査では、収入が減っているにも関わらず生活のレベルが向上しているという意識があることが明らかになったと説明。その理由について「ITの利活用により、収入は減っているが自分たちの生活が向上していると感じている方が増えている」と分析し、「インターネットの利活用が、ここに来て生活の質の向上に結果が結びついている。このような背景があって、定量的に(インターネットがおよぼす)経済への貢献を調べてみようということになった」と調査背景を説明した。

《北島友和》
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