【レビュー】連続9時間、URoad-8000の実力はAterm WM3500Rを越えたか? | RBB TODAY

【レビュー】連続9時間、URoad-8000の実力はAterm WM3500Rを越えたか?

 5月27日に発売になったシンセイコーポレーションのモバイルWiMAXルータ「URoad-8000」。特徴はバッテリーでの連続動作がカタログスペックで9時間を誇ることだ。

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本体側面。ストラップ用の穴もある
  • 本体側面。ストラップ用の穴もある
  • 本体インジケータ。右端がWiMAXの受信状態。色で3段階を表現する
  • バッテリーの取り外し
  • カバーを外したところ
  • 本体背面。型番などの表示
  • 本体側面。USBコネクタ。充電もこのコネクタを利用する
  • 本体上面。押しやすいスイッチ
  • コンパクトなためテーブルでも邪魔にならない
 5月27日に発売になったシンセイコーポレーションのモバイルWiMAXルータ「URoad-8000」。特徴はバッテリーでの連続動作がカタログスペックで9時間を誇ることだ。これまでバッテリーの動作時間についての性能は、Aterm WM3500Rの8時間が最高だったのだが、URoad-8000はそれを1時間超えてきたことになる。

 今回は、このURoad-8000を評価する機会に恵まれたので、実際のバッテリーの消耗の具合、業務での使い勝手や性能についてレビューしてみたい。じつは、筆者はすでに個人的にAterm WM3500Rを利用している。可能な範囲で両者の違いなどもコメントしていこうと思う。

●外観は厚みがあるがコンパクト

 Aterm WM3500Rに比べると、本体はURoad-8000のほうがコンパクトだが厚みがある。おそらく、バッテリー性能を追求した結果、薄型で本体を大きくするよりこのデザインを選んだのだろう。厚みは、URoad-8000が20.4mmに対してAterm WM3500R(以下Aterm)は14.8mmである。どちらもポケットには問題なく収まるし、喫茶店のテーブルなどにPCといっしょに置いても邪魔になることはない。テーブルが狭い場合、より本体の小さいURoad-8000のほうが有利だが、厚みのあるURoad-8000は胸のポケットに入れると、Atermよりは落ちやすい。

 ファイアウォール、DHCP、ゲーム機接続、管理画面など無線ルータとしての機能的な部分は両者とも大きな違いはない。性能表を見比べて異なるのは、対応しているWi-Fiの規格くらいだ。AtermはPCとのWi-Fi接続について802.11nに対応しているが、URoad-8000は現状で11b/gの対応で、ファームのアップデートで11nに対応予定となっている。

 このスペックだけみるとURoad-8000はWi-Fiが遅いのか、と思いがちだが、実際の利用場面ではWi-Fiの規格スピードがボトルネックになることはない。WiMAXの仕様上のスピードは40Mbpsで、802.11gは54Mbpsである。802.11nは5GHz帯(11gは2.4GHz)を利用しMIMOにより600Mbpsに対応するが、現状で、11gも11nもWiMAXの40Mbpsより速い。

 実際、WiMAXの平均的な実効速度は都心であっても数~十数Mbpsだろう。筆者の今回の最高速度は13Mbps前後(「RBB スピード計測」調べ)だった。11nのメリットがあるとすれば、ゲーム機やPCなどを何台も同時接続するようなシチュエーションではないだろうか。

●電源スイッチの設計は評価したい

 URoad-8000で評価したいのは、電源スイッチだ。写真をみてわかるようにURoad-8000の電源スイッチは、本体上面の分かりやすいところに丸型の大きいボタンが設置されている。長押しでON/OFFとなるのだが、操作性がとてもよい。Atermの電源スイッチは本体側面に設置されており、指の腹では長押しがしにくい。 電源スイッチに節電モードがない思い切りのよい設計もじつは便利な点がある。Atermは接続したまま一定時間アクセスがないと本体の電源が切れる設定がある。電源の切り忘れにはとても有効な機能だが、使おうと思ったときにAtermの起動をやりなおさないといけないことになり、状況によってはこの節電モードがうらめしいときがある。連続で9時間動作できるから、切り忘れについてはあまり気にするな、という設計者のメッセージが込められているようで、納得させられる。

●やはり有線接続の手段はほしい

 URoad-8000にはクレードルの設定がないが、個人的にはクレードルは必要だと思っている。厳密にはクレードルというより、有線接続が可能かということだが、Atermのクレードル(別売)は、本体の充電ホルダーになるだけでなく、LANケーブルでPCとつなぐことができるのだ。有線接続は、デスクトップPCなどWi-Fi内蔵でないPCとの接続には欠かせない。

 じつは、筆者は自宅の改装で仮住まいになったとき、そこのネット環境をWiMAXで済ませた。工事の手配や手続き、立会など短期の仮住まいで面倒なことはしたくなかったが、WiMAXなら窓辺にルータを置いておくだけだ。このときクレードルに有線接続が可能だと、スイッチングハブを介して、デスクトップPCやNAS、プリンタなど自宅LAN環境をほとんどそのまま再現できた。WiMAXモバイルルータは小型ながら、DHCPやファイアウォール、Wi-Fiなどの機能を一式備えているので、普通のWi-Fi対応のブロードバンドルータとしても問題なく利用できる。

 URoad-8000もブロードバンドルータとしての機能はすべて備えているので、ぜひクレードル(有線接続)もほしいところだ。

●フィールドでの性能調査

 モバイルルータとしての機能については、実際の取材、リモートでの原稿執筆、打ち合わせに持ち出してみて、その評価を行った。取材先・移動先は、お台場の東京ファッションタウン、幕張メッセ、三軒茶屋、そして袖ヶ浦市(屋外取材)だ。袖ヶ浦は屋外だったためにつながることはつながったが、受信レベルを示すアンテナ表示は3段階表示の最低レベルでの接続だったが、そのほかの場所では2段階以上の受信レベルで接続できていた。

 それぞれの場所で、RBB TODAYの「スピード計測」も行い、計測画面のスナップショットをとっておいたので、集計表と合わせて確認してほしい。都内ならビルの中でも窓が見える場所や高層階でなければ、数Mbps(下り)は確保されていた。

 なお、同じ場所で個人所有のAtermでも接続してみたが、接続の可否、受信レベル(両者3段階表示)共に違いはなかった。スピード計測についても大きな差はなかった。スピード計測は計測タイミングによってどちらが速いかは変わっていたので、接続の性能差はほとんどないようだ。

 WiMAXの良い点は、上りの帯域があることだ。上りが1Mbpsくらい確保されていると1000メガピクセルオーダーのデジカメ画像(jpg)のメール送信やDropbox等へのアップロードが外出先でストレスなく可能な点だろう。実際、取材した講演会での100枚近くのデジカメ画像をその場でDropboxへアップしたのだが、原稿執筆しながら20分ほどですべてが問題なくアップされた。20分は短くはないが、2、3時間ほど執筆作業などをしていたので、待ち時間やロスはない。

●バッテリーの性能は?

 バッテリーの消耗についてみてみよう。レビュー期間の移動先の順序は、東京ファッションタウン(TFT)、袖ヶ浦、三軒茶屋、幕張メッセだった。この間充電は幕張メッセの取材の前だけで問題なく使えた。TFTでは、午前中に講演会を取材し、そのあと西館2Fの吹き抜けのあるフードコートのテーブルで3時間ほど原稿執筆を行った。ブラウジング、原稿ファイルやデジカメ画像のアップロードなどが主な作業だ。

 連続9時間動作を謳う製品なので、3時間程度の接続ではまったく問題なかった。バッテリーの消耗を示すインジケータもグリーンのままである。

 袖ヶ浦では屋外取材したあと、やはり3時間ほどの執筆を行った。数日前に3時間ほど連続動作させたまま電源OFFで鞄の中に放置してあった状態だが、場所による電波の弱さ以外は、気にならなかった。

 利用3回目の三軒茶屋は、1時間ほどの打ち合わせと2時間ほどのリモート作業だ。おもにメールチェックやブラウジングを行った。この日の使用で、本体のバッテリーインジケータがグリーンからオレンジに変わったので、次の幕張メッセの取材の前に充電を行った。

 自宅でフル充電したあとは、幕張メッセでのイベント取材だ。午前10時すぎにプレスルームでまず、ノートPCを立ち上げメールチェックなど行う。このとき電源をONにしたが、その後、ブースやセミナーの取材をしながら、間の時間に記事を執筆したりしていた。その間、電源はONのままだったが、午後5時の撤収までおよそ7時間、バッテリーの消耗を意識することなく作業できていた。9時間連続動作は、おそらく実際の稼働時間でも十分クリアできると時間だと思った。

●余裕のあるバッテリーは細かい便利にも貢献

 最後に、便利だと思った機能をひとつ紹介したいと思う。Atermは接続中でも、バッテリー状態やWi-Fiのアクセスランプ、WiMAXの受信状態などの本体インジケータが自動的に消えてしまう。バッテリー消費を押さえるため合理的な措置だが、URoad-8000は余裕のあるバッテリーのおかげか、インジケータを常時点灯させている。WiMAXの受信状態は場所によっては、移動しなくても変動するときがあるが、そういったモニタがしやすいのは便利である。

 なお、URoad-8000について、発熱を意識することはなかった。使ったあと、手に持っても「熱くなっている」という感覚はなく、むしろノートPCのバッテリーのほうが熱かった。
《RBB TODAY》

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