将来的にはスマートフォンでも提携?……NECとレノボ合弁会社設立会見の一問一答 | RBB TODAY
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将来的にはスマートフォンでも提携?……NECとレノボ合弁会社設立会見の一問一答

エンタープライズ 企業
質疑応答風景
  • 質疑応答風景
  • NECの代表取締役執行役員社長・遠藤信博氏
  • レノボグループ CEO ユアンチン・ヤン氏
 NECとレノボは27日、PC事業における合弁会社設立にあたり都内で記者会見を行った。同会見では、両社にとって提携が意味するところや、経営への影響などについて質問が集まった。以下はその一問一答。

――NECのPC事業はレノボに事実上経営権を譲渡するということか?

遠藤氏:合弁会社の出資比率がレノボが51%でNECが49%ということなので、イコールパートナーシップだと考えてほしい。そのためNECのブランド名をそのまま残し、NECの製品のシリーズも残す。今回の連携は、お互いの良いところを最大限に活かして、市場に最高の製品を出すという点が重要。

――将来的にレノボの比率が100%になるなど、スキームが変わる事はあるのか?

遠藤氏:そういう話は一切ない。我々の最大の目的は、両社のシナジーを最大に活かしてマーケットに貢献するということ。今後も提携をベースに色々な協業の可能性を模索していきたい。

――将来的にはスマートフォンも提携の範囲になってくるのか?

ヤン氏:両社は今後協業すべきたくさんの分野があるので、それも可能性の一つ。今回の発表は提携の最初のステップということ。

――この提携を持ちかけたのはどちらから?

遠藤氏:このPC事業は強いマーケットポテンシャルを築きあげるということが重要で、どちらからということではなく、自然に話が持ち上がったという風に考えてほしい。

――NECにとってPC事業は象徴的な分野だが、単独で維持しないということはある意味でブランドイメージを傷つける可能性はないのか?

遠藤氏:大変失礼だがある意味、的を得ていない質問だと思う。なぜかというとNECなどのサプライヤーが一番注意しなくてはいけない点は、お客様にどういう風に貢献するかということ。残念ながら、NECは日本市場に特化した形でビジネスをしてきたが、PCの価格やボリュームは日本市場のお客様に対して十分な貢献ができるボリュームではなく、我々が一人でやっていくためには、さらに大きな投資が必要であろうと考えた。そのために早いうちに良いパートナーを見つけて、市場へ貢献していこうというのが我々の考えだった。その中で今回レノボさんと提携に至ったということで、スケールメリットの追求や、海外展開に新たな道が開けるわけで、今回の戦略的提携は非常に意味が深いと思っている。

――ヤン氏への質問だが、NECと組むことの最大のメリットは何だと思っているか?

ヤン氏:今回の提携により世界で第3位のPC市場である日本で最大のPC事業グループとなることができる。No1というのはいつも特別だ。またスケールメリットは非常に重要であり、我々はこれにより日本市場にて有利となるだろう。

――NECの中長期計画では、海外の売上高の割合が25%というのが至上命題だが、今回の提携によって、日本企業の現地法人だけでなく、中国の市場でPCを売っていく考えはあるのか?

遠藤氏:現在の提携は日本市場に対する提携で、グローバルに関しては、日本企業の現地法人に売っていくということ以外は明確化されていない。しかし両社の力が中国の市場にとって意味があるものであれば、レノボさんと話をしてその可能性を探るというのが、今回提携の一つのエンハンスメント。可能性としては色々と我々の中にある。

――今回NECパーソナルプロダクツのPC事業のみが合弁会社の下に入るということだが、他の事業部の中で、事業編成をしてNEC本体に吸収される事業部や製品はあるのか?

遠藤氏:その他の事業に関してはNEC側に残る。その編成については現状考えていないが最適な配置が必要だと思っている。今はNECパーソナルプロダクツの中にPC事業部とその他の事業部があって、会社としてうまくオペレーションがまわっている。しかしPC事業を動かしたことによって、他の事業部のオペレーションがうまくいかなくなるようなことがあれば、NEC本体に吸収するかどうかなど、時間をかけて考えたい。

――今回の提携は、NECの中期経営計画「V2012」にどのような影響があるのか?

遠藤氏:この提携によって日本での市場シェアの拡大や、日本企業の海外現地法人へのアクセス強化などを考慮すると、現状の売上げはさらに伸びるだろうと期待している。それ以外のレノボさんとの事業展開の可能性も話し合っていきたい。

――両社の販売網の集約など、効率を上げることで収益をあげるというシナジー効果もあると思うが、そういったことも考えているのか?

遠藤氏:まずはスムーズなオペレーションを目指し、別々に動くことになるが、将来的には色々な効率化の方法があると思う。自分としては流通を全て統合できるとは思っていないが、可能性の一つとしてはあると思う。

 また遠藤氏は会見後の囲み取材にて、新合弁会社に対する、NECとレノボの出資比率について語った。遠藤氏は、「(出資比率の)51%:49%というのはあまり意味はない。ただレノボさんのスケールメリットを活かすためには、(レノボの出資比率)を51にせざるを得ない。ただイコールパートナーという考えは変わらず、スケールメリットをどう活かすかを考えたときに、51:49という比率になった」と語った。

 またPC事業の位置づけについて、「PCはクラウドにアクセスするためのデバイスとして非常に重要なマーケットだと考えている。この部分をしっかり伸ばすのは当然」と述べた。今回の提携については、「お客様に貢献度が高い製品を作るために、今の市場だけで十分なのか、我々のコスト体力で十分なのかと考えた時に、今回は非常に良い提携ができたと思う」とコメントした。
《RBB TODAY》
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