【テクニカルレポート】クラウドの基盤を作る4つの要素(前編)……Tech OnTap | RBB TODAY
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【テクニカルレポート】クラウドの基盤を作る4つの要素(前編)……Tech OnTap

ブロードバンド テクノロジー
図1)クラウドサービスの提供を促進するセルフサービスのストレージカタログ
  • 図1)クラウドサービスの提供を促進するセルフサービスのストレージカタログ
  • 表1)プライベートクラウドを構成する4つの基本要素
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 先頃クラウド向け製品を発表したことに伴い、ネットアップは、クラウドの導入促進に重点的に取り組んでいます。

 業界をリードする多くの企業が、ネットアップのストレージ・ソリューションを基盤として、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドを実現しています。ネットアップは、その経験を基に、共有仮想ITインフラからプライベートクラウドへ移行する際に企業がITに組み込む必要がある、次の4大要素を特定しました。

 ネットアップでは、各要素について詳しく説明したホワイト・ペーパー・シリーズを公開しています(サイドバーを参照)。このシリーズでは、ポリシーベースでサービスを効率化するNetApp管理ソフトウェアや、多くの高度なStorage Efficiency機能について検証しています。また、サードパーティまたはカスタム・オーケストレーション・ソリューションとの統合を実現するネットアップのAPIについても説明しています。APIを使用して統合することにより、サービス提供機能の一部として、包括的にストレージを管理できるようになります。

 今月号のTech OnTapに掲載しているもう1つの記事では、NetApp OnCommand管理ポートフォリオについて、特にOnCommand 5.0ユニファイドマネージャを中心に説明しています。NetApp OnCommandの管理機能は、ネットアップのシステム上にクラウドを導入する際に、中核的な役割を果たします。

 この記事では、4つの基本要素について、要素ごとに概要を説明します。各要素は一部重なり合っていることにご留意ください。たとえば、自動化は行わずにストレージカタログを設計、導入することもできれば、ストレージカタログの導入と自動化を同時に行うこともできます。

 サービスカタログは、ITインフラのすべての構成要素(サーバ、ネットワーク、ストレージ)を統合し、エンドツーエンドのビジネスサービスの迅速な導入を実現します。抽象化(上位のサービス要求によって、実際の処理を実行する下位のコマンドがマスキングされる)によって簡易化が実現されるため、エンドユーザは容易にサービスを利用できるようになります。またIT部門は、標準化したサービスを実装できるため、管理をシンプルに行えるようになります。サービスカタログは、自動化やセルフサービスを推進するにあたって、欠かすことのできない前提条件でもあります。

 ストレージ・サービス・カタログを定義することは、ITサービスを提供するにあたって重要な最初の一歩です。サービス・カタログ・アプローチを採り入れ、定義済みのSLAと整合のとれたリソースプールを使用することで、次のようなメリットがもたらされます。


 ストレージ・サービス・カタログを計画する際には、次に挙げる設計上のポイントを考慮することが重要です。

・ストレージのプロビジョニング方法:ディスクの種類、RAIDレベル、アクセス方法(NASまたはSAN)、ハイアベイラビリティ構成の必要性の有無など
・システム停止時のストレージの対応方法:サービスレベルごとにRecovery Time Objective(RTO; 目標復旧時間)とRecovery Point Objective(RPO; 目標復旧時点)を検討し、明確に定義することが必要
・ストレージのバックアップ方法:頻度、バックアップ先、データの保持期間など
表2に、一般的なストレージ・サービス・カタログの例を示します。

 ネットアップは、ボリュームの仮想化およびシンプロビジョニング機能、冗長データの重複排除機能、スペース効率に優れたSnapshotベースのバックアップ、クローニング、レプリケーション機能など、ストレージ効率を向上させる多数のテクノロジを提供しています。こうした効率化テクノロジをストレージ・サービス・カタログに組み込むと、ストレージがプロビジョニングされるごとに適切な設定が適用されるため、プライベートクラウド全体の効率が著しく改善します。

 NetApp OnCommandを利用すると、ネットアップのStorage Efficiency機能をプロビジョニング・プロセスに統合するストレージ・サービス・カタログを簡単に定義し、使用することができます。また、NetApp Manageability SDKやネットアップのオープンAPIを使用すると、インフラの進化に合わせて、ストレージ・サービス・カタログをサードパーティ製または自社開発のセルフサービスポータルに統合できます。

●著者紹介

Richard Jooss
ディレクター兼SAN/iSCSIアーキテクト
NetApp

Richard Joossは、NetAppでSANプロダクト/パートナー・エンジニアリングのシニアマネージャーを務めています。SANエコシステム、SANストレージの技術要件とビジネス要件の定義を担当し、ビジネスソリューションとNetApp SANソリューションとの統合にも携わっています。ストレージ業界で15年の経験を積んでおり、 ウィスコンシン大学で電気/コンピュータ工学の理学士号を取得しています。

※同記事はネットアップ(NetApp)の発行する「Tech OnTap」の転載記事である
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