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NICT、毎秒40ギガビット無線伝送実験に成功……最新無線LANの130倍

ブロードバンド テクノロジー
光・ミリ波信号生成部
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  • 周波数帯ごとの電波の利用イメージ
  • 世界最高速無線実験の概要
  • 高速性と高精度性の両立により、伝送速度を高速化
 情報通信研究機構(NICT)は18日、大阪大学と共同で、電波による世界最高速である毎秒40ギガビットの無線伝送実験に成功したことを公表した。この速度は、これまでの伝送実験最高記録である毎秒27ギガビットを大きく超えるものとなる。

 毎秒40ギガビットの伝送速度は、最新の無線LAN(IEEE 802.11n、毎秒0.3ギガビット程度)の約130倍もの速さになる。たとえば容量32ギガバイトのメモリ転送について、無線LANなら14分以上かかるものが、わずか6秒程度で行えることとなる。また、スーパーハイビジョン映像の非圧縮伝送も可能な速度といえる。

 高速無線伝送においては、携帯電話や無線LANなどで混雑する「マイクロ波帯」を避け、新たな周波数帯域での技術の開発が必要とされていた。今回、NICTは、高速伝送には適しているものの、発生させることが難しい「ミリ波帯」(30ギガヘルツから300ギガヘルツの周波数帯)の電波を利用し、毎秒40ギガビットの世界最高速度の無線伝送実験に成功した。実験では、NICTがこれまでに開発した「光によるミリ波発生装置」「高速高精度16値光変調器」と、新たに開発された「光・ミリ波変換器」、阪大の開発した「デジタル信号処理技術」が利用された。光ファイバ通信向けの複雑な信号発生技術を、逆に無線技術に適用し、高速性と高精度性の両立により、伝送速度の高速化を実現したという。

 今後、産学官連携を通して、さらなる伝送容量・距離の拡大を目指した研究開発を進めていく予定。また、スイス・ジュネーブで9月に開催される「光通信国際会議」(ECOC2011)において、本実験結果が発表されるとのこと。
《RBB TODAY》
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