NTT、光パスとIPの統合制御によりダイナミックに仮想ネットワークを構成する技術を開発 | RBB TODAY

NTT、光パスとIPの統合制御によりダイナミックに仮想ネットワークを構成する技術を開発

ブロードバンド テクノロジー
光パスとIPの統合制御による仮想ネットワークの構築
  • 光パスとIPの統合制御による仮想ネットワークの構築
  • 資源管理と仮想ネットワークへの利用権設定
 日本電信電話(NTT)は11日、光パスとIPの制御を統合的に行うことで、1つの物理ネットワーク上に複数の仮想ネットワークをダイナミックに構築する技術を開発したと発表した。広域実験ネットワーク上で実際に、仮想ネットワークを同時に運用することに成功した。

 今回開発された技術は、光パスとIPの組合せによる仮想的なIPネットワークをダイナミックに構築するものだ。たとえば、通信速度の大きいサービスには光信号のまま情報を伝達する大容量の光パスを占有的に割り当てるなど、光パスとIPの統合制御により、IPネットワークを迅速に構築できるようになる。さらに、物理ネットワーク資源を自動的に把握し、複数の通信サービスへの配分を管理することによって、共通の物理ネットワーク上に複数のIPネットワークを仮想ネットワークとして実現することを可能とした。

 実験の成果は、性質の異なるさまざまな通信サービスを共通の物理ネットワーク上で実現することで、利用者のニーズに合わせた新しいサービスを迅速に提供することを可能にする見込み。成果の実証にあたっては、テストベッドネットワーク「JGN2plus」を用いて構築した広域実験ネットワーク上に本技術を適用し、毎秒約6ギガビットの超高精細映像を伝送する大容量の仮想ネットワークや、サービスを中断することなく光パスの構成を変更する仮想ネットワークなどを同時に運用することに成功した。

 この技術の特徴は、「光パスとIPの統合制御」と「ネットワーク資源の配分管理」「標準化技術の利用」の3つ。まず、IPルータ間を光パスで接続し、それをIPリンクとして利用可能な状態にする設定を行う。そのIPリンクを組み合わせることでIPネットワークを構成する。従来、光パスとIPの制御は別々のシステムで制御していたが、必要なIPネットワークの構成に応じた光パスの経路計算を行い、光パスの設定と同時にIPリンクとしての設定を行うなど、両者の統合的な制御を実現することで、IPネットワークを迅速に構築することが可能となる。また、光ファイバや光クロスコネクトなど、光パスを設定するための物理ネットワークの資源をサーバが自動的に把握し、物理ネットワーク管理者の操作によって、資源に対する各仮想ネットワークの利用権を設定する。各サービスの管理者は、それぞれが利用権(専有/共有)を持つ資源の配分を受け、それぞれにおいて前述の光パスとIPの統合制御を行う、自由度の高い運用を行うことができる。資源の配分は運用中に変更することが可能なので、たとえば需要の変動に対応して共有資源から一時的に配分を追加して通信容量を拡大するなどの柔軟な運用を行うことができるという。資源の把握、および光パスの設定用サーバやネットワーク機器間の連携には標準プロトコル(GMPLS等)を利用しているため、これに対応した市販製品で構成された物理ネットワークであれば本技術の適用が可能だ。たとえば大規模なデータセンター内のアプリケーションや利用企業ごとに仮想ネットワークを実現することで、通信パターンの変動に合わせてネットワークを柔軟に変更する、新しい利用者へのサービス開始を迅速化するなどの効果が期待できるとのこと。

 NTTは、この成果の実用化に向け、テストベッド実験を重ねることにより、実運用に必要な機能の拡充や実証を進めていく考えだ。本成果の実用化により、キャリアのネットワークや企業ネットワークの効率的な運用につながるものと期待される。また、2010年11月13日から米国ニューオリンズで開催されるSC10では、展示会場と日本の試験環境とを国際回線を用いて接続し、日米間で本成果の公開実験を実施する予定とのこと。
《池本淳》

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