・サードパーティ製ディスクからNetAppディスクへのデータの移行。 サードパーティベンダーのディスクアレイのフロントエンドとしてNetApp Vシリーズシステムが稼働している場合、DataMotion for Volumesを使用して、そのアレイからNetAppディスクシェルフへデータを移行できます
上記のすべての利用方法にお客様から大きな関心が寄せられていますが、特にメディアの種類を変更できる機能が求められる場面で期待が大きいようです。業界がFCからSASへと移行している中、DataMotion for Volumesを利用すれば、古いメディアの使用を比較的少ない負担で、タイミングよく止めることができます。
いくつかのベストプラクティスに注意を払うことで、DataMotion for Volumesを円滑に運用できます。
・DataMotion for Volumesによる移行は、一度に1処理しか実行できません
・DataMotion for Volumesの実行中は、移行元ボリュームでvol renameを実行したり、ボリュームやLUNの属性設定を変更したりしないでください
・DataMotion for Volumesの処理が完了するまでは、競合する処理を開始しないでください。プロセスがカットオーバーフェーズに入っていないときに何らかの処理が開始されると、DataMotion for Volumesは中止処理を開始します。また、ステータスがカットオーバーの場合、DataMotion for Volumesではストレージ管理者の操作が一切受け付けられません
・DataMotion for Volumesでは、フィンガープリント・データベースが移行されません。また、重複排除されたFlexVolのログも変更されません。DataMotion for Volumesのプロセスが完了したら、sis start -sを実行して、移行先でフィンガープリント・データベースを再構築する必要があります
・圧縮されたボリュームは移行できません DataMotion for VolumesをOracleデータベースやMicrosoft Exchangeに使用する場合のベストプラクティスについては、TR-3881(英語)を参照してください。
■まとめ
DataMotion for Volumesは、IT運用の柔軟性を高めることができる、強力なデータ管理ツールです。これまでは、システムを停止しないとボリュームを移行できなかったため、前もって慎重に停止時間を計画する必要がありましたが、DataMotion for Volumesを使用すれば、負荷分散、容量分散、メディアの種類の変更といった目的を達成する必要がある場合、いつでもボリュームを移行できます。DataMotion for Volumesの詳細については、TR-3873(英語)とTR-3881(英語)を参照してください。
●著者紹介
Richard Jooss ディレクター兼SAN/iSCSIアーキテクト NetApp
Richard Joossは、NetAppでSANプロダクト/パートナー・エンジニアリングのシニアマネージャーを務めています。SANエコシステム、SANストレージの技術要件とビジネス要件の定義を担当し、ビジネスソリューションとNetApp SANソリューションとの統合にも携わっています。ストレージ業界で15年の経験を積んでおり、 ウィスコンシン大学で電気/コンピュータ工学の理学士号を取得しています。