【夏休み特別企画】ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、IT技術を用いてパークの世界観を強化 | RBB TODAY
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【夏休み特別企画】ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、IT技術を用いてパークの世界観を強化

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
USJ、マーケティング・営業本部 マーケティング部 インタラクティブマーケティング 課長 大森研治氏
  • USJ、マーケティング・営業本部 マーケティング部 インタラクティブマーケティング 課長 大森研治氏
  • 入場ゲートでの、顔認証
  • 顔認証エンジン
  • アトラクションの待ち時間を確認できる、サービス「P!トク」
  • 「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」の入口に設置されたフェリカリーダー。アトラクションに連動したミニゲームなどを入手できる
  • 「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」の出口に設置されたフェリカリーダー。松本零士氏のオリジナルマンガを入手できる
  • パーク内のパフォーマー、「ザ・ラフ・メーカーズ」。彼らが下げているフェリカリーダーに携帯でタッチすると待ち受けや着ボイスを入手できる
  • 「ザ・ラフ・メーカーズ」のフェリカリーダー
 夏休みシーズンが始まり、行楽地へ出かける人も多い時期になってきた。「夏休み特別企画」では、先日ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)で行われた夏イベント「Water Street Party」の模様をお伝えしたが、ここではUSJの、ITを用いた試みを紹介する。

 開園から9周年目を迎えるUSJでは、一般的なテーマパークにありがちな問題である待ち時間の長さの解決、さらにはテーマパークの世界観の強化を目的とし、様々な取り組みを実施してきた。これらを大きく分類すると、「入場ゲートでの顔認証システムの導入」「おサイフケータイを用いた施策の実施」に分けられる。これらの取り組みについて、USJのマーケティング・営業本部 マーケティング部 インタラクティブマーケティング 課長の大森研治氏に話を聞いた。

  まず、テーマパークの入場ゲートの顔認証システムは2006年に導入された。それまで、紙で発行されていた年間スタジオパスを、ゲートでの顔認証システムに置き換えたことにより、パス作成のための申込用紙の記入や写真撮影というステップがいらなくなった。また入場ゲートでの顔認証のプロセスは1秒ほどしかかからないため、多い時で1時間だった入場への待列も解消されたという。さらに従来は目視で行っていた本人確認の精度の向上や、パスの紛失による悪用防止などにもつながり、セキュリティ面でも改善されたという。

 顔認証システムの導入について大森氏は「導入したNECの顔認証システムは、テロ防止を目的として空港でも採用されており、信頼性が高かった。さらにお客様にとっても顔パスで入場できるため満足度の向上につながるのではないか」と語る。

 また、USJではおサイフケータイを用いた様々な試みを2008年12月末から実施している。例としては、園内のフェリカリーダーからのミニゲームやコンテンツのダウンロード、各種アトラクションの待ち時間の確認などがあるが、導入のいきさつとしては、「テーマパーク内で築き上げた世界観を、モバイルコンテンツによって、パークの外まで持続させ、リピートにつなげたいという思いがあった」(大森氏)という。

 例えば3月にオープンしたアトラクション「スペース・ファンタジー・ザ・ライド」では、待列に設置されたフェリカリーダーから、アトラクションに連動したミニゲームを入手できる。ゲームの内容はアトラクションのストーリーを補完するものになっており、アトラクション自体をより楽しむための工夫がなされている。また同アトラクションの出口に設置されたフェリカリーダーからは、漫画家の松本零士氏によるオリジナルのマンガを入手でき、マンガは連続シリーズになっているため、何回か体験しないと全部読めないしかけになっている。

 さらにおサイフケータイを用いて、来場者が園内のアトラクションを効率的に周れるようにする工夫もなされている。園内のフェリカリーダーに携帯をかざすことで、各アトラクションの待ち時間を確認できるサービス「P!トク(ぴっとく)」がその一例になる。待ち時間情報を知らせる方法として、ホームページでの掲載ではなく、フェリカリーダーからの入手という形をとった理由としては、「待ち時間が長い場合、その情報がこれから来場しようとするパーク外の人にはネガティブにとらえられる可能性があるため、来場者のみが確認できるように、今の形を採用した」(大森氏)という。

 そのほかのおサイフケータイを使った試みとしては、パーク入場の際に、携帯電話をかざして入場できる1日券「チケットダイレクトイン」や、あらかじめ指定したアトラクションの待ち時間を短縮できる「ユニバーサル・エクスプレス・パス」などがある。

 尚、おサイフケータイを用いたサービスには、スマートフォンからのアクセスも増えているといい、関連した施策も検討中だという。

 このように、USJはパーク内の体験価値を向上させるために、モバイルを用いて様々なアイデアを実施しているが、来場者による携帯電話の利用が増えることへのジレンマもあるという。「本来は、人と人とのコミュニケーションを大事にしたいが、あまりに園内でモバイルゲームやコンテンツを利用する人が増えてしまうと、それが壊れてしまう」(大森氏)という懸念があるようだ。USJでは、「アトモスフィア・エンターテインメント」という、コンテンツを入手できるフェリカリーダーを下げたパフォーマーが、来場者と触れ合うというような試みも行っており、モバイルの施策を実施しつつ、パーク内のコミュニケーションも充実させたい考えだ。
《RBB TODAY》
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